もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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遠隔治療

せっかく胃薬を先輩に処方してもらって安心、安心だったのですが
今日、仕事に出かける時に、うっかりして
薬を家に置きっぱなしで
結局、一日、薬なしで、胃の痛みを我慢しながら仕事してました(涙)

まあこれから気をつけましょう.

医療支援のために様々な IT技術の研究が盛んです.
テレビを始めとする各マスメディアでも
「遠隔治療」として、さまざまな取り組みが紹介されています.

医療の質を高めて、医療の安全性を確保するためには
医療スタッフの増員・充実が最重要であって必要条件であることは
間違いない事です.

とはいうものの、地方の病院では、必要なスタッフの補充に
四苦八苦しているのが現状です.

そんな病院側の都合とは関係なく、患者さんたちは
病院にやってきます.

スタッフ、人材不足をなんとか補う事ができないか
いつも頭を悩ませます.

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特に緊急の場合には、初期対応でなんとかしなければならず
ますますストレスはかさむばかりです.

地方に勤める民間病院の循環器の医者としても
遠隔治療のより一層の充実と画像配信、情報配信の
全国的なインフラ整備を心より願うものです.

一民間病院レベルではどうしようもないので
自治体レベル、国レベルの早急な対応を期待したいところです.

まず奈良生駒市の取り組みです.
1)---------奈良新聞 2008.02.26
救急活動、医師が支援-先端大と生駒市消防、画像配信実証実験
file:///Users/shintomoyasu/Desktop/社会%202008年2月26日.webarchive

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 奈良先端科学技術大学院大学(生駒市高山町)と
 生駒市消防本部は25日、インターネットを使って
 救急活動現場の状況を医師がパソコン上で確認し、
 現場の救急隊員に適切な指示を与えて支援する 
 画像配信システムの実証実験を、同市山崎町の同本部で実施した。

 同システムは、救急活動の支援と充実を目的に、
 同大の砂原秀樹教授のグループと同本部が平成15年から
 開発に取り組んでいる。
 同システムでは、事故や災害の現場の救急隊員が、
 ゴーグルに付いた小型カメラで撮影した動画とマイクの音声を、
 インターネット通信で医師のパソコンに転送。
 医師は状況を確認しながら救急隊員と双方向で対話し、
 病院搬送までの間の負傷者への適切な処置などをアドバイスする。

 これまで同システムは、受信側に特別な機器が必要だったが、
 市販のパソコンで対応できるように改良。動画のブレが軽減され、
 心電図などの医療機器の情報も併せて送信できるようになり、
 実用度が増した。また、携帯電話でも心電図などの情報が得られる改良がされ、
 近くにパソコンがない場合でも、一定の対応が可能になった…
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大阪吹田市での取り組みもあります.
2)------産経ニュース 2008.02.29
救急搬送時、患者情報を病院に送信 吹田市で来月下旬にも実用化
http://sankei.jp.msn.com/life/body/080229/bdy0802290001000-n1.htm

 救急車で患者を搬送する際に、
 患者のデータをインターネットを使って病院に送信するシステムが、
 来月下旬にも大阪府吹田市で実用化されることが28日、決まった。

 システムは同市にある国立循環器病センターが
 民間の会社と共同開発したもので今後、
 市内すべての救急車に搭載されるという。
 新システムにより患者の状態を瞬時に判断することが可能になり、
 救急搬送拒否の問題の改善にも効果が期待されている。

 同センターとNTTコムウエアなどが1年がかりで開発。
 昨年12月に1カ月間の実用化試験を実施し、
 安全性に問題がなかったことから、この日、
 同センターの倫理委員会で承認された。
 吹田市内の6台の救急車に配備され、
 市内全域での利用が可能になるという。

 新システムでは、救急車から携帯端末を使って
 患者の映像や心電図、血圧や心拍数などのデータを
 独立したネットワークに送信。
 将来的には、複数の病院や消防司令室で患者情報を共有することも
 可能だが、当初は吹田市と同センター内での運用になるという。

 このシステムで、病院到着前に半数が亡くなるとされる心筋梗塞などの
 重症患者の早期対応も可能になるほか、
 患者の様子を画像で直接医師が見ることで病状の判断もでき、
 救急搬送の受け入れ拒否問題などへの対応にも
 役立つのではないかとされている。
 吹田市消防本部の担当者は「従来、口頭で医師に容体を伝えていたが、
 どうしても医師でないとわからない部分がある」とし、
 「血圧や脈拍などの情報や画像での診断で、より的確な判断が得られる」。
 同センターの野々木宏緊急部長は
 「病院が少ない僻地などでも適切な治療が可能になる」としている。
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救急や緊急の場合は、とにかく短時間にできるだけ沢山の必要な情報を
入手し、スタッフで共有することが
一番大切なことになります.

救急隊から病院への搬送だけでなく
病院から病院への転送の場合も、同じシステムを活用すれば
より円滑な転送、搬送が可能になりそうです.

少なくとも、急性心筋梗塞、急性冠症候群の疑いの患者さんの搬送においては
12誘導心電図がリアルタイムでモニターされ
搬送先施設、転送先施設に送る事ができれば理想的です.

重症患者さんの診療、診察においては
こうしたデジタルデータだけでなく
自分の目でみた患者さんの状態も、やっぱり重要です.

