もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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呼吸器専門医に聞くインフルエンザの話 その2

東可児病院内科・呼吸器科 浦 定昭 内科部長のお話の続きです.
インフルエンザの診断、治療などについて伺います.

3)診断は、補助診断として鼻腔・咽頭ぬぐい液によるインフルエンザ抗原
迅速検査があります.感度は50〜80%程度です.確定診断はウイルス分離か、
血液検査で抗体上昇確認が必要です.
呼吸器専門医に聞くインフルエンザの話 その2_a0055913_850218.jpg

4)治療は、発症後48時間以内であれば塩酸アマンタジン(シンメトレル)、
ノイラミニダーゼ阻害剤(タミフル)が有効で症状の軽減、ウイルス陰性化までの
期間短縮が期待できます.
塩酸アマンタジン(シンメトレル)はウイルス粒子の細胞核内への輸送を
阻止しますが、A型だけがもつM蛋白に作用するため
A型のみに有効です.
シンメトレル100mg を1日1〜2回.
ノイラミニダーゼ阻害剤(タミフル)はA、B型両方に有効です.
現在の治療の主体となっています.
タミフル 一回 1C (75mg) 、1日2回を5日間
(幼少児は;2mg/kg タミフルドライシロップ)
呼吸器専門医に聞くインフルエンザの話 その2_a0055913_931794.jpg

発熱に対してはインフルエンザ脳症を惹起しないために
アセトアミノフェンが用いられます.
インフルエンザ脳症については厚生労働省からガイドラインが出ています.
小児科に受診する必要があります.
5)予防は、インフルエンザワクチン(A型2種類、B型1種類が含まれる不活化ワクチン)
の接種です.基本的 に年1回接種で65歳未満健常者では70〜90%、
高齢者に対しても30〜70%発病が抑制され、65再以上のインフルエンザ感染による
死亡を、80%抑制することが報告されています.
副作用は、10〜20%でワクチン接種部発赤、
腫れ、傷みなどの局所症状、5〜10%&で発熱、頭痛、倦怠感など全身症状が
報告されてます.

さらにくわしい情報を必要な方は、以下のページを参考にしてください.
国立感染症研究所 感染症情報センター
http://idsc.nih.go.jp/index-j.html

日本医師会 インフルエンザ Q&A
http://www.med.or.jp/influenza/inqa_b.html

以上、浦先生からのお話をまとめたものです.
詳しいことをお聞きになりたい方は、
内科外来までお越しください.
by yangt3 | 2005-12-13 08:55