もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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理念と現実

最近では、医療、救急関連の記事が毎日
ニュースとなっています.

救急の理念の達成のために現場のスタッフが手探りで
頑張っている姿も、またニュースとなっています.

ちょっと古いところですが...

 1)「苦闘」 理念実現 まだ手探り
 http://www.asahi.com/kansai/news/kyuukyuu/OSK200802130019.html
 
 救急患者を断らない、全ての救急対応をという理念達成のためには
 まだ様々な問題が山積しています.
 マンパワー不足はとりわけ深刻です.

 2)パネルディスカッション:救急医療どうする 
 医師らが苦悩の発言--倉敷 /岡山
 http://mainichi.jp/area/okayama/news/20081109ddlk33040389000c.html

 (記事より引用)ある民間病院の院長のコメント
 「夜間救急に対応できないため06年末に
 救急告示病院を取り下げた。当直回数が多いほか、
 若い当直医から『救急が来ても
 (専門医の)バックアップ体制がないと不安』などの声を受けた」

そんな中で救急を断らないという方針で頑張っている病院を作るためには
何が必要なのでしょうか.

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3)「急患断らぬ」貫き25年 千葉・柏の病院の医師確保法
 http://www.asahi.com/health/news/TKY200811060132.html

 救急患者の受け入れ拒否が社会問題になる中、
 「どのような急患も受け入れる」ことを
 開院以来25年間守り続けている病院が千葉県柏市にある。
 (中略)
  柏市の名戸ケ谷(などがや)病院は内科、外科など
 21科247床、中規模の民間総合病院で、
 2次救急を担う。ここを目指して年間5千台の救急車が走る。
 柏市内の救急搬送の4割前後を受け入れているほか、
 近隣の我孫子、松戸、野田市、さらに埼玉県から
 運び込まれる患者も少なくない。

 産婦人科はないが、妊婦も断らず、とにかく患者として受け入れる。
 患者は一般医が診断し、出産の場合は産科がある医療機関に
 転送するなど専門医の対応が必要ならば連携できる病院へ移す。
 「管制塔」のような役割もする。

 名戸ケ谷病院が患者を断らずに済むのは、
 医師の手厚い配置があるからだ。常勤医が35人で、
 法の規定より9人多い。各科1人は必ず病院から車で5分以内に住む。
 病院が借り上げ住宅を用意しているほか、
 住宅購入の優遇ローンなどもある。

 2人の当直医だけで対応できない場合は、
 いつでも医師の呼び出しが可能だ。
 副院長で外科医の高橋一昭さんの場合、
 こうした呼び出しの緊急手術は週に1~2回という。

 年間1700件の手術があり、さまざまな症例を学べるとあって、
 研修医の人気も高い。今年は5人の枠に22人の応募があった。
 大規模な大学病院で研修医の定員割れが起きているのとは対照的だ。

 常勤医には研修日があり、週2.5日は現場から離れられるほか、
 10日間の夏休みもまとめ取りできる。
 国内外への留学や学会出張への援助もある。
 こうした取り組みで医師の定着が増えた。
 (後略)
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救急を断らない地域のシステム構築のために
まずは救急病院の体制作りは不可欠です.

マンパワーの充実、医師の確保は最重要課題です.

247床の病院で、常勤医師が35人とはうらやましい限りです.

医師の手厚い配置、専門医のバックアップがあれば
本当に安心です.

残念ながら地方の病院で、この病院と同じような
医師の体制を作っていくのは、かなり困難な状況です.

医師不足で、救急病院も返上し
日常診療にも支障を来たし、病院の経営さえ危うくなっていく.
そんな負のスパイラルだけは、なんとか防ぎたいものです.

救急に関わるスタッフは
救急を断らない病院を理想としていると思いますが
現実の様々な要因がそれを妨げています.

医師不足にあえぐ地方病院では
どうすればいいのか.

できれば自分の専門分野にかかわる救急は
全てを自分の病院で診療したいという思いがありますが
マンパワー不足で、日常診療に手一杯というのが現実です.

救急を支える看護師や様々な病院スタッフの確保と
手厚い配置もまた必要なことです.

医師も看護師も医療スタッフも過労に落ちうることなく
万全の救急体制を作ることができれば.

今の所は、地域の高機能病院との連携を密にして
管制塔病院ならぬ、前線のトリアージ病院としての機能を
せめて頑張って死守するという所でしょうか.

年末にかけてマンパワー不足で
学会も研究会も参加がままならない状況が
しばらく続きます.

医師としての自分の役割を果たし
パフォーマンスだけは落としたくないと思いますが
いや、なかなか大変です...
by yangt3 | 2008-11-10 08:35 | ニュース