東可児第13同盟:がんばれ新人さん
2008-04-03T00:03:14+09:00
yangt3
もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)
Excite Blog
華麗な転身
http://tomochans.exblog.jp/6967373/
2008-04-03T00:03:14+09:00
2008-04-03T00:03:14+09:00
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yangt3
がんばれ新人さん
私たちの病院では、新人さん達が加入され
にぎやかとなりました.
中堅どころ、ベテランどころは、異動もなく
新年度も元気に仕事を続けます!
以前に勤めていた病院のホームページを見ていたら
外科医として勤めていた先生が
新年度から整形外科医として華麗に転身されて
赴任されているのを発見しました.
私のこれまでに知る所の華麗な転身としては
・脳外科医から心臓外科医へ.
・ピアニストから外科医へ
・MRから証券マンへ
・ドクターから主婦へ
などなど、けっこう事実は小説より奇なりとはよくいったものです.
昔から医師であって文筆業に転じた人は、数多くいらっしゃいますね.
私も新年度を迎えて華麗な転身と行きたい所ですが
特にあてもなく、循環器の仕事が今は天職と思っていますので
変わらずに仕事を続けます.
でも時々、自分の今の仕事と全く関係のない職業に
漠としたあこがれを抱き、ちょっと除いてみたくなる事はあります.
「スパイのためのハンドブック」
ハヤカワ文庫
ウォルフガング・ロッツ 著, 朝河 伸英 訳
シャンパンスパイとして有名な元諜報機関のエージェントが
豊富な現場の経験をもとに、スパイになるための
ノウハウをしゃれたユーモアを交えて書かれた入門書です.
第一章には、あたなのスパイ能力をテストする という章が
設けられています.
私の場合、スパイというと007 の映画しかしらないわけで
テストをやってみましたが、もちろんスパイの適性はゼロでした(笑)
生き長らえた元スパイの自叙伝としても面白く読める本でして
スパイに、必要経費の支払いのために
領収書とか請求明細書を要求する事務員の話が出てきますが
けっこう笑ってしまいました.
こういうところ、たとえスパイでもお役所仕事なんですよね.
どんな仕事をやるにせよ、必要経費や補給、資材請求などとは無縁では
いられないわけで、それこそ 富豪刑事なら別ですが(笑)
緊急時に必要です.救命に必要です.治療に必要です.
と現場でいくら声を大にしていってみたところで
赤字になるようでは、やっぱりなかなか資材の充実もできないし
必要経費もでない現実です.
スパイには慣れないかもしれませんが、諜報社会と同様に
厳しい職場を生き残る為のサバイバルガイドとして
このスパイ入門がけっこう役に立つかもしれません.
ちなみに、ちゃんと退職後の過ごし方も、ハンドブックには
かかれていますし(笑)
こんなふうで、暇があればいろいろな本を読むようにしてますが
医学関係の本は、ついつい買ってしまいます.
「研修医純情物語 先生と呼ばないで」
徳間文庫
川淵 圭一著
なんとなく名前に親近感がわいてしまいました.
37歳で一念発起して医者になったというお話です.
学生時代から医者となった今でも
けっこうこういう医者の修業時代の本ってよく読んでいます.
仕事に疲れた時とか、職場で行き詰まった時とか、
いろいろあった時には、こういう原点に返れる本は
やっぱり気楽に読めるからでしょう.
100人の医者がいれば100通りの医師を志した理由があるわけで
けっこう飽きずに読む事ができます.
この本の主人公は、37歳のオジサン先生として研修医となって
研修医としての日々の苦労が面白おかしく
描かれています.
仕事を真面目にやればやるほど
理想と現実のギャップに悩む事も多くなり
どこまで妥協できるかどうかということで
医者になってよかったと思う時間も多いのですが
研修医の頃よりは
医者なんてやめたい、と思う時も増えてきたように思います.
さて、医者をやめたとして、じゃあそのあと
具体的にどうするか、なんて全然考えられないのですが
どんなに愚痴を言ったとしても
一晩ぐっすり休んで
次の日からは、また心を入れ替えて仕事に励むわけです.
どんな仕事も自分なりのやりがいを見つけて
がんばるしかないと思います.
ただ狭い世界で、あまり集中しすぎると
煮詰まってしまって、変な風になるといけないので
たまには、こうして畑違いの本を読んだり
ちょっとたまった心の生ゴミを外に出して
いっぺんリセットして
自分の立つ位置を、時間と全体と世界の中での自分の位置決めを
再確認するのが必要かもしれません.
新人さんたちには、まだぴんとこないでしょうけど
中堅、ベテランと呼ばれる世代は
周りからは期待され、信頼される分、ストレスも多く
たまには、弱音を吐いてみたいものです.
そんなちょっと難しい先輩達と
これからもうまく付き合っていってください.
よろしくお願いします、新人さんたち.
それにしても、何か別の職業を選べるとしたら
皆さんは、どんな仕事につきたいですか.
私もしばらく考えましたが
やっぱり、次も医者やっていると思います.
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新学期、新年度、気持ちだけでも新人で
http://tomochans.exblog.jp/6960248/
2008-04-01T00:01:00+09:00
2008-04-01T00:05:59+09:00
2008-04-01T00:01:19+09:00
yangt3
がんばれ新人さん
新しい年度、新しい気分で仕事始めです.
書きかけの書類も残っているし
レセの病状詳記もまだ途中だし、いろいろと仕事も
まだ途中ですが、とりあえず新年度です.
私自身は、年度が変わっても、特に大きな変化はありません.
内科病棟には、4月1日から新人さんがやってきますので
彼ら・彼女らにとっては、まさしく新学期(新年度)です.
地域の救急スタッフの方も、この春の人事異動で
顔見知りの方が異動で遠くに行かれたり、または近くに
異動されたりされています.
または3月31日をもって激務に一区切りとなった諸先輩方も
本当にお疲れさまでした.
ゆっくりお休み頂いて、また次のステップへの鋭気を
蓄えていただきたいと思います.
聖路加国際病院理事長の日野原重明先生の記事が掲載されていました.
将来に使命感持って
http://mainichi.jp/life/health/news/20080314ddm013100152000c.html
非常に有意義な内容なので一部を引用します.
--病院運営で心がけていることは。災害などに備え、
聖路加国際病院の建物に工夫をされたそうですね。
「日本は、病院の従業員数が米国の4分の1しかいません。
それでは患者さんに良いサービスはできません。
だから、聖路加国際病院の看護師数は、国内平均の2倍ですし、
医師も国立大の3倍。全病室が個室です。
重病の患者さんや死期の近い患者さんの場合、
大部屋では周囲に気を使います。
だから、すべて個室にしたのです。
新しい病院棟を建設する際(92年完成)には、
病院敷地内のチャペルでもラウンジでも廊下でも、
どこでも酸素吸入ができる配管を整備しました。
95年の地下鉄サリン事件では640人の患者を受け入れましたが、
チャペルも廊下も病室代わりになりました。
関東大震災のようなことが再び起きるかもしれないと考え、
非常時に病院が役に立たなければならないと
考えた投資が生きたといえます。」
--多くの「後輩」へ、健康長寿のアドバイスをお願いします。
「長生きをしようと思ったら、まず食事と運動が大切。
運動は強くなくてもよいので、できる範囲でやって、
食事は年にしたがって段々減らす。
それと質の良い睡眠を目指すことです。
私は、1日4時間半しか睡眠時間がありませんが、
眠りが深いため大丈夫です。
そして、健康とは命を大切にすること。
それを壊すものは、災害以外では戦争ということになります。
戦争がなくなれば、たくさんの命が救われる。
だから私は最近、子どもたちに平和の心を植え付けたい、
と講演して回っています。
私の本を読んだ10歳の女の子から、
「寿命という大きな空間の中に、
私の毎日の瞬間をどう置いていくのかが、私の大切な仕事です」
という感想文が届き、感激しました。
命とは、「皆が持っている時間」で、
その時間をどう使うか考えることが、
健康で幸せな生活を送るうえで不可欠といえます。」
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研修医の頃は、こうした日野原先生の言葉を
本当に理解しているとはいえませんでした.
