もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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選ばれたら....

日本全国どこの病院も、医師数、看護師、スタッフが
充足しているという病院は少ないです.
大都市の病院でさえ余裕はないというのが現実です.

来年から始まる裁判員制度.
テレビのCMも始まっていますが
医療崩壊の中で余裕のない医療機関の医師、看護師、職員が
もし実際に裁判員に選ばれたら
医療現場にとっては、深刻な人手不足を招いてしまうかもしれません.

医師過疎地域にあっては、それが直接
市民の生命の危機に直結することもあるかもしれません.
そんな危惧を感じていたところ、こうした問題についての
アンケート調査の記事が掲載されました.

 1)裁判員制度で救急18施設アンケート「影響大」「医師数 余裕ない」
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/081120/trl0811202317009-n1.htm
 
 国民の義務として裁判員制度に協力することは
やぶさかではないのですが、実際に参加することになれば
医療現場での余裕のない仕事のやりくりに
頭を悩ませること必定です.

テレビCMは以下のアドレスで動画を見ることができます.
 裁判員制度CM「来年スタート!」
 http://www.saibanin.courts.go.jp/news/video7.html

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(以下上記記事より引用です)
 
 来年5月に始まる裁判員制度について、
 産経新聞が近畿2府4県の救命救急センターに
 アンケートを行ったところ、
 回答のあったすべてのセンターが
「医師が裁判員に選ばれれば救命救急に大きな影響が生じる」と
 考えていることが分かった。

 仕事を休めば著しい損害が生じる場合には
 裁判員の辞退を申し出ることができるが、
 認められるかは裁判官の判断次第。

 制度のスタートまで、21日であと半年。
 深刻な人員不足に悩む救急医療の現場にとって、
 裁判員選任が新たな負担となる可能性が浮き彫りになった形だ。

 アンケート調査は近畿2府4県の救急医療機関のうち、
 重症患者の救命を担う救命救急センターに質問書を郵送して実施。
 期限までに18センターから回答があった。

 調査結果によると、医師が裁判員に選任された場合の
 影響に関する設問には、
 18センターすべてが「影響が大きい」と回答。
 このうち救命救急に「支障が出る」としたのは、
 12センターに上った。多くはその理由として、
 「人員に余裕がない」「勤務体制の変更が難しい」を挙げた。

 最高裁は裁判員裁判の7割は3日以内に、
 9割は5日以内に終了するとしているが、
 12センターのうち「3日以内に終わるなら支障は出ない」
 としたのは1センターのみ。
 6センターは「1日だけなら支障は出ない」、
 5センターは「たとえ1日でも無理」との回答だった。
 (後略)
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救急受け入れを返上いする病院が増えており
こうした工事救命センターへの救急搬送も
その結果増加傾向にあります.

けっしてどこの病院も余裕がないというこtが
このアンケートから伺えます.

私たちの病院で、循環器医師である私が
もし選任された場合には

・循環器外来の診療は休診
・循環器救急の受け入れは停止
・予定のカテーテル治療も中止もしくは延期
 もしくは他施設紹介.
・もし重症の入院患者さんがおられる場合には 
 病状により他施設の循環器科に転院搬送
ということになりそうです.

例え数日で義務が果たせるとはいっても
自分の受け持ちの患者さんが重症であった場合に
病院に詰めて仕事ができないというのは
とてもつらいことです.

 2)裁判員制度、明確でない辞退事由 「義務」と「仕事」板挟み
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/081121/trl0811210054001-n1.htm

 「国民の義務」か、それとも「医師としての責任」か。
 裁判員制度をめぐる救命救急センターへのアンケートからは、
 裁判員に選任されることへの不安と困惑が浮かび上がった。
 「多忙」を理由に裁判員の辞退が可能かどうかは
 明確な基準がないのが実情。
 医師に限らなくとも「義務」と「仕事」の板挟みになるケースは
 少なくないとみられ、裁判員制度の円滑なスタートには、
 不公平感のない選任手続きの整備が課題といえそうだ.
 (後略)
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もし主治医が裁判員としての務めを果たしている間に
病状が急変した場合、
もしくは外来で担当している患者の病状が悪化して
不在中に入院となった場合
法的には問題ないとしても
主治医としては忸怩たる思いがあります.

医師、看護師、医療スタッフとして働いている人たちは
たいていの方が同じような思いを抱いて
いるのではないでしょうか.

義務と仕事に板挟みになるであろう
現場医療スタッフの心理的な負担が少しでも軽減できるよう
こうした具体的な状況においての論議と手続きの
整備を期待したいと思います.
by yangt3 | 2008-11-22 09:36 | 一般