もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3

2006年 03月 19日 ( 1 )

慢性閉塞性下肢動脈閉塞症(ASO)は、
大動脈から下肢への主要動脈の
動脈硬化により虚血が起こる状態です.
閉塞性動脈硬化症(ASO)の動脈硬化による虚血症状が進行すると
下肢の冷汗、しびれからはじまり
短い距離の歩行だけで下肢の痛みが生じたり(間歇性跛行)、
症状が進行すれば、安静時にも症状が出現、
最終的には、下肢の潰瘍・壊死などを生じてきます.
閉塞性動脈硬化症の症状の分類をFontaine分類と呼びます.

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この慢性閉塞性動脈硬化症(ASO)は、糖尿病の方や
透析患者さんに多く発症します.
症状が進行する前に、少なくとも間歇性跛行の段階で
適切な診断と治療を受ける必要があります.

診断としては、下肢動脈エコー検査、指尖脈波、造影CT、MRアンギオ
などを行います.確定診断のためには
カテーテルによる造影検査が必要です.
この下肢動脈造影は、通常の心臓カテーテル検査と同様に
日帰りで検査が可能です.
冠動脈の検査と合わせて下肢動脈の検査をすることも可能です.
カテーテルで治療可能であれば、バルーンによる拡張や
ステントの植え込みなどで治療ができます.

透析患者さんや、糖尿病の管理が悪い患者さんにおいては
この慢性化し動脈閉塞症(ASO)もかなり進行していることが多く
通常のカテーテル治療が困難なこともあります.
その場合は、坑血小板薬などの内服治療が行われますが
しばしば効果は不十分であり、最悪の場合、下肢の潰瘍の進行
下肢の切断という事態も懸念されます.

このような慢性閉塞性動脈硬化症に対して
人工透析と同様の機械を用いて
血液を浄化することにより治療することができます.
それがリポソーバーと呼ばれる治療です.

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特別なカラムを使用して血液中の
コレステロールや悪玉コレステロール(HDL)を選択的に吸着除去して
血液を浄化します.(いわば、血液の洗濯ですね).
通常の透析と違い、血管を太くする手術も不要で
上腕の静脈を2ヶ所穿刺して施行します.
もちろん透析患者さんの場合は、シャントを使用して行うことができます.
慢性閉塞性動脈硬化症(ASO)の場合は
最初の2週間は週に2回、そのあと6週間は週1回、合計10回の治療を
行います.

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この血液浄化 はLDL吸着療法と呼ばれます.
LDL吸着療法を 慢性閉塞性動脈硬化症の患者さんに施行することにより
症状の改善、下肢潰瘍の改善、治癒
ひいては下肢切断の回避にも繋がります.

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治療が著効した症例では、下肢の血管の血流も改善します.

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東可児病院でも、この LDL吸着療法による
下肢動脈閉塞症の 血液浄化治療を行っています.

下肢のしびれ、少し歩いただけで下肢の痛みが起こる(間欠性跛行)などの
症状がある方は、早めに循環器科を受診されることをお勧めします.
糖尿病のある方、腎不全で透析治療を受けておられる方などは、
症状が出にくく、思ったより動脈硬化が進行していることもありますので
特に早い治療が必要となります.
by yangt3 | 2006-03-19 00:25 | カテーテルの話題