もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3

2006年 01月 31日 ( 2 )

昔、受け持った患者さんの話です.
もともと慢性閉塞性肺疾患(COPD)による
呼吸不全で入院を繰り返していた方がおられました.
在宅酸素も行い、入院の度に
今度は、だめかも...と家族に説明していました.
体は小柄な人でしたが、いつもぎりぎりのところで
回復しては、また家に戻って行きました.
最期の入院は、最もひどく
気管拡張剤、ステロイド、抗生物質など
いろいろ手は尽くしましたが
次第に呼吸不全が悪化していきました.
奥さんに、ご主人の病状をよく説明し
これ以上の救命は困難であるとおつたえしたところ
挿管、人工呼吸などの延命処置は希望されませんでした.
「いままでやることはやって、手は尽くしたのだから
これも 主人の寿命だと思って諦めております」
といわれました.

普段気丈な奥さんでしたが、
ご主人の息が次第に不規則になり、あえぎ呼吸になるにし従って
奥さんも、いてもたってもいられないという風でした.
少しずつ、心電図が徐脈となり、補充収縮となり、
呼吸も微弱になっていきます.
最期には、幅広いQRSとなり、呼吸が停止し
心電図もフラットになってしまいました.
心電図をじっと凝視していた奥さんでしたが
心電図がゼロとなった途端
半狂乱の様相で
ご主人の耳元に口をつけ
「あんたー、まだ逝ったらいかんよ、戻ってこないかんよ」と
大声で叫んでいました.

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不思議なことに
その奥さんの一言でフラットだった心電図波形が
再び、動き出しました.呼吸もまた出てきました.
もちろん、その後数十分ほどして
今度は、完全に呼吸も心臓も停止したのですが.

2回目の心臓停止の時には
奥さんは、静かにご主人の手を握りしめて
黙って顔を見取っておられました.

改めて、夫婦のきずな、人間のきずなというものに
心打たれます.
まさしく、この時の奥さんの言葉が
一時的にせよ、ご主人を蘇生させたのです.
この時ばかりは、除細動でもなく、心臓マッサージでもなく
奥さんの心の底からの叫びが、ご主人の心臓を
再び動かしたのだと思います.

人間というのは、不思議で、
そして命はやっぱり尊いものです.
ここまで深い人と人との繋がりがあるということを
教えられた そんな経験でした.
by yangt3 | 2006-01-31 14:34 | 忘れ得ぬ患者さんたち
先日 CT 検査装置のメンテナンスがありました.
ちょうどよい機会でしたので
CT 内部の構造がどうなっているか
写真をとらせてもらいました.

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普段、当たり前のように
CTを使って診断を行っていますが
これまでの画像を撮れるようになるまでに
多くの技術者の方の苦労があったわけです.

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CT内部は、非常に複雑な構造になっております.

当院でも、今後 64 列のCTなど
最新の医療機器へのリニューアルにむけて
頑張って行きたいと思います.

それまで 今のCT
頑張ってもらいます

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by yangt3 | 2006-01-31 13:40 | 一般