日々の研修に追われ、仕事に追われ
少しでも早く医療技術を身に付けようと
ただそれだけで必死でした.
循環器の医者として、それなりの仕事ができるようになった今では
ただ日々の仕事をこなすだけではいけないと感じるようになりました.
改めて、日野原先生の言葉が心に響いていきます.
日野原先生の言葉はこうです.
「これらの約束は、単なる日程の約束(アポイントメント)ではなく、
使命感を持った意味のある仕事をしなければならないという
誓い(コミットメント)なのです。
このようなコミットメントを持っていると、
長生きせざるを得なくなります。」
ある段階に達すれば、もちろん年齢には関係なく
使命感をもった意味のある仕事をしなければならないという
日野原先生の言葉を
私の新年度の目標にしたいと思います.
とりあえず新人の皆様には
やさしく厳しく、責任をもった指導を行っていきたいと思います.
新人の皆さん、われわれの仲間にようこそ!
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アナムネ、問診、予診など
http://tomochans.exblog.jp/6498038/
2007-11-28T10:16:58+09:00
2007-11-28T10:16:58+09:00
2007-11-28T10:16:58+09:00
yangt3
がんばれ新人さん
緊急症例の心電図について
看護師さんたちも、かなり読めるようになりました.
日々カテ室では、緊急症例の心電図を前にして
責任病変を当てる競争が行われています.
曰く;II、III、aVfでSTが上昇しているから右冠動脈だ、とか
曰く;前胸部誘導のV2 〜 V6 まで ST 上昇があるから
左前下行枝だとか.
急性心筋梗塞などの緊急の場合は
すぐにカテ室で答えがわかってしまうのでごまかしが
ききません.
おのずと心電図読解力が身に付く事になります.
今、病棟スタッフとともに取り組んでいるのは、
心電図やレントゲンなどの
基本的な検査の理解だけでなく
診断学の基本である患者さんの経過から
病状を把握しようということです.
つまりアナムネ、問診、予診と呼ばれるもので
患者さんの話をよーく聞く事から、全てを始めようという
当たり前といえば当たり前の取り組みです.
私が医学生のころ、専門の6年生となると
いわゆるポリクリ(臨床実習)と称して
偉い先生方の外来の見学についたり
病棟の患者さんを一緒に診させてもらっていました.
とはいえ、医師免許もない、単なる医学生の身分では
医療行為もできないわけで
そこは、患者さんの話を聞いたり
先輩に教えられながら検査結果をみたり、レントゲンをみたりと
白衣をきても
できることは簡単なことだけです.
臨床実習では、患者さんの話を聞いて
いわゆる問診を取って
どんな病気かを判断するという
診断学が主となります.
誰でもそうだと思いますが
若い頃は、とりわけ未熟な医学生の頃は
少しでも早く実技を覚えたいとか
華麗な手術の技は、カテの技に目を奪われがちです.
問診や予診などの、いわば地味な診断学は
試験のために、勉強していましたが
いまひとつ、その重要性を理解していませんでした.
時がすぎて
日々、外来や病棟、救急の診療に明け暮れる毎日となると
改めて、患者さんの話を良く聞くということが
大切なことだと痛感しています.
前にも紹介したと思いますが
こんな経験があります.
外科研修の頃、胆石症の予定手術の患者さんの
受け持ちとなりました.
術前カンファレンスのために、カルテを1ページから
丹念に目を通していました.
すると何年か前に、大腸ポリープをファイバーで切除していて
(いわゆるポリペクトミー)
ポリープの一部に Group V、つまりガンが発生しているという
記録を見つけたのです.
カルテを順にみていくと、その後の経過観察の検査が
行われていないようでした.
研修医として、術前検査は完璧にと教え込まれていたので
さっそく大腸のレントゲン検査(注腸)を行いました.
幸いなことに、術前の大腸検査で、大腸ガンが見つかりました.
手術予定は大幅に変更となり
胆石症ではなく、その後大腸ガンの手術が無事に行われ
治癒切除とあいなりました.
もしカルテを丹念に見ていなかったら
大腸ガンを見落として、胆石の手術のあとに
もっとガンが進行して大変なことになったかもしれません.
私が今までの医師生活の中での
数少ない善行のうちの最初のヒットだったと思います.
この症例を経験してからは
カルテの記録を丹念に読む事の大切さを痛感しました.
診断学の奥深さを、ちょっと知る事のできた瞬間でもあります.
現在、当院の循環器外来では
診察の前に、看護師さんたちによって予診、問診が
行われています.
一つは、忙しい外来の中で、十分に患者さんが
話をできる時間をつくるのが目的です.
さらにはトリアージという目的もあります.
胸痛や喘息発作や、辛い症状を抱えて
何時間も待合室で、じっと待っている事がないように
緊急の対応や検査、処置が必要な患者さんを
この看護師さんの問診の段階で対応できるようにという
思いもあります.
例えば心房細動、心不全などで通院されている
高齢者のおばあちゃんがいたとしましょう.
看護師さんが問診で対応して、
血圧、脈拍、体重そして経過を見るだけで
心不全の増悪も見つける事が可能になります.
元気な時よりも体重が増えている.
普段より脈拍が多い.
下肢の浮腫も出現している、などなど.
看護師さんたちも、日頃の看護診断学の勉強の成果を活かす事で
循環器外来でのトリアージに役に立ち
ひいては、患者さんへの外来ケアがより
充実したものになると思います.
当院では、また看護学生さんたちも
多く看護補助としてともに働いています.
彼女、彼たちにも
同じように問診、予診のお手伝いをしてもらっています.
看護学生として、たとえ今は、実技ができなくても、
きちんと患者さんの話を聞く事で
病気への早い対応が可能になり
立派に患者さんの役に立つ仕事ができるということを
日々、教えています.
同じ事は、ベテランの看護師さんたちもいえると思います.
医師のようにカテや手術ができないとしても
患者さんの一番に身近にいることで
医師が気付かないような、ささいな変化や、小さなことを
いち早くとらえる事ができるからです.
私も含めて
今一度、患者さんの話をよく聞くという事の
重要性を再認識して、また仕事に頑張りたいと思います.
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がんばれ勉強会
http://tomochans.exblog.jp/6212127/
2007-09-24T08:27:00+09:00
2007-09-24T08:28:35+09:00
2007-09-24T08:27:09+09:00
yangt3
がんばれ新人さん
盛り上がっています.
先日も、BLS認定講習会さながらに
看護部主催による勉強会が開催されました.
参加者も、看護部だけでなく、さまざまな部署から
有志が参加し、大変盛り上がりました.
これからもこうした自主的な勉強への
気持ちが高まっていく事を期待しています.
くわしくは、こちらの記事をどうぞ!
タマ日記
高まる救急への意識
http://tamaoking.exblog.jp/7477391/
先日、JPTECの認定を見事ゲットした
当院の2名が教育の中心になっています.
これが教育の連鎖ということですね.
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救急の日のイベント
http://tomochans.exblog.jp/6142460/
2007-09-09T23:54:00+09:00
2007-09-10T00:02:58+09:00
2007-09-09T23:54:07+09:00
yangt3
がんばれ新人さん
わが病院の若者たちがやってくれました!
そう9月9日救急の日のイベントです.
