もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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カテゴリ:カテーテル治療後の方に( 5 )

薬剤溶出ステントの成績

虚血性心疾患のカテーテル治療では
最近は90%以上の症例において薬剤溶出ステント
すなわち Cypherステントが用いられている現状です.
日々薬剤溶出ステントを使用した経験からは
従来の非薬剤溶出ステントと比較して、再治療
(つまり症状の再発)が激変した印象でした.

最近の研究で薬剤溶出ステントはベアメタルステントに比べて
PTCA後の再インターベンションの必要性を
大幅に減少させることを示されています.

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ステント植え込みの手技上の問題も
経験を重ねてきておりますし
治療後の薬剤(アスピリン、パナルジン)の使用方法も
症例を重ねてノウハウが蓄積されています.

1昨年に登場した薬剤溶出ステントも
現在、狭心症、虚血性心疾患治療の中心的な役割を
果たしている状況です.

現在、次の世代の薬剤溶出ステントが臨床での使用を
控えており
またパナルジンに代わり、副作用を減じた坑血小板薬の
臨床現場での使用も間近です.

みなさんに安心して
カテーテル治療を受けていただけるように
今後も努力を続けて行くつもりです.
by yangt3 | 2006-03-06 00:46 | カテーテル治療後の方に
(1)薬剤溶出ステント Cypherを植え込み後の薬
 パナルジン2T/日、バイアスピリン2T/日を継続して
内服する必要があります.
東可児病院では、桜井院長が脳神経外科専門のため
脳卒中の治療のために、多くの方がパナルジンを内服しておられます.
長期投与されている患者さんも多く、
パナルジンの指導、副作用については、医師、看護師、薬剤師ともに
熟知しております.
治療のために植え込みした薬剤溶出ステントが、
本来の治療効果を発揮させるために
特にパナルジンはしっかり服用する必要があります.

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(2)歯科での抜歯の際にはどうするか
ステント植え込み後 2週間は、薬剤の中止により
ステントの急性血栓が発症するおそれがあります.
ステント留置後少なくとも約2週間ぐらいは、
激しい運動や汗をかくこと等を避けるのが望ましいです.
運動は1ヵ月ぐらいして状態が安定してから行うほうが理想的です.
さらに、脱水状態を避けるためにしっかり水分補給をし、
血液が濃縮しないように
十分に留意する必要があります.
厚生省の指導では、植え込み後3ヶ月は
パナルジンを続ける必要があります.
その後もバイアスピリンは、できるだけ続行する必要があります.

歯科医院で抜歯する際に、薬を止めないと手術しないと言われた場合
どうしたらよいのでしょうか.
その場合には、必ず循環器担当医師に相談して頂くようにお願いします.
少なくとも植え込み後2週間は、抜歯などの処置も延期するほうが
望ましいです.
それ以降でも、ステント後の薬剤の中止に関しては
循環器担当医の管理下で行う必要があります.
(慢性血栓閉塞の問題がありますので)

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(3)東可児病院は、近隣の開業医の先生方と
密接な病診連携を行っており
治療後の内服続行、血液検査については、かかりつけ医で
行っていただくことも可能です.

皮疹や肝障害などの副作用が出た場合は、
当院循環器科にて対応させていただきます.
基本的な方針としては、パナルジンを中止して
アスピリンのみを継続しています.
ステント留置からの経過時間が、薬剤中止可能の目安になります.
留置後1ヵ月以内に副作用が出た場合は、
パナルジンを中止しクロピドグレル投与が理想です.
ただし、現在、クロピドグレルはまた使用できませんので
基本的にプレタール(シロスタゾール)で代替します.
留置後2ヵ月以降は、そのままアスピリン単独投与となります.

バイアスピリンでも副作用がないわけではありません.
アスピリン単独となっても副作用に注意して内服を続けます.

胃潰瘍出血、外傷、脳出血の場合は、アスピリンもパナルジンも
中止せざるを得ません.
外科手術の場合、循環器的な立場からは可能な限り
アスピリンとパナルジンの継続をお願いします.
時には、ヘパリン持続点滴で対応することもあります.
外科医と循環器科医との連携が必要になります.

