もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


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飲酒は精神不安定の要因-- ICU入室者調査

飲酒は精神不安定の要因 ICU入室者調査
共同通信 3月3日
 一定以上の酒を飲む人は、手術後などに集中治療室(ICU)で精神的に不安定になるICU症候群になりやすいとの研究結果を国立病院機構弘前病院(青森県弘前市)の工藤明医師が3日までにまとめた。工藤医師は、2001−05年に同病院で腹部の手術を受けてICUに入り、鎮静剤を使わなかった65−81歳の83人を調査した。アルコールを1日25グラム(日本酒1合程度)以上、週3回以上飲む18人のうち6人(33%)がICU症候群になった。ほかの65人の中では3人(5%)だった。週3回以上飲む人は手術中や手術後に、ストレスの指標となるホルモン濃度が高くなっていた。工藤医師は「患者によってはICUを使わない方がいいかもしれない」と話している。
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過度の飲酒は、健康によくないというデータです.
特に大きな手術の後や、緊急の疾患でICU(集中治療室)に
入室された方において、一定以上のお酒を飲む方は
精神的不安定になりやすいそうです.
高齢者の方が、集中治療室などに入院すると
比較的早期に、精神的不安定になり、安静を保てず
ベッドから降りようとしたり、点滴を外そうとしたり
酸素マスクを外したり、といった行動がままみられます.
一種の拘禁反応です.
若い方でも、アルコール摂取の多い方では
この精神的不安定を生じやすいということです.
余談ですが、アルコールを多くたしなむ人においては、
局所麻酔も効き難いことがあります.
カテーテル検査の際の局所麻酔も通常の量では
効かないこともあります.
アルコールの過度の摂取により、抵抗力の低下も
生じることもあります.
大酒家が肺炎などにかかった場合に重症の肺炎と
なりやすいこともあります.
まれな例ですが、過度のアルコール摂取により
心臓障害を生じることもあります.
以前にフランスで行われた研究では、ワインの摂取量が多い人ほど
内臓脂肪も多く心臓病の割合も増えるというデータがありました.
適度なワイン摂取は、体にとって有用ですが
適量を越えた過度の飲酒の習慣は
見直す必要がありそうです.
by yangt3 | 2006-03-04 12:21