ぎりぎりの呼びかけだったので
今回は、院内のみのイベントとなりましたが
中身は充実していたそうです.
彼ら当院の若者たちの活躍をご覧ください↓
-----------タマ日記
9月9日
http://tamaoking.exblog.jp/7420028/
---------FIFTY-FIFTY 18365
本日は
http://fifty50.exblog.jp/6142211/
こうした自発的な勉強会を続けていって
来年は、ぜひもっと大きなイベントを
みんなで開催したいと思います.
これからも当院の若者たちを
よろしくお願いします.
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心肺停止の高校球児をまたもやAEDが救う
http://tomochans.exblog.jp/5527554/
2007-05-04T00:01:34+09:00
2007-05-04T00:01:34+09:00
2007-05-04T00:01:34+09:00
yangt3
がんばれ新人さん
たまたま居合わせた救急救命士の方が
AEDを用いて救命した事案がありました.
またしてもAEDで
貴重な命が救われました.
-------asahi.com 2007.04.30
投手左胸に打球直撃
AEDで救命処置、脈拍と呼吸戻る
http://www.asahi.com/kansai/news/
OSK200704300018.html
30日午前10時20分ごろ、
大阪府岸和田市内畑町の飛翔館高校グラウンドで、
春季近畿地区高校野球大会府予選3回戦
桜宮—飛翔館の試合中、飛翔館の2年生、
上野貴寛投手(17)の左胸に打者の打球が
直撃した。上野投手はマウンドに倒れ、
動かなくなったが、同校にあったAED
(自動体外式除細動器)による救命処置などで
脈拍と呼吸が戻ったという。
1週間の入院で回復する見込み。
関係者によると、上野投手は倒れた時、
脈が一時的に止まり、呼吸もはっきり
していなかったという。
奥野恵立(よしたつ)監督(49)が
心臓マッサージをし、試合観戦に来ていた
岸和田消防署の救急救命士岡利次さん(39)が
AEDを体に取り付けた。AEDは2年前に
同校に設置され、1階事務室前に置いてあり、
関係者が運んできたという。
上野投手は救命処置後に脈拍が戻り、
救急車で岸和田市内の病院に運ばれて
自発呼吸が戻った。担当医は「心臓マッサージ、
AEDいずれかの処置が欠けていたら命は危なかった」と
話したという。
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改めて病院前ケア(プレホスピタルケア)の
重要性を認識させられます.
病院に搬送される前の適切な
救命処置がまさに生死をわけるということです.
私たちの病院でも、新しい2005年ガイドラインに沿った
BLSの講習を多くの職員、スタッフが
受けようと意欲に燃えています.
それぞれの職員もスタッフも
地域の一員であり、それぞれに大切な家族があり
この記事のように、子供さんをもっています.
病院の中ではいうまでもなく
病院外でも、大切な命を救うために
迅速で、適切な救命処置ができるように
一人でも多くの職員が
心肺蘇生を覚えていただけることを願っています.
すでにBLS講習を受けた職員も
この記事を読んで、さらにモチベーションを高めて
さらなる次の段階に進んで欲しいと思います.
ちなみに朝日では報じられていなかったのですが
この高校に設置されたAEDは、平成17年度の卒業生が
寄付したものだそうです.
さかのぼれば、AEDを母校に贈った
卒業生たちの気持ちが
この高校球児を救ったということになりそうです.
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がんばれ新人さんたち!
http://tomochans.exblog.jp/5357161/
2007-04-05T00:02:38+09:00
2007-04-05T00:02:38+09:00
2007-04-05T00:02:38+09:00
yangt3
がんばれ新人さん
各部署に配属されて、実地の仕事が
始まりました.
これまでの学生気分とは打って変わって
初々しい真新しい白衣に身を包み
心なしか表情もきりり!と引き締まって
緊張の中、一日が始まりました.
私たちスタッフにとっても新しい仲間の
名前と顔を覚えるために
脳を活性化させて頑張っております(笑)
新人研修が終わって将来
彼ら、彼女らがどんな風に成長するか
本当に楽しみです.
できればその頃には、若い人たちに仕事を
まかせて悠々自適に過ごせるといいのですが(笑)
私は、以前とある看護学校で
循環器の先生として講義を受け持っていました.
看護学生さんたちの講義のために
膨大な循環器のスライドをMacで
作成していました.
(プレゼンテーションは PowerPointではなく
Mac専用の Keynoteです)
以前に勤めていた病院では、毎年
研修医の指導もあり
教える側の苦労も教えられる側の苦労も
わかっているつもりです.
ちなみに私が研修医の頃に指導した先生は
胃管の入れ方とか中心静脈カテーテルの入れ方とか
骨髄穿刺とかを指導した先生ですが
今や立派な救急専門医となり
かの地でがんばっています.
教える側としては非常に光栄なことです.
現役の時も一流で、指導する側になっても一流というのは
世界の王 貞治 氏のような特別な人だけが
なし得ることであって
普通の人には、どちらも大変です.
人に教えるということは片手間にできることではなくて
特別な技術が必要ですし
医療の現場では、どれだけ熱意と時間をかけて
指導したかが問われると思います.
大学生の学力低下がニュースで話題になっていましたが
医療の現場でも似た状況になっているようです.
--------YOMOURI ONLINE 2007.03.17
新人看護師 技術低下…「注射1人で出来ない」8割
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070317ik02.htm
新人看護師の看護技術低下が深刻化している。
日本看護協会の調査では、人工呼吸、心臓マッサージ、
止血など救急救命術や注射などを
「1人でできる卒業生が20%未満」という
看護学校が半分を超えた。
新人看護師による医療事故も少なくない。
事態を重く見た厚生労働省の検討会は来週、
病院実習を大幅に増やすなど、看護教育カリキュラムの
10年ぶりの見直しを議論する。
「点滴を付けた患者の寝間着やシーツを
1人で替えられない」「患者の搬送時、
ストレッチャーを真っすぐ押せない」。
(中略)
技術力低下の原因となっているのは、
病院実習内容の不十分さだ。
病院での実習は、3年課程の場合、
1035時間以上の履修が義務付けられているが、
「病院が事故を恐れ、患者を対象とした
実習をなかなかさせてくれない」
(山口美代子・横浜市病院協会看護専門学校副学校長)
という実態がある。また病院実習の際に付き添って
指導する専門教員について、68・6%の
看護学校が確保に問題を抱えるとしている。
23日に開かれる厚労省の検討会では、
病院実習を135時間増やす方針が議論される。
しかし、「受け入れ病院も教員も確保できない
ままでは不可能」という意見もあり、
病院側の受け入れ体制整備や、教員確保策が求められそうだ。
看護師 国家試験は看護学校生や准看護師に
受験資格がある。しかし実技試験はなく筆記だけで、
看護技術が未熟でも資格が得られる。
2006年の合格者は約4万3000人、合格率は88.3%。
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欧米とは違い、学校での日本の医学教育、看護教育の中では
実技の指導、学習に十分な時間をとれないのが
現状だと思います.
医師としての私の学生時代は、医学部5年、6年目に
臨床実習、いわゆるポリクリというのがあって
各診療科の臨床実習に回って指導を受けるのですが
知識の習得が主であり、実技としては
問診、簡単な診察程度だけでした.
点滴、採血、救命処置などの実技は
医学部を卒業して研修医となってから
一生懸命に覚えたというのが実際のところです.
以前の病院でも看護学生の実習を引き受けており
看護学生さんたちの実習を間近で見ていました.
やはり医学生と同様に病院実習でも
本当に必要な看護実技を学習するだけの時間も少なく
機会も少ないように思いました.
救急救命士をめざす学生さんの実習も引き受けたことがありますが
やはり事情は同様でした.
