もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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心筋梗塞の予防について

急性心筋梗塞、狭心症で治療された患者さんにあっては
心筋梗塞の予防に真剣に取り組む必要があります.
予防のポイントについて簡単に説明します
1)生活習慣の改善;最も重要な項目です.心筋梗塞の予防について_a0055913_100683.jpg
たばこは絶対に止める必要があります.糖尿病、高血圧、高脂血症の原因となった食事の偏りについては、医師、栄養士などと相談し、減塩、低カロリーなどを目指しましょう.適度な運動療法も行い、試適体重を保たなければなりません.
2)坑血小板療法;最近のステント治療は薬剤溶出ステントを用いることがほとんどです.この場合、バイアスピリン2T、パナルジン2T/日を続けていただく必要があります.坑血小板薬の急な中止は、症状の再発を招くこともありますので、支障のないかぎり、長く続けることが大事です.坑血小板療法を続けることにより、脳卒中の予防効果も期待できます.歯科治療、手術などの理由で、坑血小板薬を中止しなければならない時は、循環器担当医の指示に従ってください.
3)βブロッカー;欧米での大規模な臨床治験では、βブロッカーという
薬剤を内服することにより、心筋梗塞後の再梗塞の危険率と死亡率を
減らすことが明らかになっています.
糖尿病、喘息のある方は、主治医の判断で投与を考慮します.
アーチストという薬が良く用いられます.
4)ACE 阻害剤;ACE阻害剤と呼ばれる薬剤も心筋梗塞後の患者さんに
よく投与される薬です.同じく欧米の大規模臨床治験において
梗塞後の心拡大の予防(左室後期リモデリングの予防)効果、虚血イベントの
減少効果などが確認されています.心筋梗塞の患者さんには
禁忌が無い限り投与が推奨されています.
特に心不全を伴った方、心エコーにて左室機能が低下している方には
特に有用と思われます.
ニューロタン、ディオバン、ブロプレスなどが使用されます.

かかりつけ医師とともに
病気に負けることなく 健やかな生活が送れるように
この記事が参考になれば幸いです.

循環器科 進
by yangt3 | 2005-12-29 10:01