もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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ふるさとの訛りなつかし

ふるさとのなまりなつかし
     停車場の人ごみの中に
     そを聞きに行く  

有名な石川 啄木の 故郷を懐かしみ読んだ有名な短歌です.

学生の頃の一時期に石川 啄木の短歌に
熱中したことがあります.

ひどく頼りなげな毎日の生活に、彼の叙情的な歌が
慰めとなったのでした.

享年26歳でこの世を去った 石川啄木の
波乱の人生と 彼の短歌に込められた 本当の心情を
理解するには、私はまだまだ 子供に過ぎませんでした.

学生時代から沢山の書物を読んでいるわけですが
書の内容を自分の一部として真に理解するためには
経験知の蓄積が必要なのかもしれません.

仕事と生活に日々追われる生活を過ごす今であれば
少しは、また石川 啄木の歌がすっと体の中に
浸透するように思います.

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以前に勤めていた病院は
愛知県にありましたが、なぜか病院の中では、
九州や沖縄出身のスタッフが多く
院内で話される言葉だけを聞いていると
まるで南の方の病院のようでした.

地元訛りの言葉で話す老人たちを相手に
博多弁だの鹿児島弁だの、自分たち出身の訛りで
言葉を返して
ちゃんと会話が成り立っているのが
何となく不思議で面白い光景でした.

とはいうものの方言特有の言い回しがあり
思わぬ誤解やとんちんかんな会話になることもよくあります.

あるお年寄りが暗い顔で外来にやってきて
あーこわい、こわいとつぶやいています.

え~っ、心霊現象?なんて思っていると
実は、えらい、しんどい、疲れたという意味で
こわい、こわいと言っておられたのでした.

ある時は、ちょっと馴染みになったお年寄りの方に
外来で、「先生、やっとかめだなも」といわれて
ちょっとうれしくなったこともあります.

若い頃には、方言を使う事がちょっと気恥ずかしかったり
するものですが
こうして医療の仕事を続けていると
方言や生活に根付いた言葉の暖かみというものを
感じるようになりました.

-----------iZa イザ! 2008.03.07
方言で医療困った!津軽弁などデータベース化へ
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/health/128409/

  地方の医療現場では今、標準語を話す若い医師や看護師が増え、
 方言を使う高齢者が、身体の痛みや心の悩みを
 伝えにくくなっているという問題を抱えている。
 こうした中、医療や看護の場面で多く使われる方言をデータベース化し、
 世代間や地域間の“言葉の壁”を取り払い、
 お年寄りが住みやすい地域作りを進めようという
 ユニークな取り組みが行われている。

 医療現場での方言を調べているのは、
 富山商船高専と青森・弘前学院大、県立広島大、大分大の共同研究グループ。
 昨年度から青森、富山、広島、大分の4県で高齢者や医師、看護師らから、
 方言をめぐる意思疎通のトラブルや症状の説明に関する言葉を集め、
 大分を除く3県でそれぞれ約500語のデータベースを試作した。

 例えば、津軽弁(青森)で発熱前の背中がゾクゾクする感じは
 「うじゃめぐ」「ぐじゃめぐ」。
 おなかの鈍痛は「腹にやにやする」「腹にきにきする」。
 広島弁でひじを机の角にぶつけて、しびれたときの感覚を
 「はしる」などといった方言をまとめた。

 青森県の津軽地方を担当した弘前学院大の今村かほる准教授(方言学)は
 「津軽は今でも方言が主流だが、
 核家族化や昭和30年ごろまで学校教育で行われた方言やなまりの矯正で、
 若者の言葉は標準語に近くなった」という。
 このため、津軽に移った人が言葉の違いに戸惑う「地域差」と、
 高齢者の言葉が分からない「世代差」の2つの問題が生じた-と指摘する。
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太宰治の読者である私としては
津軽弁にも、あこがれのような気持ちがあります.
とはいうものの、私自身は青森で直接に生の津軽弁に触れたことは少なく
もっぱら文学の世界からだけなのですが.

(太宰治といえば トカトントンという作品がありますね.
 先日行われた東海ライブの際に
 S先生が、デバイスを抜く際に、ちゃんと声を出しなさい.
 そう、トントントンと大きな声を出せ、と部下に命じていましたが
 それを聞きながら、なんとなくこの 太宰治の トカトントンを
 思い出していたりしました.)
 
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閑話休題.

医者も看護師も、仕事の都合や家庭の都合などで
転勤があるのは、他の職種と同様です.

この記事にあるように、赴任した土地での言葉を
使いこなす事が、患者さんとのコミニケーションを取る為に
大切なことになってきます.

地元の言葉で語りかけられて
同じように地元の言葉で返してあげれば
なんとなくその おじいちゃん おばあちゃんとの
コミニケーションも深まった感じがします.

私の個人的な感想としては
共通語、標準語での会話よりも
地元の言葉、方言での病院の会話のほうが暖かい感じがします.
皆様はいかがでしょうか.

私たちの病院でも、地元の言葉が飛び交って
患者さんんたちと、飾らない普段着の会話が為されており
いい感じだなあと思っています.

最近の学会は、ほとんど会場内では、英語だけという感じなのですが
たまには、全てその地方の方言だけ、というのも
生の声が聞けてよいかもしれませんね.

とりあえずのところは、アフターファイブの小さな集まりでは
お酒を飲みながら実践してます(笑)

山形に、大隅鹿屋に日本をまたにかけて活躍している
外科の同僚の先生からは、時々言葉の指導ももらっています(笑)

英語は、情報収集、情報伝達のツールとして
必須ではありますが
私たちの心をきちんと伝えるのは、やっぱり日本語であり
方言ではないでしょうか.

宮沢賢治の「永訣の朝」は
本当に美しい日本語の白眉だと思います.

 永訣の朝
 http://www2.odn.ne.jp/~nihongodeasobo/konitan/eiketsunoasa.htm 

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これからも病院に来院される
おじいちゃん、おばあちゃん達の言葉を
勉強させてもらいたいと思います.
by yangt3 | 2008-03-10 00:10 | ニュース