気管挿管、蘇生技術、点滴、心血管治療薬の投与の学習など
必要な実技を学ぶためには、法律的にも
さまざまな制約がありました.
結局の所、医療の仕事は生涯教育であり
知識と技術の向上のために、常に学習を続けなければ
ならないと思います.
新人さんや研修の人だけでなく
中堅もベテランも指導する立場の人も、
医療に携わる全ての人が常に上を目指して
勉強を続けていく必要があります.
医療に携わる全ての人の学習や教育を総合して
新人からベテランまで一環した形で考えていく必要が
これからあるのではないでしょうか.
ちなみに現在、私どもの病院では
オーダリングシステムが稼働を始めたところであり
ベテランの看護師さんもスタッフも毎日
パソコンと格闘しています(笑)
循環器の世界でも、日々技術と医学の進歩は著しく
毎日勉強の連続です.
学生時代の勉強は、試験に通るためとか
よい学校に合格するためとかですが
現場に出てからの仕事は
目的が違います.
全ては、患者さんのために.ですね.
私たちも新人さんと一緒に
負けないように頑張りたいと思います.
]]>
新人さんたちー大歓迎!
http://tomochans.exblog.jp/5342015/
2007-04-03T00:02:09+09:00
2007-04-03T00:02:09+09:00
2007-04-03T00:02:09+09:00
yangt3
がんばれ新人さん
当院でも4月2日(月曜日)に
たくさんの新人さんを迎えて
入職式が行われました.
院長を始め病院のお偉方の訓示を
ぴかぴかの白衣やユニフォームに
身を包んで聞くことが
彼らの仕事始めでした.
通常業務のため私は参加できませんでしたが
毎年この時期は
各フロアー、各診療部に新人さんたちの
元気な姿が走り回り
一年中でも、とりたてて
病院の中が活気づく時でもあります.
誰でも子供の頃があって、新人の頃がありました.
今は、ベテランで、何も知らないことはない.
何が会っても、全然平気なんて顔で
仕事をしている先輩方も
新人、研修の頃は、皆さんと同じように
先輩から指導を受けつつ
毎日、毎日勉強の連続でした.
知っていることよりも知らないことが多すぎるとか.
学校で習った知識は、現場ではあまり役にたたないとか.
救急や、現場の仕事で先輩方がばたばた走り回っている
その時に、なにをしていいのかわからないとか.
今はそんな感じでしょうね.
私が研修医になった頃は
今のような臨床研修制度もなく
いきなり現場に放り込まれて、身体で覚えろ!
みたいな感じでした.
わけがわからないまま
手術に外来に救急外来に毎日駆けずり回って
仕事が終わるともうへろへろでした.
研修を受けた病院は、けっこう大変な救急病院で
毎日必ず心肺停止が入り
ほとんど毎日、吐血も救急来院.
その他、外傷から内科系救急からありとあらゆる救急が
連日運ばれてきて
今から思えばよい勉強になったのですが
ぺいぺいのなにもできない研修医には
つらい時間でした.
3日に1日の当直を文字通り
実践していましたから、遊ぶ暇もなく
家では、ただ眠るだけでした(笑)
今は、体力的なことから研修医のころのようには
いきませんが、一度、研修医の頃に
そうやって頑張ったということが
今の自分の自信につながっているとは思います.
不思議なことに研修医の頃にであった
いろいろな職場の人たちのこと、
研修医の頃のお世話になった人、患者さんのことは
いまでもよく覚えています.
恥ずかしいところもしられているから
一生頭があがらないかもしれませんね(笑)
初期研修は、これからも皆さんの
大切な足場になるものですし
最初のハードルが高ければ高いほど
助走が長いほど
あとの飛躍もより高く、より遠くにいけると思います.
まずは、最初の研修期間を頑張って欲しいと思います.
新人さんは、まだまだ仕事ができないと
悩むことも多いと思いますが
新人さんが職場に来てもらったことで
私たちスタッフもまた刺激を受けていて
また頑張ろうって思っています.
だから今は無理せず、若者らしく
新しいことに挑戦して欲しいと思います.
皆さんの新人研修に立ち会えることを
光栄に思います.
多分、他のスタッフも同じ気持ちなんじゃないかな.
公私共に
これからの活躍を期待します.
医者の私がいうのもなんですが
看護の道は無限大だと思います.
新人さんにしかできない素晴らしい看護を
期待しています.
動物のお医者さんと
おたんこナースは、私の愛読書でした(笑)
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勉強しています!
http://tomochans.exblog.jp/5242249/
2007-03-16T00:01:33+09:00
2007-03-16T00:01:33+09:00
2007-03-16T00:01:33+09:00
yangt3
がんばれ新人さん
行われることになりました.
新病棟が完成したことも合わせて
スタッフ一同
新しい救急蘇生の勉強に励んでいます!
nozakoji先生の
救急医療って難しい...
http://nozakoji.exblog.jp/
でも紹介されたこの本をベースにしています.
救急蘇生法の指針 2005
医療従事者用 へるす出版
http://www.herusu-shuppan.co.jp/book/550_599/566.html
私はいち早くネットで購入しましが
また出たばかりの本ですので
看護部、病院での購入は、まだ間に合わず
やむを得ず、必要なところをコピーして
勉強してもらっています.
院内の救急蘇生カート、救急薬品などの
整理、整備などを
若手看護師さんが中心にやってもらっており
彼らの救急蘇生に対しての
モチベーションも非常に高いです.
新病棟にも次々と新人さんや新しいスタッフが
仲間に加わって
いろいろ勉強していこうという
雰囲気もできつつあります.
循環器領域の様々な薬剤や治療についても
また一からみんなで勉強を続けています.
その中でも、救急蘇生は
一番の重要課題として、これからがんばって
勉強を続けていきたいと思います.
nozakoji先生からもリクエストがあったように
新病棟の院内プラズマ液晶にて
救急蘇生のプレゼンテーションも作成し
皆さんにお見せできるようにしたいと考えています.
さらに救急蘇生のポッドキャスト配信も
以前から計画しています.
頼りにしている救急救命士のHさんの
協力を得て、こちらもいち早く実行したいと思います.
院内から一人でも多くの
救急蘇生のリーダーが育つことを願っています.
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生きがい、モチベーション
http://tomochans.exblog.jp/5122451/
2007-02-15T00:09:39+09:00
2007-02-15T00:09:39+09:00
2007-02-15T00:09:39+09:00
yangt3
がんばれ新人さん
循環器科医師がカテーテルをおく時
手術やカテーテル治療が
医療の全てではありませんが
技術を仕事にしてきた人間には
つらいことではあります.
手術やカテーテル治療は
体力だけではない、熟練の技、
経験に裏付けられた知恵などが絶対的に
必要です.
それにしても体力、視力などの低下によって
いつかはこうした仕事に見切りをつける日は
必ずやってきます.
若い人たちのあふれるような情熱と
尽きることのない体力を目にすると
なんとなく気弱な気分になったりします.
人間にとってやはり生きがい、モチベーション
もしくは生きていく意味というのは
大切なことです.