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幸いに現在の薬剤溶出ステント Cypherでは、
重篤な合併症は経験しておりません.
以前の非薬剤溶出ステントの時代には、ステント植え込み後に
緊急手術のために、アスピリン、パナルジンを中止、
代わりにヘパリンを持続投与しましたが、手術後3日目に
ステントの血栓症により心筋梗塞が起こりました.
すぐに、緊急カテを施行し、追加ステント植え込みにより
問題なく軽快しています.
by yangt3 | 2006-02-18 22:31 | カテーテル治療後の方に
狭心症、心筋梗塞後の患者さんが無事に退院されることになり
心配されるのは、日常的なことがどこまでできるかということです.
車の運転も生活にかかせないものであり、多くの方が心配されます.
基本的な方針としては、カテーテル治療で
十分に閉塞した血管や競作した血管を十分に治療した場合は
過度の制限は必要ありません.
狭心症の場合、血液検査、心エコーなどで特に
心臓の負荷、負担の問題がなければ特に制限は必要ありません.
ただし、狭心症の症状が再発したり、車の運転中に狭心症が起こった場合は
運転は見合わせます.
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急性心筋梗塞後の場合、冠動脈の閉塞により程度の差はありますが
心臓の筋肉、組織に壊死が起こっており、回復には時間を要します.
十分なカテーテル治療が完了していても
2週間から4週間は、車の運転は控えられた方が安心です.
血液検査の改善、心電図の改善、心エコー検査の改善をまって
十分な内服治療のもとに
主治医が 運転を許可します.

もちろん運転を職業としている方 タクシードライバー、宅配便の運転手、
パトカーを運転する警察の方、消防車、救急車を運転される消防署の方は
さらに慎重に対応する必要があります.
ちなみにイギリスでは6週間は、運転禁止とされています.
by yangt3 | 2005-12-25 23:37 | カテーテル治療後の方に
現在主流で用いられている薬剤溶出ステント Cypherは
そもそも再狭窄を予防するために開発されました.
実際の症例でも再狭窄、狭窄の再発は認められません.
私の経験でも再狭窄はありません.
H17年8月に保険認可されてからの臨床使用ですので
まだ3年、5年の長期の成績は、日本ではありません.
海外の臨床報告では3年以上(43 ヶ月)経過しても
再狭窄が認められないとされています.
ジョンソン・エンド・ジョンソン社から提供された資料の
症例写真を示します.右冠動脈の狭窄病変に対して
薬剤溶出ステント Cypher が植え込まれました.
43ヶ月の時点でも再狭窄は認めておりません.
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by yangt3 | 2005-11-18 21:55 | カテーテル治療後の方に
薬剤溶出ステントによる治療を受けられた患者さんは
治療後も医師の指示に従って、内服治療を続けていただきます.
再発の少ないステントですが、内服する薬の副作用には注意が必要です.
厚生労働省から次のように指導がでています.
「CYPHER™シロリムス溶出冠動脈ステント留置後 無期限のアスピリン投与、
術後3ヶ月のパナルジン投与必要.
パナルジン投与で血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症、重篤な肝障害等の重大な副作用が、主に 投与開始後2ヶ月以内に発現し、死亡に至る例も報告されている.
ステント後、2ヶ月間は 2週間に一回の血液検査が必要」
具体的な検査や内服の調整は、外来通院しながら担当医が判断させていただきます.
次のような症状があった時には、できるだけ外来で担当医にお伝えください.
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・熱が出る(37℃以上)  ・あざができる(紫色・赤色)
・のどが痛む       ・尿が茶色っぽくなる、血が混じる
・皮膚や目が黄色くなる  ・意識が低下する(うとうとする)
・ぶつぶつがでる     ・強い疲労感を感じる
・鼻や歯ぐきから出血する ・食欲がなくなる
パナルジン、アスピリンという薬そのものは、脳梗塞はその他の動脈硬化の予防のために
以前より使われている薬です.内服のみでなく、血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、運動
などその他の生活習慣の改善が再発の予防に最も重要です.
by yangt3 | 2005-11-13 13:08 | カテーテル治療後の方に