もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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一人じゃないって素敵なこと

長い病院での合宿生活を終えて
久しぶりに自宅に帰り着きました.

あいにくと、家人たちは所用で留守であったため
真っ暗な家に一人帰りました.

昔の苦しかった医学生や研修医の頃を
思い出してしまいました.

夜の食事は当然、コンビニ弁当です(笑)

学生の頃は、一人の生活は気楽なものだと思っていましたが
仕事に追われて、目に見えない様々なストレスを
抱えると、改めて家族のありがたみを感じます.

家族だけでなく、友人や仲間も
大切な存在です.

何事もたった一人では、苦しいですし
困難にぶちあたった時に、心が折れてしまいそうです.

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三次救急病院や地域の基幹病院ならともかくも
24時間にわたって、夜間休日、祝祭日も
多くのスタッフをそろえている医療機関は少ないと思います.

 夜間休日の救急、医師2人以下が7割
 http://www.cabrain.net/news/article/newsId/16634.html
  
 入院を必要とする救急医療を担う医療機関
 (二次救急医療機関)の中で、
 休日と夜間の診療体制が医師2人以下となっている
 医療機関が全国で7割に上ることが、
 厚生労働省の調査で6月16日までに明らかになった。

 調査は、複数の病院が当番制で休日・夜間の診療を行う
 「病院群輪番制」に参加している病院と、
 拠点となる病院が施設を開放し、
 地域の医師の協力を得て診療体制を確保している
 「共同利用型病院」を対象に実施。
 全国3108か所の二次救急医療機関から回答があった。

 当番日の勤務医師数では、
 「1人」が1331施設で全体の42.8%を占め、
 「2人」の872施設(28.1%)と合わせ、
 全体の71%に当たる2203施設が、
 休日と夜間の医師体制が2人以下になっていた。「3人」は319施設(10.3%)、「4人以上」は539施設(17.3%)だった。

 また、一施設が当番時間内に受け入れた患者数は全国平均で20.3人、
 うち入院患者数は3.8人。医師一人当たりの患者数は全国平均7.6人、
 うち入院患者数は1.4人にとどまった。
 この結果から、二次救急医療機関は本来、
 入院治療を行う医療機関として位置付けられているものの、
 実態としては外来患者の割合が多いことが裏付けられた。

 このほか、一施設当たりの救急搬送患者数は、
 都道府県によって大きなばらつきがある上、
 同一都道府県内でも、救急車を数千台受け入れている施設から、
 ほとんど受け入れていない施設まで、かなりの開きがあった。
 大阪府では、年平均1363.3人を受け入れているが、
 最高で7758人、最低で5人。東京都でも同1531.9人に対し、
 最高で7337人、最低で49人だった。

 厚労省では今後、医師の休日・夜間の病棟業務との兼務の状況や、
 宿日直体制か交代制かなどの勤務の状況なども調査する予定。

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医師が二人なら、まだなんとかなります.
理想的には、外科系1名、内科系1名、さらには研修医の先生が数名
というのが基本的な最低限の救急、時間外環境だと思います.

もちろんさらにいえば、各科専門医師がオンコールで対応可能であるとか
オンコールでなくても電話で相談ができるとか
そんな環境が理想です.

例えば循環器科のいない病院で、急性心筋梗塞の患者を
夜間休日の救急で受け入れたとしましょう.

自分の病院では対応できないため
近隣の循環器科のある病院に患者さんを転送するか
もしくは、救急センターに転送しなければなりません.

循環器救急の場合には、心室細動を含めて
突然の状態変化もあり得ることですし
ショックに陥る可能性も考えれば
当直医が、そのまま搬送先まで、患者さんに
付き添って救急車で向かうことになります.

搬送先の病院まで片道30分かかるとなると
少なくとも往復で1時間かかることになります.

医師一人当直の病院であれば、その間に
医師不在となってしまうために、その留守番のために
非番の医師を招集することになります.

救急選任の人員を置ける余裕がある病院は少なく
病棟当直とかねていることが大半です.

つまりは、夜間休日は、救急時間外対応に加えて
病院入院患者のケアの全てを医師一人で
対応することを余儀なくされています.

病棟で重症患者が入院している場合や
病棟内で急変や心肺停止など突発的なことが
発生した場合には、応援の医師を呼び出しかけるとしても
さらに外からの救急時間外対応を行うことは
実質的に、現実的に無理なことが
おわかりいただけると思います.

とにかく人が、スタッフが絶対的に足らないのです.

私も当直以外で、これまでに
どれだけの沢山の時間を
ボランティア当直としてすごしてきたことか.

そもそも一人医師当直を余儀なくされている病院では
当直体制も少ない人員で回している所が多く、
こうした予定外の呼び出しで
ますます医師の疲弊や疲労が強まることになります.

心臓病の救急や脳血管障害の救急を
継続してきちんと受け入れていくためには
例えば心臓であれば、選任の循環器医師は2名から3名以上
脳外科であれば、2名から3名以上は欲しい所です.

現実には、個々の専門医師の熱意と驚異的な頑張りで
毎日の現場を乗り切っています.

さらにいえば、医師だけで救急ができるわけではなく
他の様々な専門職種の協力も必要です.

経験のある看護師さんたち、緊急のカテーテルに対応可能な
レントゲン技師、人工呼吸やIABPやPCPSの即時対応が可能な
MEさん、緊急手術に対応可能なオペ室スタッフなどなど..
24時間病院につめている必要はないとしても
いつでも対応可能な、オンコール状態を保つことは
本当に大変だと思います.

私の知るオペ室主任は、この1年、ほとんど毎日が
オンコール状態で、まともな休みは
一日もなかったのではないでしょうか.

どんなに一人で頑張っても、所詮一人.
できることには、おのずと限界があります.
できるだけ沢山の仲間とともに仕事をしたいと
誰もが思って、感じていることです.

今回の岩手・宮城内陸地震の被害においては
各地の DMATチームが現地で活躍しています.

 【岩手・宮城内陸地震】各地の「DMAT」が医療活動
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/080614/dst0806141822060-n1.htm

緊急時にこうして数多くの人たちが垣根を越えて
ともに協力して頑張っていく姿が、本当の救急だと感じます.

できることであれば、災害派遣のDMATだけでなく
救急全般の派遣医療チームというものが
各地域で沢山つくられれば
もし一人当直の病院で、緊急事態となっても
そうした緊急派遣医療チームがヘルプしてくれればと
夢のようなことを考えたりします.

今日は、左主幹部病変のカテーテル治療がありました.
けっこう技術的に難しい症例でしたが
カテ室スタッフの頑張りを得て、なんとか
無事に、そして良好に治療を完了することができました.

状況がどうあれ、患者さんの病気は待ってくれないので
自分のできることを、微力をつくしていくだけです.
by yangt3 | 2008-06-17 21:48 | 一般