--------------YOMIURI ONLINE 2007.02.12
生きがい「ない」と病死リスク高く
脳血管疾患は2.1倍 肺炎も1.8倍に…東北大グループ
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070212ik06.htm
生きがいがない人は、ある人に比べ、病気などで死亡する割合が
1・5倍に高まる——東北大大学院医学系研究科の辻一郎教授
(公衆衛生学)の研究グループが、こんな調査結果をまとめた。
研究グループは、1994年に宮城県内の40〜79歳の健康な
男女4万3391人の健康調査を実施。「『生きがい』や
『はり』を持って生活しているか」との質問に、
「ある」と回答したのは59%、「ない」は5%、
「どちらとも言えない」は36%だった。
このうち、7年後の2001年末までに病気にかかるなどして
死亡した3048人について、死因を追跡調査したところ、
がん(1100人)が最も多く、
続いて脳卒中などの脳血管疾患(479人)、
肺炎(241人)などが多かった。
さらに、経済状況や健康状態など生きがいの有無にかかわらず、
死亡割合に影響する要因を排除して分析。
その結果、生きがいが「ない」と答えた人は、
「ある」と答えた人に比べ、脳血管疾患で死亡した割合は
2・1倍高く、肺炎も1・8倍高かった。がんでは、
生きがいの有無による影響はみられなかった。
こうした病気のほか、自殺なども含めて死亡した人の割合を
全体でみると、生きがいがない人は、ある人に比べ1・5倍高かった。
辻教授は、「良好な感情を持つことは、感染症を防ぐ免疫系に
良い効果があると言われている。定年後も、社会活動への
参加などで生きがいを持ち続けることが大事だ」と話している。
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医療の現場では、
たとえば一人暮らしの老人や、高齢になったご夫婦などが増えて
子供たちとも交流がなく
簡単に生きがいをもってなんて
励ますことのできないような現実があります.
こうした高齢の方々が急病で入院された時
生きがいよりもなによりも
まず生きる気力をいかにもってもらうか.
食事をする、歩く、お風呂にはいる
そんな当たり前のことでさえ、できないまま
経管栄養で寝たきりになった高齢者を前にして
私たちは為す術を知りません.
医療スタッフが患者さんの病気の治療に
力を尽くすことは当然のことですが
さらにもう一歩踏み込んで
患者さんに 生きがいを与えることができるかどうか
ある意味、医療者が試されているのかも知れません.
私を含めてベテランと呼ばれるスタッフは
日常の業務に追われて、ベッドサイドでの時間が
十分にとれないことがままあります.
新人スタッフや若い人たちが
患者さんの傍に十分時間をとれるように
見舞いにくる家族が少なくても
医療スタッフが、患者さんの友達になることで
始まることがあると思っています.
よい病院にするためには
立派な建物を造っただけでは不十分だということは
よくわかっています.
理想論だとわかっていますが
病院に働くスタッフ、病院で療養する人たち
病院にかかわる地域の全ての人に
生きがい、モチベーション、なにかをなすエネルギーのようなものを
伝えられる、そんな病院でありたいと考えています.
そうでなければ、私自身が働く意味がありませんから.
病院やクリニックでさえ倒産する現在にあって
病院がきちんとした方向性、モチベーションを維持することが
大事だと思います.
循環器科医がカテーテルをおいた時
どんなことになるかは、またこれからの楽しみです.
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ローカルとグローバル
http://tomochans.exblog.jp/5069895/
2007-02-03T00:10:00+09:00
2007-02-03T00:11:50+09:00
2007-02-03T00:10:19+09:00
yangt3
がんばれ新人さん
最初の病院で研修を始めて
そのあと、いくつかの病院を
移り変わり医師としての
経験を積み重ねてきました.
いまでこそいろいろな臨床マニュアルが
書店やネットで簡単に購入できるように
なりましたが
その頃はマニュアル本もあまりなく
手探り状態での研修でした.
手元にあったのは、英語版の
かの有名なワシントンマニュアルだけでした.
臨床知識といえば朝倉書店の「内科学」程度.
実技、実務経験はほとんどゼロの状態から
医師としての研修生活が始まりました.
医学生時代の臨床実習(ポリクリ)で
多少はかじったといっても
ほどんと一からのスタートでした.
問診の取り方、診察の仕方
点滴のイロハ、カルテの書き方
指示出し、検査、手術の助手
時間外診療などなど...
あらかじめ本や資料を読んでじっくり勉強して
取り組むという、学生時代のスタイルでは
とても追いつかず、また適当なマニュアルもなく
先輩医師や現場スタッフの仕事を
見様見まねで覚えていきました.
世界的な内科治療マニュアルである
英語版のワシントンマニュアルを片手に
余白にいろいろとメモを書き込んでいって
仕事と研究に追われる毎日でした.
ちょっと困ったことは
世界的グローバルスタンダードである
ワシントンマニュアルに書かれてある
薬剤、抗生物質、検査などが
欧米では、可能であっても
日本では、できない、薬剤が認可されていない
などの問題がありました.
基本的な考え方や方針については
そのまま使用できたのですが
肝心な事細かな薬剤の処方、抗生剤の注射の指示などは
自分で調べなければなりませんでした.
ローカルとグローバルの違いです.
またややこしいことに、日本国内でも
病院ごとに微妙な違いがありました.
今で言うところのジェネリック、そのころの言葉でいれば
ゾロの製品を調べて覚えていかなければなりませんでした.
病院、施設ごとに現場の仕事のあらゆる局面で
やっぱりその病院特有のくせ、やり方があり
病院を変るたびに、それをまず覚えていく必要があり
最初は戸惑うことも多かったのです.
新人研修医、新人ナース、新人職員にとって
先輩たちから教えられた情報、技術などが
ローカルなものかグローバルなものかは
自分で判断できないことも多いです.
いくらその病院で仕事を覚えたとしても
他所の病院や施設に行ったときに
全然やり方や仕事の手順が違って
がく然とすることもあり得ることです.
さらにややこしいことに
同じ病院の中でも、医師毎に仕事のやり方が
異なり、部署毎にやはり仕事の進め方が異なります.
同じ部署内でも、仕事の手順が微妙に異なったりします.
新人は、本当に戸惑うばかりです.
中堅スタッフとなった私でさえ
いまだに戸惑うこともあるくらいです.
たとえば肺炎なり心筋梗塞なり
各疾患の診断については、まずどこの施設でも
共通の診断に至ると思います.
診断にいたる手順は、病院毎に微妙に異なります.
いわんや治療については、病院毎の違い、医師毎の
違いが大きくなってきています.
医師の自由裁量とされていることです.
最近では、いわゆるEBMとして
エビデンス、臨床的な根拠に基づいた
診断、治療を行うべきという流れがあり
医師もこれにそった診療を行うようになってきています.
新人の教育、研修についても
こうした流れにそってエビデンスに基づいた研修
グローバルスタンダードに基づいた研修が
行われるべきですが
なかなかその実行は難しいです.
グローバルスタンダードが重要になることとして
感染症、感染予防の問題があります.
MRSAを含め院内感染、二次感染、日和見感染などの
感染予防については、ローカルな問題として
考えるべきではなく
やはりグローバルスタンダードに基づいた
安全で確実な世界的標準に従った
きちんとした感染症予防対策が講じられるべきです.
医師、看護師の現場での教育は
やはり徒弟制度の面があり
マニュアルだけでは伝えきれないこともあり
一子相伝のような所があります.
末端のレベルでみると
病院毎のくせ、偏った手技、個人のくせなどまで
無批判で伝えられる危険性もあります.
教える立場から考えると
新人たちに満足にいく教育を与えることは
本当に難しいと感じています.
経験のないことを無責任に教えるわけにもいかず
確実に教えられることは、自分の経験に基づいた
ものになります.そこにくせやローカルな部分が
入り込む余地があるかもしれません.
研修医の頃、教育を受ける立場から考えると
あれほど一生懸命教わったこと、細かな知識は
いまは、大半を忘れてしまったり
医療の進歩で役に立たなくなったりしたものも
多いです.
たとえば、循環器として仕事をしている私に
開腹胆嚢摘出術の詳細の知識は不要ですし
今は、腹腔鏡手術が主流です.
ずっと残っているものがあるとすれば
一生懸命に仕事をする先輩、スタッフの姿とか
忙しいさなかにも、教えてもらったこととか
先輩やスタッフが自らのスキルアップのために
頑張っているその姿勢とか
そういった形にできないものです.
