もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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慟哭ーAさんを惜しむ   

宮沢賢治の有名な詩に「永訣の朝」というのがあります.

永訣の朝
http://www2.odn.ne.jp/~nihongodeasobo/konitan/eiketsunoasa.htm

わが妹との永遠の別れを前にして、心からわき上がる思いを
読み上げた詩です.

今、大切な人との別れを前にして、宮沢賢治の悲しみが、慟哭が
大きな塊となって私を押しつぶしてしまいそうです.

以前の病院からの付き合いを合わせると、もう7年以上になる
Aさんが 急逝されました.

以前の病院のカテ室からずっと仕事を手伝ってくれていました.

現在の病院に移動してからは、心臓カテーテル室を
ゼロから立ち上げるという気の遠くなるような仕事にも
いやな顔ひとつせずに、私たちを手伝ってくれました.

まだ若く、いよいよこれから花咲く時だったはずなのに
本当に本当に、残念でなりません.

私の体の一部がぽっかりと無くなってしまったような
空洞感だけが残されてしまいました.

Aさん、いままで長い間、本当にありがとうございました.
貴方の想いや行動を無駄にすることのないように、悲しいけれど
これからも頑張って仕事を続けていきます.

せめて天上界にて、故 古高先生とゆっくりのんびりしてください.

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永訣の朝 宮沢賢治

 けふのうちに
 とほくへ いってしまふ わたくしの いもうとよ
 みぞれがふって おもては へんに あかるいのだ
 (あめゆじゅ とてちて けんじゃ)

 うすあかく いっさう 陰惨(いんざん)な 雲から
 みぞれは びちょびちょ ふってくる
 (あめゆじゅ とてちて けんじゃ)

 青い蓴菜(じゅんさい)の もやうのついた
 これら ふたつの かけた 陶椀に
 おまへが たべる あめゆきを とらうとして
 わたくしは まがった てっぽうだまのやうに
 この くらい みぞれのなかに 飛びだした
 (あめゆじゅ とてちて けんじゃ)

 蒼鉛(そうえん)いろの 暗い雲から
 みぞれは びちょびちょ 沈んでくる
 ああ とし子
 死ぬといふ いまごろになって
 わたくしを いっしゃう あかるく するために
 こんな さっぱりした 雪のひとわんを
 おまへは わたくしに たのんだのだ
 ありがたう わたくしの けなげな いもうとよ
 わたくしも まっすぐに すすんでいくから
 (あめゆじゅ とてちて けんじゃ)

 はげしい はげしい 熱や あえぎの あひだから
 おまへは わたくしに たのんだのだ

 銀河や 太陽、気圏(きけん)などと よばれたせかいの
 そらから おちた 雪の さいごの ひとわんを……

 …ふたきれの みかげせきざいに
 みぞれは さびしく たまってゐる 

 わたくしは そのうへに あぶなくたち
 雪と 水との まっしろな 二相系をたもち
 すきとほる つめたい雫に みちた
 このつややかな 松のえだから
 わたくしの やさしい いもうとの
 さいごの たべものを もらっていかう

 わたしたちが いっしょに そだってきた あひだ
 みなれた ちやわんの この 藍のもやうにも
 もう けふ おまへは わかれてしまふ
 (Ora Orade Shitori egumo)

 ほんたうに けふ おまへは わかれてしまふ

 ああ あの とざされた 病室の
 くらい びゃうぶや かやの なかに
 やさしく あをじろく 燃えてゐる
 わたくしの けなげな いもうとよ

 この雪は どこを えらばうにも
 あんまり どこも まっしろなのだ
 あんな おそろしい みだれた そらから
 この うつくしい 雪が きたのだ

 (うまれで くるたて
   こんどは こたに わりやの ごとばかりで
    くるしまなあよに うまれてくる)

 おまへが たべる この ふたわんの ゆきに
 わたくしは いま こころから いのる
 どうか これが兜率(とそつ)の 天の食(じき)に 変わって
 やがては おまへとみんなとに 聖い資糧を もたらすことを
 わたくしの すべての さいはひを かけて ねがふ

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心より 故人のご冥福をお祈りいたします.

故 古高先生をはじめ、大切な人が一人、一人
私を追い越して天上界に行ってしまわれます.

いつかまた懐かしい人たちに会えるであろうことを
心の支えとして....合掌

最後にみた顔はまるでちょっと うたたねしているかのようでした.
その魂が安らかなることを...
by yangt3 | 2009-03-10 00:01 | 一般