もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3

2006年 03月 08日 ( 2 )

心室頻拍

急性心筋梗塞で入院された75歳男性の方の心電図モニター波形です.
カテーテル治療にて血行再建も無事終了し
血液検査も正常になった頃に記録されました.

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もともと心房細動のある方で
今回、胸痛、呼吸困難で来院.心電図にて前胸部誘導のST上昇認め
緊急心臓カテーテル検査となりました.
カテーテル検査にて左前下行枝起始部の90%狭窄を認め
ステント植え込みを行っています.
(もちろん 薬剤溶出ステント Cypherです).
治療後より、心室性期外収縮が頻発し、キシロカイン投与にて
経過を見ていました.
その後、一時的にうっ血性心不全を来たし、利尿剤投与、ハンプ投与を
行っております.
内科的治療にて尿量も増加し、うっ血、症状も改善しました.
この心電図モニターは、心不全が改善したころに記録されたものです.
この時点で心エコー検査では、左室機能の低下がありました.
心筋梗塞、心房細動を伴う低心機能患者にみられた
心室頻拍です.
治療としては、βブロッカーを投与しつつ
アミオダロン(アンカロン);III群抗不整脈剤を投与しました.
この薬剤の適応は、VT/Vfなどの重症心室性不整脈となっています.
さらに欧米では、難治性の心房細動の治療にも用いられています.

特に今回は、心筋梗塞後で低心機能であり、心房細動を伴っているため
この薬剤を使用しました.
アンカロン 200mg分2/日

その後患者さんは、良好に軽快され
心電図上も心室頻拍は消失しています.

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今回見られたような心室頻拍に関しては、
きちんとした薬剤治療を行わなければ
致死的状況を来すことも考えられます.
今後、注意深く経過観察中が必要です.
by yangt3 | 2006-03-08 15:27
高血圧をしっかりと治療することが
脳梗塞、心臓病の予防に繋がることは、みなさんご存知だと思います.
東可児病院でも多くの高血圧の患者さんが通院されています.
ただその大部分の方は
月に1回から2回病院に通院の際に血圧を測定するくらいで
自宅で血圧計を購入し家庭血圧測定をされている方は
まだまだ少ない印象です.
高血圧の治療が運動、食事などの生活習慣の改善と
適切な薬剤治療であることは、議論の余地のないところです.
ただ月に数回の病院外来での血圧測定だけで
個々の状態に応じたきめ細やかな治療の調節ができるでしょうか.

高血圧に関しては、前任地でお世話になっていた
灰本クリニックの灰本先生作成のスライドが非常に参考になります.
今回、灰本先生から貴重なスライドをお借りして、
皆さんにお見せすることができました.

1)家庭血圧測定の勧め
後で紹介するように一日の血圧は、かなりの日内変動があります.
朝に血圧の薬を服用すると、午前中の外来に来られた時には
一見血圧が正常になります.医師は、それをみて
そのまま内服を続行します.
しかし、病院で血圧が正常でも
早朝、起床後に血圧が高くなる早朝高血圧があります.
寝る前に血圧が上昇したり、睡眠時に血圧が上昇することもあります.
毎日血圧を測定したとしても
血圧測定の時間によっては、このような危険な血圧の上昇を
見逃す恐れがあります.
特に早朝に血圧が上昇する早朝高血圧は重要です.
起床後1時間以内に脳梗塞、心筋梗塞の多くが発症するといわれています.

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この図のように家庭で早朝血圧を測定し
早朝血圧が高いほど脳梗塞の危険が高まります.
つまり脳梗塞を予防するためには、昼間の外来の血圧だけではだめで
早朝の血圧をご自身で、ご家庭で測定しなければだめなのです.

2)血圧の日内変動

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一日の血圧は、このようにかなり変動があります.
早朝高血圧、夜間高血圧以外に
仕事に行けばストレスで血圧がしばしば上がり,ストレス高血圧といいます.
夕方自宅に帰って風呂に入ればリラックスして血圧は下がります.
さらに夜間に血圧はかなり下がるのが正常ですが,
逆に夜中に上昇する夜間高血圧の場合、
患者さんみなさんは睡眠中であり、
自動24時間血圧計など特別な血圧計を用いなければ
その測定は、困難です.
夜間睡眠時の血圧も127を越えると、脳梗塞の危険が
増えると言われています.

このように高血圧には、いろいろなタイプがあり
病院で図る血圧は、ほとんど参考程度にしかなりません.

ぜひみなさんも、血圧計を購入し
家庭での血圧測定をしっかり行うことから初めて頂く必要があります.

東可児病院循環器科にかかられた高血圧の患者さんには
家庭血圧測定をお勧めし、血圧手帳をお渡ししています.
特に早朝血圧を含め、一日の血圧の変動を念頭において
細かく血圧測定を行っていただけると
外来でそれを参考に血圧の薬の調整を細かく行うことができます.

高血圧に関して
今後もこのブログで患者さん向けに情報発信して行きますので
ご参考にしてください.
by yangt3 | 2006-03-08 00:33