日々進歩する細かな枝葉の知識よりも
モチベーションややる気、
チームとして一緒に仕事に取り組む気持ちを
新人の皆さんに伝えられたらと
思って、毎日頑張っています.
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フィジカルアセスメントのプロになろう!
http://tomochans.exblog.jp/5022106/
2007-01-23T00:22:08+09:00
2007-01-23T00:13:40+09:00
2007-01-23T00:13:40+09:00
yangt3
がんばれ新人さん
まだエコーもCTもMRも
今のような華麗な
画像診断というわけにはいかず
画像も荒く、聴診器代わりの
CT、エコーというわけには
いかない代物でした.
心臓の治療もようやく
PTCRが大学病院で行われていた頃です.
現在のような薬剤溶出ステントもなく
高性能なバルーンもなく
急性心筋梗塞に緊急カテーテルを行うことも
こわごわであった時代でした.
大学の臨床の循環器の講義も
理学所見ーフィジカルアセスメントに
重点が置かれていました.
臨床講義室のドアを心臓弁に見立てて
講義室を走り回って弁膜症を説明してくれた
名物教授の講義が思い出されます.
現在では、詳細に聴診器や理学所見をとるより
心エコー検査を行えば
弁膜症の診断もあっという間につきます.
ついつい忙しさにかまけて
フィジカルアセスメントの重要性を
忘れてしまいがちです.
画像診断全盛期のこの現代における
フィジカルアセスメントの意義は
いったいなんなのでしょうか.
ベッドサイドの心臓病学で有名な
Dr.コンスタント先生が昨年
可児の地において講演会を開かれました.
Dr. コンスタント
http://tomochans.exblog.jp/i14
Dr.コンスタント先生は、世界的に有名な
心臓病学の権威であり、特にベッドサイドで
理学所見をとって正確な診断にいたる
その神業のような技を、世界中で
講演を行って教育を続けておられます.
彼が強調しているのは、やはり
フィジカルアセスメントの重要性であって
医師に限らず、看護師、パラメディカルスタッフも
同様に病態生理に基づいた系統的な理学所見の
取り方を覚えることで
よりよい医療や看護につながることです.
日本側からはあの有名な
日野原重明先生の記事が掲載されていました.
----------週間医学界新聞 2006.12.11
新時代の看護師に求められるもの
バイタルサインを突破口に
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2006dir/n2711dir/n2711_01.htm
この記事のなかで看護師にとっても
フィジカルアセスメントが重要であることが
述べられています.
(以下記事より一部を引用)
「訪問看護というのは医者が処方を出し,
スーパーバイズするんですが,大病院のお医者さんは
忙しいから,看護師任せで,自分は往診していない。
だから病態の変化や,新しい病気が出たということは,
全然わからないわけです。
「様子がおかしいので往診してください」と看護師が
言わない限りは,先生は来ないで,古い処方をずっと
何か月も使う。そのために,薬の相互作用で
心臓ブロックが生じたとか,危険なことも起こりうる。
つまり,訪問看護では,診断ができない看護師は
危なくてしょうがないということなんですね。
訪問看護をする人は,聴診器が使えて,肝臓の触診ができて,
腱反射があるかどうかを診ることができなくてはいけないし,
心電図を取って「後壁梗塞だ」とわかる必要もあるんです。
例えば,糖尿病の老人は,心筋梗塞になっても前胸部痛はない。
痛くないので,冷や汗が出ていても,訪問看護師も「
別に熱はないし,ちょっと暑いからでしょう」
ということにしてしまう。あくる日急変で亡くなってしまい,
死亡診断書は,老人の心臓麻痺だということになるけれど,
どんな病気だって心臓が停まって死ぬんだからね(笑)。
(中略)
「ナースも診断・治療を行えたほうがいいということは,
どの病棟でも変わりません。例えば,看護師さんは
全身清拭をしますよね。すると,腰の皮下に出血が
あるのを見ただけで解離性大動脈瘤の診断がつきますが,
お医者さんは腰なんか見ないので気付かない。
ナースは「看護をやる」と言わずに「医療をやるんだ」
と言えばいいと思います。
そして,治らない病気のターミナルには,
お医者さんでなくナースが主体になる。
病気の兆候を見つけたり,夜だけしか出ない症状は,
夜勤のナースにしかわからないんだから。
看護教育でも「バイタルサインを見ろ」と言うけれど
,バイタルサインというのは「生きているサイン」
ですからね。聴診器も心電図もエコーも全部
バイタルサインなのだから,ナースが診ちゃいけない,
というのはおかしい。そういう意味で,
バイタルサインの定義をずっと広げていってほしいです。
ナースは聴診をし,触診をし,眼底や心電図を見て,
次にお医者さんが来るまでに診断をする。
そして「私はこう思いますからこうしました」
ということを自信を持って報告し,処置も行います。
そういう意味では,診断・治療の3分の1は
ナースがやるべきだ,といっても過言ではない。
一方,「看護は私たちが専門」なんて言わないで,
介護の人にも看護と医学を教える。そして
現在別々に存在している「医療」「看護」「介護」
という3つの輪がなるべくだぶるようにする。
これが,これからの医学のあるべき姿だと私は考えます。
そういう意味では,まずバイタルサインが,
ナースの仕事の内容を,そして地位を変えるための
突破口だと思います。
(後略)
---------------------------------------------------------------------
若いスタッフ、特に看護スタッフは
ぜひ実際の記事にあたって
日野原先生の文章を熟読して欲しいと思います.
記事にもあるように
たとえば別の病気で入院している患者さんが
脳梗塞になったり、心筋梗塞になったりということが
あります.
最初の初期症状はバイタルサインは、担当の看護師さん
夜勤の看護師さんが一番最初に
目にして、そして発見するはずです.
脳梗塞であれば、その診断が早ければ早いほど
ラジカットやTPAなどの薬剤の投与の効果が期待でき
治療によってよりよい予後が得られます.
心臓病も同様で診断が早ければ
カテーテル治療などによる迅速な
血行再建が可能となり
危険な合併症を引き起こすことなく
患者さんが元気になることができます.
重症の心不全で入院した患者さんの
心電図モニターの異常に最初に気付くのも
やはり受け持ちの看護師さんです.
私も日野原先生の意見に賛成で
医師と看護師さんたちとパラメディカルが
チームとなって医療をやっているということです.
よくできる看護師さん、経験のある看護師さんであれば
それを生かして、ぜひ患者さんのSOSや
危険なサインをいち早く見つけて欲しいです.
良いと思ったことは、やはり何でも
実行して欲しいと思いますし
気になることは、なんでも話して欲しいです.
看護師さんが「ちょっと気になるんだけど...」と
医師に伝えてくれることは、やっぱり大切なことも多く
幾度も、リスクを回避できたことを経験しています.
なんといっても1年目のぺいぺいの研修医の時には、
先輩医師よりも現場の看護師さんたちに
よく教えてもらったものです.
医師も医療技術や、医療知識の進歩を日々研究を重ねて
個人の力を高めていくのはいうまでもありません.
ただ医師ひとりでできることは、やっぱり限られている
わけで、入院の大部分の時間のケアは看護師さんだよりです.
看護師さんたちが力を発揮できるように
リーダー的な采配をするのも医師のこれからの
役目かもしれません.
そして看護師さんたちが
理学所見のプロ、フィジカルアセスメントのプロのなったら
本当にすごいことになると思います.
今までのように遠慮せず、診断にも検査にも
処置にも治療にもどんどん口と手を出して欲しいと思います.
そんなふうに看護師さんやパラメディカルスタッフがどんどん
プロとして実力をつけてきたら
医師としての私は、また負けないようにさらに
頑張ろうと思います.
