もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3

2006年 03月 07日 ( 2 )

心臓発作の40%以上がサイレント(無症状)
 心臓発作(心筋梗塞)患者の4割が発症時に診断されておらず、
“サイレント(無症候性)心臓発作”と呼ばれるこの発作が特に女性に多くみられ、
症例の半数を占めていることがオランダ、エラスムス医療センター
(ロッテルダム)の研究で明らかになりました.

More Than 40% of Heart Attacks Go Undiagnosed
The problem affects women more often than men, researchers report
By Amanda Gardner
HealthDay Reporter

http://www.healthday.com/view.cfm?id=531003

 「European Heart Journal」2月14日号に掲載された、a0055913_18395223.jpg
研究報告で、同センター臨床心臓血管疫学助教授のEric Boersma氏によると
「患者自身はもとより、医療システムを用いても
気づかれない心臓発作が
相当の割合にのぼる」ということです.虚血性心疾患(IHD)による死亡は減少しているものの、
無症候の心臓発作は高齢人口の増加に伴い、
今後も重要な課題となると指摘しています.
 今回の研究では、ロッテルダム近郊で実施された
前向きコホート研究であるロッテルダム研究(Rotterdam Study)に
参加した55歳以上の男女4000例以上を分析しています.
1990年から1993年の間、心臓発作の既往のない男女を対象に
心電図(ECG)検査および診察を実施し、
1994〜1995年と1997〜2000年に1回以上の追跡検査を施行.
 その結果、心臓発作全体のうち43%、男性では3分の1、
女性では半数以上が診断されておらず、
この男女差は55歳から80歳まで変わらないことが判明しました.
この状況は、オランダ以外の先進国にも当てはめることができるとのことです.

 米レノックスヒル病院(ニューヨーク)のNieca Goldberg博士は
「心筋梗塞をもつ女性の3分の2が診察を受けておらず、
診察を受けた女性でもまだ疾患が見落とされている。
きわめて残念なことだ」と述べています.
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日本でも男性に比べて、家庭にいる率の高い女性の方が
検診を受ける機会も少なく、結果的に診断が遅れることがあるようです.
この研究によって 提起された問題は
・医療システムを用いても見落とし例がある.
・女性は3分の2が診察を受けていない.
ということです.

症状がある狭心症の場合は、心臓カテーテル検査などを行い
正確な診断、適切な治療にたどり着く率が高くなります.
しかし非典型的な症状、無症状の場合は、そもそも
診察にすらいかない場合もあります.
症状があっても心臓と結びつかずに
整形外科、消化器科など他の科にいかれることもあり
ますます正確な診断にたどり着くまでに時間がかかっていまいます.

糖尿病をもつ患者さんにおいては
無症候性の狭心症(心筋虚血)や、無痛性の心筋梗塞が
起こることもありますので、定期的な心臓チェックが必要と考えます.
糖尿病以外でも、高齢者の方では、心臓発作の診断がおくれることが
よくあります.
悪心、嘔吐、失神発作などの症状で発症ということもあります.
GRACE試験によれば
胸痛を伴わない不安定狭心症の患者さんは
死亡率も高く、ハイリスクであるという結果がでています.
Acute coronary syndromes without chest pain, an underdiagnosed and undertreated high-risk group: insights from the Global Registry of Acute Coronary Events.
2004 Aug; 126(2);461-469 Chest

これらをまとめると
症状がなくても、頻回に定期的に
内科医、循環器科医の診察を受け
少なくとも心電図は、定期的に取るというのが
最低限必要だということです.

これ以外で、効果的な診断、検診の方法については、
これから検討されるべき課題です.
by yangt3 | 2006-03-07 18:40
iPodの医学臨床への応用は先日お伝えしました.
医療画像(CT、カテ画像、スライドなど)を
iPodに取り込み
簡単に持ち歩き、簡単にプレゼンが可能となります.
(もちろん個人情報への配慮は十分に行った上で)

もうひとつ最近充実してきたPodcastです.
パソコンからiTunes Music Storeを利用します.
Podcastを検索すると無料で様々な情報を得ることができます.
ニュース、英語学習なども十分に充実しているのですが
医学情報も同様にして Podcast から検索することができます.

Podcast 検索から、Medicine、Cardiology、
Interventional cardiology、Neurologyなど
自分の専門分野のKeyword を入力するだけで
関連する番組が一覧されます.

現在、私がiPodに入れているのは
有名なNEJM(New England Journal of Medicine)、Nature
などです.
それ以外にも循環器に関連する番組を登録しています.
問題は、今のところ日本語のものはなく
全て英語だというところです.
私的には、問題ないのですが.

登録している番組を紹介します.
1)NEJM This Week

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ご存知 The New England Journal of Medicneの
週間サマリーです.
世界的に有名な雑誌ですのでトピックスを拾うだけでも勉強になります.

2)This Week in Cardiology

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Gibson先生、Cannon先生による循環器トピックスの開設です.
かなり専門的な内容となっています.

3)Cardiovascular Multimedia Information Network

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アリゾナ心臓病センター監修のものです.
循環器全般の治療や議論を扱っており、心臓外科の内容も含まれています.
これも勉強になります.

4)ACC Conversation.

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ご存知アメリカ心臓病協会監修の番組です.
世界の循環器診療をリードする有名な方々の講義を
聞くことができます.

その他救急医学についての番組もあります.
(Jefferson Emergency Medicineなど)
2006年心肺蘇生の番組もあります
(Resuscitation 2006)

このように、趣味で音楽を聞くだけと思われている iPodですが
様々な情報収集や、情報管理、現場でのプレゼンなど
アイデア次第で、その便利さに、毎日驚くばかりです.

医療関係スタッフの方々、働き盛りで病院通いをされている方など
ぜひ 情報収集をされてはいかがでしょうか.
by yangt3 | 2006-03-07 09:14