もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3

2006年 02月 16日 ( 2 )

外来診療は医師の重要な仕事の一つです.a0055913_857656.gif
症状が安定している方だけでなく
時に狭心症が増悪した方が見えます.
循環器の症状だけでなく、その他の様々な症状をもって
外来を受診されます.
通常の外来では、症状の経過を聞き、診察し
レントゲン、心電図やその他の必要な検査を行って、
薬を処方したり、点滴をしたり
時に入院、緊急カテーテル、治療となることもあります.
救急外来では、さらに迅速な緊急対応が必要となります.
循環器の疾患では、迅速な治療を優先しなければ
重大な結果にいたることがあります.
時に、病院に向かう途中の家族の方に
電話で病状を説明しながら、そのままカテーテル室に
治療のために向かうことさえあります.

このように医師と患者さんとの関係は
治療が主体になり、ゆっくりと世間話をする余裕がないのが
実情です.入院されている患者さんの場合には
入院時の治療が済んでしまえば
(循環器科はしばしば最初の入院時にカテーテル治療などの
ほとんどが済んでしまうことが多いので)
あとは、ゆっくりとお話を聞くことができます.
忙しい外来では、なかなか皆さんといろいろな話をする時間がなく
悔しい思いをしています.

前に勤めていた春日井の病院では、a0055913_8573099.gif
週に4〜5コマの外来があり一コマの外来で時に60人近くの患者さんを診察していました.
その合間に、月に5回程度の当直をこなし
通常のカテとステント治療をこなし
あまつさえ、24時間の緊急カテコールをこなしていました.

本当に大変でしたが、ずっと外来で待っておられる患者さんは
もっと大変でした.

2年前に私の恩師である古高先生が急逝され
古高先生が外来で診ておられた患者さんは
私が引き継ぐことになりました.
自分の受け持ちの患者さんに加え
古高先生の多くの患者さんまで診療することになり
本当に大変なことでした.

古高先生の患者さんは、非常に優しい方ばかりで
非力な私を、古高先生の弟子ということだけで
主治医として認めてもらいました.
ほとんどの方が、いままでと変わらずに病院の外来に
来ていただきました.

皆さんに共通していたのは、全面的な古高先生への信頼感でした.
古高先生に診てもらって、よくならないのであれば仕方ないという
そういう風な、完全な信頼でした.
そんな古高先生の患者さんに接して、逆に私の方が
教えられることも多かったように思います.

しかし一番つらかったのは、このような古高先生を信頼している
沢山の患者さんに、ひとりひとりに、古高先生の急逝されたことを
伝えなければならなかったことです.
自分の病気の苦しみに加えて、最も信頼していた主治医を
突然喪なうという悲しみはいかがばかりのものだったでしょうか.

苦しくてもつらくても、皆さんに伝えるのは、私の仕事でした.

ほとんどの患者さんに、つらいお話をすませたと思っても
忘れた頃に、まだ事情をしらない患者さんが ひょこっと見えて
また悲しみがぶり返します.

私と古高先生の患者さんたちは、ともに大事な人を失った悲しみで
繋がったようでした.

いつしか私の外来は、通常の診療のみでなく
古高先生の思い出を語る外来となりました.古高先生の思い出を語ることが
悲しみを忘れる一番の方法のように、みなさん
いつまでもつきることなく、お話を続けられました.

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古高先生の患者さんは、みなさん、古高先生よりも年長のかたばかりでした.
口々に、私よりもずっとずっと若いのに、どうして....と絶句されていました.
私がいつでも身代わりになってあげたのに、と話さされたおばあちゃんも
いらっしゃいました.
古高先生のいない現世に なんの未練もないのに.と.

そうしていつしか、私の外来で、古高先生の患者さんたちが
自分の死について語るようになりました.
そうしていろいろな話をすることができました.
たぶん死というものを、これだけ明るく そして深く
患者さんたちと語り合うことができたのは、初めてのことだったでしょう.
本当に貴重な体験でした.
それは、つまりどれだけ、古高先生が 患者さんたちに想われていたかと
いうことだと想います.

あれから幾人かの方は、古高先生のもとに旅立たれて行きました.
きっと今ごろ、天上界で再会して
みんなで積もり積もったお話をされていることでしょう.

医師と患者さんとの関係っていうのは、
こんなに深くなれるということだと思います.

まだまだ私は未熟です.
by yangt3 | 2006-02-16 08:59 | 古高先生の想い出
東可児病院の新病棟の工事が
順調に進んでいます.

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現在は新病棟のための基礎工事が
行われています.

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地上は深く掘り下げられて
新病棟の礎となるくい打ちが
行われております.
朝から夕方まで
休みなく工事が進められています.

来年春までには、新病棟が完成の予定です.

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by yangt3 | 2006-02-16 08:51 | 一般