この2月からは、新しい病棟での仕事が始まりますが
こんな心意気で、みんなで力を合わせて
頑張っていきたいです.
若い力の奮起を期待しています.
]]>
世界のナース、国際ナースに
http://tomochans.exblog.jp/4553638/
2006-10-23T00:07:00+09:00
2006-10-23T00:08:35+09:00
2006-10-23T00:07:52+09:00
yangt3
がんばれ新人さん
医療人としての心は同じです.
これから医療の道を選んだ
新人看護師さん、新人医師
新人医療スタッフは、
外国語もしっかりと勉強されて
国際的な幅広い視野をもって
仕事をしてもらいたいと思います.
その昔、萩原朔太郎が
フランスに行きたしと思えど
フランスはあまりに遠し
と詠んでいます.
今は、優秀な人材は、どんどん
海外留学もされて幅広く
勉強されているようです.
世界の新人看護婦さんの話が紹介されていました.
-------------世界の都市だより 2006.10.16
「世界」を知るナース
デュッセルドルフのひと
http://doraku.asahi.com/earth/abroad/people/index.html
(以下、記事より引用)
ライン川のほとりに位置するデュッセルドルフは、
各国の企業が拠点を置くドイツ有数の工業都市。
国際色ゆたかで、人口57万人のうち外国人の
居住者は9万人を超える。200以上のバーや
レストランが軒を連ね、「世界一長いカウンター」
と呼ばれる旧市街のボルカー通りを夕暮れどきに
散歩すると、ビールをくみ交わす人々の
顔の色や目の色、そして飛び交う言葉が
さまざまなことに気づかされる。
街外れの病院で新人看護婦として働く
モニカさん(23)は、20年前に一家で
このまちにきた小柄で愛らしい笑顔の
ポーランド移民。仲よしの同僚、
ラウラさん(21)はドイツ、フランス、
スペイン人の血筋をひく金髪のドイツ人だ。
物心ついたときにはドイツにいたモニカさんは
戸惑うことなく生きてきたが、人生の大半を
ポーランドで過ごした祖父はうまくなじめず
酒に溺れる日々が続いたという。
祖父を見て育った彼女は、移民の心を理解し、
沈んだ気持ちを救う看護婦になれればと、
自然治療を学びボランティアしている。
6人兄弟の長女・ラウラさんは現在兄とふたり暮らし。
両親は大草原に憧(あこが)れ馬を買って幼い弟と
妹を連れて国をあとにした。もうひとりの兄は
イスラム教に改宗、妹はトルコ人と結婚し
それぞれまちを出ていった。自由な家風で育った
彼女はドイツ語の他に英語、フランス語、
スペイン語、イタリア語、アラブ語を操り、
外国人の患者にも友達のような口調でアドバイスする。
「前向きに生きないと病気に負けるわよ」
今どきの髪型やメイクでおしゃれして、
お気に入りのパーカー姿で仕事をする彼女たちは、
患者と友達のように接している。車イスの患者を
院外のバーに連れ出して注意されたこともあるが、
婦長は「あのふたりは患者さんやその家族から
とても人気があるんですよ」と話す。
そんな人気者が担当する患者の回復は早いようだ。
「この病院ではさまざまな国籍の患者さんに
接するわけですが、純粋な意味でドイツ人である
私には気が付かない、細かい変化にも
対応できているようです」
多国籍化がすすむまちデュッセルドルフ。
ここでは、純粋なドイツ人こそ
変わらなくてはいけない時期に
達しているのかもしれない。
-------------------------------------------------------------------
国籍や言葉は違っても、病める人を
救う事は万国共通の仕事ですね.
かの フローレンス・ナイチンゲールは
イタリアのフレンツェで生まれました.
看護師さんたちが「白衣の天使」と
呼ばれるのは、このナイチンゲールに
由来するのはいうまでもありません.
あまり知られていない事ですが
ナイチンゲールは近代看護の確立だけでなく
看護に初めて統計学を持ち込んだ人であり
イギリスにおける統計学の基礎を築いた人
でもあります.
医師にとっては「ヒポクラテスの誓い」が
あるように
看護師さんたちは、載帽式や卒業式に
ナイチンゲール誓詞により誓いをたてます.
医師も看護師さんもこうして誓いを立てる事で
国家や政治にとらわれずに
「傷病者や障害者または紛争や災害の犠牲者に対して、
偉大な勇気をもって献身的な活躍」することを
誓うということだと思います.
私は、もう若くないのですが
新人の方々には、大きな希望と夢をもって
これからの仕事を頑張って欲しいと思います.
これから日本にも外国の方々が
医療の世界にも入ってきて
徐々に国際化が進んで行くと思います.
たとえ国外に出ないとしても
日本でも、外国人とのコミニケーションが
必要とされると思います.
以前、循環器の大家であるコンスタント先生を
可児の地にお招きした時に
お世話になった方が
看護師さんや医療スタッフの留学の
サポートをする会社を作られました.
メディカル エデュケイション リエゾン オフィス
http://www18.ocn.ne.jp/~melo/index.htm
実際の沢山の看護師さんがオレゴン州の大学などに
留学をされているそうです.
代表をされているのが鈴木さんという方で
以前から本当にお世話になっています.
先日、鈴木さんが東可児病院にこられて
看護師さんの海外留学についてお話を伺いました.
東可児病院でも、これから
看護師さんたちが海外留学して
さらに飛躍できるように
この鈴木さんの協力を得て
援助を開始して行きたいと考えています.
希望をもって頑張りましょう.
]]>
着を見てせざるは勇無きなり
http://tomochans.exblog.jp/4462798/
2006-10-09T01:32:00+09:00
2006-10-09T01:36:53+09:00
2006-10-09T01:32:46+09:00
yangt3
がんばれ新人さん
流れてきます.
京都では、騒いでいる男を注意した
男性が、逆上した男に殴られ
男性が死亡するという痛ましい事件がありました.
着を見てせざるは勇無きなり.
心よりご冥福をお祈りいたします.
一刻も早い事件の解決を願うものです.
ご家族やご両親の悲しみを思うと
本当に残念でたまりません.
正しい事を為す事が報われず
悲しい結果になる風潮は、憂慮するべきことです.
---------------asahi.com 2006.10.07
騒いでいる男を注意して殴られ、男性死亡 京都市山科区
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200610070011.html
7日午前1時ごろ、京都市山科区大塚南溝町の路上で、
「人が倒れている」と110番通報があった。
山科署員が現場に駆けつけると、
近くの保険代理店経営原田修さん(39)が仰向けに倒れ、
顔から血を流していた。原田さんは病院に運ばれたが、
約1時間40分後に死亡。
自宅近くの路上で騒いでいた男を注意するために出て行って
殴られたとみられる。現場から立ち去った男は、
近所の住民の知人に似ているといい、
同署は殺人容疑で行方を追っている。
調べでは、男は40〜50歳くらいで身長約170センチ。
上下とも灰色っぽい服装だったという。約10分前から、
原田さん宅の西約15メートルの民家の前で叫びながら
玄関上部のガラスを割ったり、郵便ポストを
けったりしていたという。
原田さんは両親に「暴走族が騒いでいるのかな」と
話して自宅を出た。続いて外に出た母親(68)が、
傘立てのようなものを持った男に
殴られている原田さんを目撃した。
110番通報した近所の男性(38)は、
騒ぎ声を聞いて自宅2階の窓から様子を見ていたが、
ガラスが割れる音を聞いて外に出ると、
原田さんと男がもみ合っているように見えた。
通報するために自宅に戻って再び外に出ると、
男はすでにいなかったという。
現場はJR山科駅の南東約1.5キロの閑静な住宅街。
------------------------------------------------------------------------
見て見ぬふりをしない、という
当たり前のことを行ったのに
どうして、このような理不尽な結果に
なってしまうのでしょうか.
