もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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頭の中を覗く

その昔、医療視察と称して
シンガポールに出かけたことがあります.

シンガポールの国立病院を中心に見学しました.
日本とシンガポールとの医療事情の違いもさることながら
シンガポールの進んだ医療に驚かされたものです.

ちょうど折しも SARS(Severe Acute Respiratory Syndrome)が
世界中に衝撃を与えていた時期でもあり
SARS対策も見学の目玉の一つでありました.

病院救急外来の入り口には、赤外線サーモグラフィーが設置され
病院に出入りする人をチェックしており
体温の高い人(感染の可能性のある人)を
水際で選別するシステムをいち早く取り入れていました.

空港でも同様のチェックシステムが行われたのは皆さんご存じの通りです.

最近の空港のチェックシステムはさらに高度なものになっているようです.


 1)乗客の「頭の中」を調べテロ防止 空港警備の最前線
 http://www.cnn.co.jp/science/CNN200812070016.html

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 (以下記事より引用)
 ー空港の金属探知機ゲートの前に順番待ちの長い列が続く光景は、
 やがて過去のものとなるかもしれない。
 乗客が機内に持ち込む手荷物などをチェックする代わりに、
 最新技術で心理状態を把握し、
 テロを防止しようとする技術の開発が進んでいる。

 専門家らによれば、金属探知を重視する現行のシステムには
 限界があり、非金属の武器や化学薬品を使ったテロ、
 力づくのハイジャックなどを防止することはできない。
 こうした認識に基づく保安検査の技術開発で最先端を行っているのは、
 テロなどの脅威を常に感じてきた中東の小国、イスラエルだ。
 「金属探知機より速くて効率が良く、
 乗客の負担も小さい」とされる新技術を、
 数社の企業が提案している。

 このうちWeCUテクノロジーが取り組んでいるのは、
 潜在意識に働き掛けるサブリミナル画像と、
 生体センサーの技術を組み合わせた手法。
 たとえば、空港で乗客が目にする自動発券機の画面や
 出発便の電光掲示板に、
 国際テロ組織アルカイダの最高指導者オサマ・ビンラディン容疑者の姿や
 「イスラム聖戦」を意味するアラブ語などの画像を瞬間的に表示させ、
 サブリミナル効果によって起きる反応をセンサーでチェックする——
 といった仕組みだ。
 テロなどをたくらむ人物は、画像の刺激で体温や脈拍、呼吸などに
 無意識の変化を示すと考えられる。

 同社ではさらに、上を歩くだけで生体測定ができる「スマートカーペット」、
 椅子に座った人の詳細なデータを採取する「スマートシート」などの
 開発も進めている。
 米国土安全保障省からの助成金も受け、
 2010年の実用化を目指しているという。
(後略)
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サブリミナル効果を利用した反応センサー
生体測定可能なスマートカーペット
椅子に座っただけでデータ採取可能なスマートシート
さらには
ストレスによる声の周波数変化をチェックするボイスセンサー
などなど
まるで スパイ映画の世界ですが
本当に技術の進歩に驚くばかりです.

こうした技術に関連して
日本国内でも 心の中を覗く研究が進められているようです.

 2)夢を「見る」のも夢じゃない!? 脳血流から画像再現、ATRが成功
 http://osaka.yomiuri.co.jp/eco_news/20081211ke02.htm
 (以下記事より引用)

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  人が目で見ている文字や図形を脳から読み出し、画像化することに
 国際電気通信基礎技術研究所(ATR、京都府精華町)神経情報学研究室の
 神谷之康室長、宮脇陽一研究員らのグループが世界で初めて成功した。

 将来は睡眠中の夢や、脳内で思い描いたイメージも
 画像化できる可能性があるとしている。
 12月11日発行の米科学誌「ニューロン」に掲載される。

 人が目で見たものは、網膜で電気信号に変換され、
 後頭部にある大脳視覚野で処理される。

 今回の研究では、100コマ(10×10)の画面上に、
 暗部と点滅部をモザイク状に配した画像を440種類作成。
 それぞれを被験者2人に見てもらい、
 視覚野での脳活動(血流の変化)を機能的磁気共鳴画像(fMRI)で測定し、 
 コンピューターで解析して認識パターンを作成した。

 その後、暗部と点滅部で構成された「□」「×」など5種類の図形と、
 「neuron」のアルファベットを一つずつ見てもらいながら、
 同様に視覚野の活動を測定し、
 事前に作ったパターンを基に画像情報を再構成したところ、
 ほぼ同じ文字や図形を再現できた。約1億通りの画像が読み取れるという。
 (後略)
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こうした様々な技術革新が医療領域に応用され
脳卒中の後遺症や神経疾患の治療に結びつくのであれば歓迎すべきことですね.

当然のことながら最初の記事のテロ対策のように
大脳の視覚野から画像を読み取るという技術が
高性能な嘘発見器のような感じで
犯罪捜査に利用されることも、また想像されることであります.

技術の進歩が しばしば私たちの常識を
はるかに凌駕して先に進んでしまうことはよくあることです.

夢のような技術を生かして発展させるのは、つまるところ
それを使いこなす人類の英知にかかっているのでしょうね.

心象風景を、こうした技術を応用して
ムンクの絵のような幻想的なアートに仕上げることも可能かもしれませんね.

さらには、視覚のデジタル情報を逆に後頭葉、視覚野に
送り込むことができれば、視力障害の治療にも結びつくかもしれません.

世界中のマエストロ、マスターたちの
暗黙知や伝統のわざを、こうした技術を使って
後世に残すということも、いつの日か可能になるかも、と夢は膨らみます.

高度な技術に心が振り回されないように
私たちも
自分をしっかりと持っておかないとと思います.
by yangt3 | 2008-12-12 00:05 | ニュース