OsiriX for iPhoneーやっと登場しました!
2008年 11月 17日
ほとんどの人が持っているソフトといえば
いろいろありますが、やっぱり筆頭は OsiriXではないでしょうか.
OsiriXは、Mac専用のDICOM ビューワーソフトです.
つまりは心臓カテーテル画像やCT、MRなどの医療画像の
専用ビューワーソフトです.もちろんWindowsでは使えないです.
1)OsiriX - DICOM Viewer
http://www.osirix-viewer.com/index.html
なんといっても無料で高機能なマック専用医療画像ビューアーであり
私の今のカテの仕事では、なくてはならないソフトの一つです.
iPhoneが登場して、OsiriXが iPhone対応のアプリを出してくると
かねがね噂があったのですが、ついにやってくれました.
正式にiPhone対応版である OsiriX for iPhoneがリリースされました.
2)OsiriX for iPhone
http://www.osirix-viewer.com/iphone/
もちろんアプリを知ったその日にすぐダウンロードです(笑).
Mac本体に使用する OsiriXが無料でダウンロードできるのに対して
iPhone用のOsiriXは、有料となっています.
その価格 2300円を高いとみるかどうかは
個人の判断でしょうね.
私は、ブログの記事を書くための必要経費と考えて
なんの躊躇もありませんでした(笑).
わがiPhoneにさっそくOsiriXをいれてみて
いじくってみます.
まずは、サンプルで入っている画像です.
CTの 3D 構築画像ですが、MacでOsiriXを動かすのと同じように
ぐりぐりと回転したり、拡大縮小したり、コントラストや画像調整を
行うことができます.
同様にCT の2D画像も同じように画像処理が
iPhone 上でできます.なかなかの操作感だと思います.
先に登場した同じ医療画像ビューワーであるMIMと比べても
見劣りがしないばかりか、より洗練された感じがします.
なんといっても普段使い慣れた OsiriXですから!
画像の鮮明度や解像度も、かなり良好であり
十分実用レベルであると感じました.
つまりは出先で、さっと画像を確認することが可能なレベルです.
面白いことに、OsiriX for iPhoneを立ち上げると最初に
" NOT FOR CLINICL USE
NOT SUITABLE FOR DIAGNOSIS"と
警告がでてきます.
またこれからどんどんバージョンアップして
よりよいソフトにしていきますよ、とそういう意味だと思います.
循環器の現場のユーザーの声を
OsiriXチームに届けないといけないですね.
というわけでさっそく実践です.
この日曜日は、所用ででかけた家人にかわり
3人の男の子の子守をしながら
この OsiriX for iPhoneと格闘していました(大げさか)
もともと OsiriXは、Mac専用に作られたソフトなので
iPhoneのOsiriXも、Macがあればけっこう簡単に
ネットワーク操作が可能です.
WiFi環境が動作には不可欠なのですが
私は、自宅のAirMac ExpressによるWiFiと
Macは、MacBook Air を用いました.
a)まず普段通りに、MacでOsiriXを立ち上げます.
カテ画像をデーターベースに読み込みます.
b)続いてWiFi環境下で、iPhone上でOsiriXを立ち上げます.
するとMac側のOsiriXで、WiFi経由で
iPhoneが認識されます.
これだけでもけっこう感動します.
(くわしくは付属のマニュアルが参考になります)
リモートディスクと同じ感覚ですが
ドラッグ&テロップで、iPhoneに読み込みたい画像を
移せば完了です.
c) iPhoneの側にしっかりとカテ画像が読み込みされました.
d)この画像を使えば、iPhone上で、Mac上と同様に
OsiriX風の画像操作、画像調整が可能です.
出先でもWiFi環境が利用できれば
サーバーとなるMacからOsiriX経由で、画像を呼び出して
必要な画像を、iPhoneに読み込むことも可能です、と
マニュアルに書いてありました(笑)
今のマシンパワーとか、WiFi環境が出先ではなかなか利用できないなどを
考え合わせると、静止画像としてMobileMe経由で読み込むとか
メールとして読み込むほうが実際的かもしれません.
でもゆくゆくは、出先でさくさく、iPhoneでサーバーから画像を
読み出してみたいと思います.
さて、付属のマニュアルには、簡単に書いてあったのですが
実際に自分のiPhoneに画像を読み込むために
かなり苦労しました.
一番困ったのは、iPhone用のOsiriXが時々落ちることです.
なんどか最初からやり直しでした(笑)
WiFiの環境と、Macのパワーにも左右されるのでしょうが
MacからiPhoneに画像を移す時間がけっこうかかります.
たとえば右冠動脈のLAO Viewの造影動画を移すために
20〜30秒くらいかかったりします.
そんなとき、iPhoneを電源につないでいないと
スリープモードになって、また最初からやり直しです.
OsiriX for iPhoneでMacから画像を移すときには
ぜひiPhoneを電源アダプタにつないだ方がよいと思います.
(こんなことは、マニュアルには載っていませんが)
そんなわけで、まだまだこれからのバージョンアップに期待したい
というところですが、念願のOsiriXがiPhoneでも使えるようになり
これが医療系Macユーザーにとっての
キラーアプリになるのではないかと予感しています.
Mac用のOsiriXと同様のきめ細かいバージョンアップを期待です.
なんといっても2300円の有料ですから(笑)
すでにMacでOsiriXを使っていて、iPhoneもお持ちの
循環器の先生方は、ぜひ使ってみていただきたいと思います.
そして皆さんのご意見も頂ければ幸いです.
追記;アップルのホームページから
医療系の専用ページであるアップルメディカルが削除されていました.
私の記事も見れなくなってちょっと残念です.
それはそれとして、アップルのホームページから
OsiriX関連ページも削除されているのが気にかかります.
OsiriXというキーワードでアップルページ上で検索しても
なにもでないんです.
グーグルでは、まだOsiriX関連のアップルの古い記事は
検索できて閲覧できますが、これもそのうち削除されてしまうのでしょうか.
最近とみに、医師、医療系スタッフのMacへの関心の高まりと
Macへの回帰が実感されています.
そうした流れの中で、アップルメディカルに限らず
アップルが医療系ユーザーへのアプローチを止めてしまうのではないかと
ちょっと心配してしまいます.
日本でのiPhoneをささえているのも、やはり医療系ユーザーであると
思うのですが、そこのところ
アップルさんは、どう思っているんでしょうね.