どこの病院、どこの病棟にもこういう第六感といいますか
動物的なカンがすごい人が必ずいて
患者さんをちらっとみて、「今日この人はやばい」とか
レントゲンや血液検査の結果をみずとも
彼女(彼)の言葉のほうが正確だったりします.

まあ冗談はさておき、従来のデジタル情報だけでなく
できるだけ広範な画像情報、患者情報をできるだけ
伝える工夫が必要だと思います.

まあ結局、患者を直接に診るという事が
百の言葉よりも大事なんですね.

昔、私が一緒に仕事をした救急医の先生は
緊張性気胸は、レントゲンをとらなくても診断できなくてはだめだ!
レントゲンに頼らずに診断して、すぐに胸腔ドレナージできるように
トレーニングしなさい!といわれました.

いまだについついレントゲンに頼ってしまっています.

さらに循環器の実際の現場の経験からすると
特に最近の急性心筋梗塞の症例からすると
強い胸痛を訴えているにもかかわらず
心電図変化が経鼻であったり、来院時には血液検査が全く正常ということも
よく見られます.
おそらく心電図モニターだけの観察では見逃してしまいそうな
軽微な変化と症状でもってすぐに診断し
緊急カテを行わなければならないのです.

この間、経験した症例もこのような状況で救急搬送されて
緊急カテーテルを行ったところ、左前下行枝起始部の完全閉塞病変でした.

本当に臨床は難しいです.

緊急情報を救急搬送中から、全てのスタッフが共有できるということが
これからの改善の出発点になるのだと思います.

余談ですが、自分の受け持ち患者さんで
心電図もニターをつけている患者さんにおいては
24時間、どこでもいつでもすぐにモニターを確認できるといいなあと
思います.
病院内であれば、機器の整備で可能だと思いますが
自宅にいながら、もしくは病院の外から
必要な心電図、心電図モニターの確認ができるシステムが
あるといいと思います.
個人情報のかねあいがあって、なかなか難しいのですが.

病院内に導入されている医療画像配信システム((PACS)も
緊急で呼び出しを受けた時に
とりあえず自宅で画像をぱっと確認できるといいのですが.
初期の指示が素早く出せますし
患者さんの状態を心配しながら深夜に病院まで
車を走らせる時間というのも、これまた本当にストレスだからです.

画像配信による情報配信、コミニケーション技術については
こんな応用も始まっています.

3)-------YOMIURI ONLINE 2008.02.29
テレビ電話で健康相談
高齢者宅に設置へ大野町が予算案に盛り込む
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gifu/news/20080229-OYT8T00306.htm

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 大野町は28日、65歳以上の独り暮らしの老人宅に
 テレビ電話を設置して、健康相談などを行うため、
 新年度当初予算案に事業費約730万円を盛り込んだ。
 同町によると、県内の自治体では初の試みという。

 テレビ電話は、同町で普及している光ファイバーケーブル網を利用。
 町がテレビ電話を一括購入して利用者に無償で貸与し、
 毎日1回は、在宅支援センターにいる保健師に連絡をして
 健康相談などをしてもらう。保健師もお年寄りの顔の表情を見ながら、
 声だけでは分からない健康状態を判断する。

 テレビ電話を設置してあるお年寄り同士が、
 通常の電話と同じようにテレビ電話を使って通話することも可能だ。
 毎月の回線使用料などは自己負担になる。

 町内には65歳以上の独り暮らしのお年寄りが約380人いるが、
 現在までに54人がテレビ電話の設置を希望しているという。

 同町では現在、職員が高齢者宅を訪問して健康状態などを聞いているが、
 高齢者が多いために、なかなか回りきれないのが実情。
 昨年9月と今年1月に実証実験をした結果、使用方法も比較的簡単で、
 お年寄りの間で好評だったことから本格導入に踏み切ることになった。

 一方、この日発表された新年度当初予算案は、
 一般会計が61億1000万円で、前年度当初比4・2%増の伸びとなった。
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やはりコミニケーションの基本は顔と顔を合わせる事なので
こういうテレビ電話は、やっぱりいいですね.

ちなみに以前勤めていた病院で、当直三昧、救急三昧で
なんとか家族と子供に見放されずに、忘れられずにすんだのは
ドコモのFOMA によるテレビ電話コミニケーションを
マメに続けていたおかげです(笑)

救急搬送を迎え入れる時に
連れてきた救急隊の人が顔見知りであると
こちらもまた気合いが入ります.

おかげさまで可茂地域の救急隊の方とは、かなり顔見知りになりました.

同じ理屈で顔見知りである近隣の循環器ドクターや心臓外科ドクターには
顔と顔の関係でもって、少々無理も聞いてもらっていたりします.

こうしてみると情報伝達、ITの活用はあくまで道具であって
最後に救急を支えるのは、人と人とのネットワークということになります.

最後に地方の田舎の病院の医師として希望を述べると
青森、サッポロなどなど日本の循環器の先生と
テレビ電話ネットワークを作っていただいて
カテ中に困った時、緊急で困った時
テレビ電話で、顔をみながら
いろいろと話ができるシステムができるといいなあと思います.

夢のような話ですが、できるとなればすごいことになりますね.

追記;3月1日(土曜日)は
 循環器外来は休診となります.
 またまたいつものメンバー3人と一緒に
 豊橋ハートセンターで開催される「東海ライブ研究会」に
 出席してきます.

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by yangt3 | 2008-03-01 00:12 | ニュース