もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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失敗からの復活

最初に「失敗学」という学問をしったのは
今から何年も前の、インターベンション学会の東海地方会での
特別講演を聞いてからでした.

失敗学という学問の紹介のために その本家である
畑村 洋太郎先生を 直接講師に招いた
当時の学会の代表世話人の先生方の
見識の高さに改めて驚きを禁じ得ません.

畑村先生の講義を実際に聞いて以来、機会があれば
畑村先生の「失敗学」に関する本を よく読むようになりました.

そんな畑村先生の 新刊本を読み終えました.

 回復力
 失敗からの復活

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畑村 洋太郎 著

ー失敗したときには誰だってショックを受けるし傷つきます.
 本人は気づかないあkもしれませんが、直後はエネルギーが
 漏れてガス欠状態になっています.
 こういうときに失敗とちゃんと向き合い、きちんとした対応を
 しようとしても、よい結果は得られません.
 大切なのは「人(自分)は弱い」ということを認めることです.
 自分が、いまはまだ失敗に立ち向かえない状態にあることを
 潔く受け入れて、そのうえでエネルギーが回復するのを待つしか
 ないのです.




人間である以上、一度も失敗しないということは あり得ません.
どんな名医も、修業時代、研修医時代があって
叱られながら指導されながら医師としての腕を磨いてきたわけです.

人は誰でも失敗する可能性があるわけで、そんなヒューマンエラーを前提として
失敗や苦境を乗り越えられる組織でなければならないと思います.

職場での失敗に対して 「何やってんだ」「ばかやろう」と
個人を責めて追い込むだけの組織があまりにも多く
そんな組織の中で、個人が苦境に潰されていく現実が
あまりにも悲しすぎます.

今回の「回復力」の書では、畑村先生が
失敗を起こした当事者の立場にたって
失敗や苦境に押し潰されないためのコツを
自らの体験を織り交ぜながら、熱く語られています.

畑村先生の失敗学の数々の著書の中でも本書は
読んで本当に元気がもらえる素晴らしい内容です.

畑村先生が 巻末に述べておられる内容が身に染みます.

ーある日突然、自分ではどうしようもないことが起こり得るのが
 人生だと私は思っています.

 人が生きていく中で、辛いこと、理不尽と感じることに
 遭遇する場面も出てくることでしょう.
 でもそれでも人は生きていくのです.

 その時に必要なのは「励ましの言葉」ではありません.
 辛さを乗り越えるために本当に必要なのは、そのものと正対して
 生きて行くエネルギーを作り出すための考え方ではないでしょうか.

 私は、「失敗などで死んではいけない」と強く思っています.
 だからこそ、この本の中で私は、失敗から立ち直り、
 失敗と上手につきあっていくための方法を示したつもりです.

人が死んではならないという、畑村先生の強い思いが
本書を貫いています.

ともすれば自らのストレスに日々押しつぶされそうな毎日でありますが
共に働く仲間として同僚として友人として
苦境にある友人の力になりたいと常々思っていました.

どうしてその思いが今回は届かなかったのか.
本当に残念です.

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ちょっと古い映画ですが 織田裕二主演の
「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」
という映画の中で
織田裕二演じる青島刑事がこう叫びます.
「どうして現場に血が流れるんだ」

それに呼応して室井さんのセリフは
「自分の判断で動いてくれ! 現場の君たちを信じる・・・!」

そして犯人確保、事件解決となっての青島刑事の言葉は
「リーダーが優秀なら、組織も悪くない!」

苦境の人を潰さずに守る組織であって欲しい.
失敗からの復活を助ける組織であって欲しい.
決して人を死なせない組織であって欲しい.

この現在にあって これは無い物ねだりなのでしょうか.

私は、大切な仲間とともに、そんなカテ室を作り上げたいと
強く思っています.

週末には話題の「容疑者Xの献身」を観ました.

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人を想うことの重みを深く感じ入りました.
絶望のどん底から人を救う思いというものについて、です.
by yangt3 | 2009-03-30 00:06 | 一般