もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3

高脂血症の治療 ー 中性脂肪も治療するべき

高脂血症の治療 中性脂肪も治療するべき
高脂血症でコレステロールを薬物療法で積極的に治療することにより
狭心症、心筋梗塞などの心臓イベントの発生を抑制できることは
先に発表されたMEGAスタディで明らかにされています.
急性心筋梗塞を発症された患者さんにあっては
積極的に薬剤投与を行い、高脂血症に介入しています.

中性脂肪については、どうでしょうか.
最近の研究発表で、中性脂肪も積極的に低下、治療されることが
心筋梗塞などの予防に重要であるということが
明らかにされました.
これがFIELD 試験です.
2005年11月14日 米国心臓協会(AHA)学術集会にて発表されました.
この研究で中性脂肪を薬物治療で積極的に低下させることにより
心血管発生リスクを低下させることが明らかになりました.

この研究の背景として
糖尿病の方は、非糖尿病患者と比べて心筋梗塞や脳卒中などの
心血管イベント発生リスクが2〜4倍と高いことが報告されています.
糖尿病において脂質代謝異常、高脂血症が心血管イベント発生に
大きく関与していると考えられています.

高脂血症の治療においては、主にコレステロールを低下させる
スタチン系の薬剤が使用されていますが、中性脂肪の低下の効果は
不十分でした.
中性脂肪に対する高い改善効果を示す薬剤としてフィブラート系薬剤があり
今回、このフィブラート系薬剤で中性脂肪を低下させることによる
臨床効果が検討されました.

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(図表は帝人ファーマからお借りしております)

FIELD 試験で明らかなにされた点は
1)非致死性心筋梗塞の発症リスクが24%と有意に低下。
 心血管疾患の既往のない患者において19%の有意なリスク低下を示し、
 1次予防に期待がかかる
2)スタチン使用の補正により、冠動脈イベント発生リスクが19%と有意に低下
3)糖尿病性網膜症や糖尿病性腎症などの細小血管障害のリスクも有意に抑制
4)全試験期間にわたり有意な脂質改善効果を示す
の4点です.
以上の結果から、フェノフィブラートは、2型糖尿病患者ににおいて、
心血管イベントを抑制することが明らかとなっています.

注意すべき点は、従来のスタチン系薬剤とフェノフィブラートとの併用により
横紋筋融解などの合併症が増えるのではないかということです.
今回の研究では、その懸念が少ないことも証明されました.

糖尿病の方で、今後、スタチン、フェノフィブラートを用いて
積極的に高脂血症の治療を行うことにより
心筋梗塞、脳卒中などの心血管イベントの予防を行うことが
重要になります.

フェノフィブラート系薬剤として
当院では、トライコアという薬を使用しております.
by yangt3 | 2006-01-24 08:47