もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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VH-IVUSによる不安定プラークの確認

VH-IVUSによる脆弱性プラークの判別について
In vivo intravascular ultrasound-derived thin-cap fibroatheroma detection using ultrasound radiofrequency data analysis.
J Am Coll Cardiol. 2005 Dec 6;46(11):2038-42. Epub 2005 Nov 9.
Rodriguez-Granillo GA, Garcia-Garcia HM, Mc Fadden EP, Valgimigli M, Aoki J, de Feyter P, Serruys PW.
Erasmus Medical Center, Thoraxcenter, Rotterdam, the Netherlands.
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VH-IVUSによる不安定プラークの確認_a0055913_23283314.jpg

これもVH-IVUSを用いた研究です.VH-IVUSにて急性心筋梗塞、不安定狭心症などの
原因になるプラーク破裂を起こすフィブリンキャップ(Thin-cap fibroatheroma)
について検討しています. 55人の患者にて検討.非責任病変で
狭窄率50%以下の非閉塞性病変についてVH-IVUSを用いて検討したものです.
フィブリンキャップを次のように分類しています.
Focal(限局性)
Necrotic Core-rick(壊死性コア); 冠動脈内腔に接して断面で10%以上の病変
フィブリンキャップのプラークに占める割合を%表示した.
23名の急性冠動脈症候群(ACS)の患者では、32名の安定型狭心症の患者に比べて、
この不安定フィブリンキャップが高い頻度で認められました.
性別、糖尿病、喫煙暦、高脂血症、高血圧、冠動脈疾患の家族歴などとの関連は
認めませんでした.
プラークの重症度、組成は、安定型狭心症と急性冠動脈症候群との間に
違いは認められなかった.
VH-IVUSを用いた検討により、安定型狭心症に比べて
急性冠動脈症候群(ACS)において不安定フィブリンキャップの所見が多く認められた.
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VH-IVUSによる不安定プラークの確認_a0055913_23294792.jpg

急性心筋梗塞、急性冠動脈症候群、不安定狭心症などの
メカニズムは、プラーク破裂によるものであると考えられています.
この研究で明らかなように不安定プラーク(急性心筋梗塞、不安定狭心症)と
安定プラーク(安定型狭心症)の組成の違いはありませんでした.
プラークが不安定であるサインとして
このThin-cap fibrinoatheroma(不安定フィブリンキャップ)が重要です.
新しいモダリティであるVH-IVUSを用いれば、この不安定プラークのサインである
Thin-cap fibrinoatheromaをより正確に確認することが可能です.
これまでIVUSの詳細な検討により急性心筋梗塞、不安定狭心症の冠動脈内での
プラークの変化が解明されてきました.
不安定プラークや、壊死性コア(Necrotic Core)を治療前にIVUSでその存在を
確認できることで、冠動脈末梢血栓、Slow Flowなどの発症を予防し、または
その合併症を最小限にする処置が可能となります.
by yangt3 | 2005-12-12 23:30