もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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上肢からの下肢動脈治療

末梢動脈治療用の新しいバルーンを使用する機会がありました.

セント・ジュード・メディカルの新しいバルーンである
Jackal OTWです.

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名前がジャッカルとは、なんか格好いいですね.
ちなみにこちらが動物のジャッカルです.

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この新しいバルーンは、5Fr対応であって
長さが150センチ(1.5メートル)あります.
つまりは、上腕からのアプローチで、下肢動脈の治療が可能となります.

さっそく左浅大腿動脈の狭窄症例に対して
左上腕動脈アプローチで、このバルーンを使用してみました.

シースは、5Frで、ガイドワイヤーは、Treasure 0..018を使用して
多少のコツがいりましたが、ある意味冠動脈治療と同じ感覚で
末梢動脈の治療ができました.
なかなかよいデバイスで、よい体験でした.




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通常は、下肢動脈のカテーテル治療を行う場合は
同側または対側の大腿動脈(太腿の付け根の動脈)を穿刺して
行う必要があります.

症例によっては、大腿動脈が穿刺できないこともあり
さらには、大腿動脈からの穿刺治療の場合、治療後の安静も
時として負担になることもあります.

あくまで症例を選んでの話ではありますが
この Jackal OTWバルーンを使えば、上腕動脈から穿刺して
浅大腿動脈末梢までのバルーン拡張が可能です.

ちなみにOTWとは、over the wire(オーバーザワイヤー)の略で
現在の主流であるモノレールタイプのバルーンと異なり
デバイスの全長が、治療用ワイヤーに沿わせて操作するものです.

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現在、冠動脈のカテーテル治療は90%近くの症例に
5Frシステムで橈骨動脈から90%近くの症例に行っています.

ところが下肢動脈、末梢動脈の治療については
デバイスもなかなかスレンダー対応のものが少なく
ステントも太いガイドやシースが必要だったりして
スレンダーつまりは低侵襲な、末梢動脈治療が難しかったのです.

150センチもの長いバルーンによって
上腕動脈からの治療が可能となり
またひとつ治療の幅が広がった気がします.

問題は、末梢動脈のカテーテル治療の場合は、
冠動脈治療のように気軽に使えるガイドカテがないため
長い血管シースを使ったり、場合によっては冠動脈治療用のDioを
流用して、ちょっと一工夫して治療を行うこともあります.

場合によっては、裸の王様の手技のように
ガイドワイヤーだけをたよりに、長い距離を病変まで
バルーンやステントを進めることになります.

心臓では、なかなか会長のような手技を行う勇気がありませんが
末梢動脈では、なんとか頑張って治療毎に工夫して頑張っています.

弘法筆を選ばずとはいいますが
私たちのような常識的なレベルの医師にとっては
やはり良き道具、良きツール、良きデバイス、そして良きメーカーさんと
良きカテ室スタッフが
カテーテル治療をうまく行うための大切な大切なカギです.

またよい道具があれば教えて下さい.

できれば上腕動脈から下肢動脈にステントを植え込めるような
道具があるといいんですけど.
by yangt3 | 2009-04-28 00:15 | 一般