上腕動脈からの腹部血管造影
2005年 11月 20日
われわれ循環器医にとって、上腕動脈からの腹部血管造影も
容易に行うことが可能です.
心臓のみでなく、必要であれば、腹部血管造影を我々内科医が
施行します.適応としては、消化器疾患、肝臓疾患などです.
心臓カテーテル検査は、手首からの検査が可能ですが
腹部血管造影検査の場合は、カテーテルの長さの問題から
肘の動脈からの検査となります.(上腕動脈穿刺)
肘からの穿刺で通常通りの必要な腹部の血管の検査が施行できます.
肝臓の動脈(肝動脈、腹腔動脈)、腸管の動脈(上腸間膜動脈)を
足からの検査と同様の精度で、より安全に施行できます.
検査後は、肘の動脈を止血バンドで固定し、3〜4時間ほど添え木(シーネ)で包帯固定が必要です.トイレ歩行、食事はもちろん可能で、日帰り検査で行っています.肝臓への薬剤注入などのカテーテル治療も上腕動脈から可能です.
われわれは、循環器疾患だけでなく、あらゆる病気の診断、治療に関してより安全で正確な方法を常に研究、研鑽しています.