やってはいけないこと、悪い事、
人に迷惑をかけること、人に害すること
そのようなことに、当たり前の感覚で
だめなことはだめといえる勇気を持ちたいのです.
街の中で、電車の中で
悪い事を見て見ぬふりをすること.
もしそんな様子を子供たちや家族が見ていたら.
子供たちには正しい事がなんなのか
わからなくなってしまうでしょう.
飲酒運転も同じ事です.
これくらいなら、という軽い気持ちが
重大な結果を招く事になります.
未来を担う子供たちに恥ずかしくないように
大人がしっかりしないと
だめなのだと思います.
日常生活の中でも、仕事の中でも
これくらいなら、と
つい見て見ぬふりをしてしまうこと.
小さな誤りや間違いがつもりつもって
あとで大きなつけを払う結果に
なってしまうかもしれません.
圧倒的な暴力、圧倒的な権力の前には
個人は、本当に無力です.
誤った事や間違いを見て見ぬふりをして
事なかれ主義で生きることは
波風も立たず、楽な生き方かもしれませんが
どこかで自分の両親や子供たちの心に
嘘をついているのかもしれません.
間違いを正すのに躊躇するなかれ.
時に正しい事は、耳に痛いものであり
正論ばかり主張する人間は、
組織の中で嫌われ、村八分に
なってしまうことさえあります.
道理の通らない組織、間違いを隠ぺいする組織が
その後、どうなっていくかは
歴史をみれば明らかです.
医療人であるまえに、社会人として一人の人間として
正しい事を為さなければなりませんし
もし誤りや悪い事を見つければ
それを正す勇気をもたなければなりません.
特に病院の若い職員の方々は
職場に入って、いろいろな壁にぶつかり
悩んでいると思います.
もし新人の皆さんが間違っていると思った事は
ぜひ大きな声で言っていただきたいと思います.
正しい事、建設的な意見、社会の役に立つ事
そうした新人の皆さんの貴重な意見を
仕事に活かせるそんな職場に
していきたいと思います.
若い皆さんの力を貸してください.
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医療のプロをめざそう!
http://tomochans.exblog.jp/4404018/
2006-10-01T00:08:52+09:00
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yangt3
がんばれ新人さん
外来診療、入院患者さんのケア、回診、検査、手術.
循環器であれば、カテーテル検査に、カテーテル治療.
いろいろな業務があっても
工具で機会を直すのとは違い、人と人との関係が
医療の中心になければなりません.
本当に難しい仕事です.
医療が病を治すのが目的である以上
治療する力、手術が上手である、カテーテル治療が上手である
などということも大事なことです.
人柄がよくても、肝心の手術や治療の技術が未熟であれば
それもまた困った事です.
世の中の名医と呼ばれる人たちは(少なくとも私の知る限りでは)
熟練した手術や治療の技術だけでなく
患者さんとの接し方もまた一流であると感じています.
たとえば自分の上司やトップがいる時に
明らかに態度を変える人がいます.
一般社会ではよく見られる光景ではあります.
患者さんの目の前で、部下を叱ったりする人がいます.
自分の感情を隠そうとせず、不機嫌な気分を
そのまま患者に向けて言葉を発する人がいます.
点滴が外れて病衣を汚したり、排泄に失敗して
汚した患者さんについきつい言葉を投げ掛ける人がいます.
人間である以上、感情に左右されることは、
避けられない事なのかもしれませんが
医療のプロとしては、少し情けない事だと思います.
たとえば、大切な人と食事に出かけて
乾杯のビールを注ごうとした時、グラスに汚れた付いていたら
どうでしょう.すぐに店の人を呼んで交換してもらいますよね.
もし店の人が冷たい言葉を言ったらどうなるでしょうか.
「私は担当ではないので」とか
「洗ってあるはずですけど」とか.
楽しい気分も台なしです.
私の子供は、まだ小さい子ばかりなので
外食に行くと、食べ物をこぼしたり、水をこぼしたり
しょっちゅう店の人にお世話になっています.
子供が粗相をした時に、店の人がさりげなく
普通に、さっとフォローして優しい言葉を投げ掛けてくれると
本当にうれしいものです.
私にとっては、こういうお店が一流だと感じ
また足を運ぶ事でしょう.
料理がいくら一流で美味しくても
冷たい店員では、全然だめです.
医療の現場、病院でも同様のことがあります.
病院の受付では、専門外の患者さんが来院された時
「その科はここではやっていませんので、他に言ってください」
「専門の先生がいません」
などなどです.
特に最近の小児科医の不足、産婦人科の不足の状況にあっては
専門外の患者が来院して、こういう局面はよくあります.
患者さんが求めているのは、
もちろん専門的診療が一番ですが、専門的な診療が受けられなくても
親切な助言なりどうしたらよいかを教えてもらう事です.
専門医でなくてもプライマリケアで対応可能であれば
そのようにする.
専門医の対応が必要であれば、その旨を説明し
しかるべき病院を教えてあげる.
必要であれば、電話してあげる、そういったことです.
入院中の患者さんでも、ナースコールがあった時に
「私は、担当でないので」とか
「担当のチームが違うのでわかりません」とか
「私は、聞いていないのでわかりません」とか
そんな対応があると、本当に悲しくなりますね.
どういう対応がよいのか、
一度、患者の立場になり、入院した心細い状況を
体験しないと、わからないかもしれません.
本当の医療のプロであれば、
こうしたことも、さわやかな対応ができるはずです.
先日、当直の日に、子供さんの肘内障の方が来院されました.
私は、循環器科ですが研修医の頃に整形外科も研修しているので
整形外科医ではありませんがと、了解を得た上で対応しました.
教科書通りの徒手整復を行ったのですが
どうしても、うまくいかず、結局整形外科医に電話で相談.
「肘内障は、その場で整復できなくても、三角巾で
患肢を90度に固定していれば2〜3日で自然に整復される」と
教えてもらいました.その旨を説明して
三角巾で固定して、数日後に整形外科を受診してもらうこととして
帰宅してもらいました.
専門外の患者さんの診療をすることは、医師にとっては
本当に精神的なストレスです.それでもなんとか自分のできる範囲で
援助が出来ないかと考えて実行しています.
なかなか完全にはいきません.
医療費の削減問題や、医療訴訟の増加の現代の情勢にあって
専門外の診療をすることは、過剰な防衛心理によって
避けられているように思います.
余計なことをいって訴えられたくないとか
余計なことをして訴えられたくないとかです.
その一方で、AEDの普及により
一般市民が一次救命に積極的に関わって行くようになっています.
医療スタッフだけが、取り残されて良いものでしょうか.
今一度、医療の道に入った頃の気持ちを思い出し
医療のプロを目指す必要があります.
手術やカテーテルの技術を一日で向上させるのは難しいことですが
患者さんとの関係は、人と人との言葉の関係は
今日からでもすぐに実践できることです.
昨年の6月に以前の病院を辞めて、この東可児病院に就職しました.
以前の病院で診ていた患者さんは、40分以上かかって
以前の病院のある街から、東可児病院まで定期的に
通っていただいています.
みなさん、状態は安定しており、毎回話を聞いて
定期の薬を投薬するだけです.
それでも短い時間でも、私とお話をして、
納得して笑顔で帰っていかれます.
懐かしい皆さんのお顔を見て声を聞くと、私自身も癒される思いす.
まだまだ未熟な私ではありますが
自分が目指すべき方向性だけは、なんとなく
見えてきたように思います.
事をなすからには、その道のプロをめざして.
これからも頑張って行こうと思います.
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