もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

なぜあの人とは 話が通じないのか

一般社会と同じように
医療現場でもコミュニケーションが重要であることは
いうまでもありません.

最近話題にされている延命治療の問題も
突き詰めれば患者、家族、医療スタッフの
コミュニケーションの問題に突き当たります.

古い時代の「黙っておれに任せておけ!」というような
パターナリズムでは、この複雑化した医療現場を
乗り切る事はできません.

さらには、医療も細分化され様々な職種の専門家により
現場が支えている状況では、スタッフ間の
コミュニケーションも大切な問題です.

言葉による会話だけでなく、言葉だけではない
非・論理コミュニケーションが
こうした問題を解決するキーワードになります.

a0055913_8402077.jpg





よく訓練されたチームでは
いわゆるアイ・コンタクトだけで
お互いの意志が通じ合うことができます.

逆に個々のスタッフがいくら優秀な才能や技術を
もっていても、お互いの意志の疎通がなく
組織としてうまく機能しなければ
ワールドカップのサッカーのように
残念な結果になってしまいます.

今一度、医療現場のコミュニケーションを
考えてみたいと思います.

a0055913_8411321.gif


「なぜあの人とは話が通じないのか?
 非・論理コミュニケーション」
 中西 雅之 著 光文社新書
 図
 あの人と同じ言葉を話しているはずなのに
 日本人同士、日本語が通じるはずなのに
 でもどうしてあの人には話が通じないのか??

 あの人とは話しが通じてほしい、話が通じないと
 困ると思う相手に限って、うまくいきません.
 だからますますストレスがたまります.

 医療現場では上司、部下、同僚との会話
 さらに患者や、患者の家族との会話
 家庭で夫や妻、親や子との会話
 若い人であればプライベートで友人や
 恋人との会話.生きている限りは
 常に誰かとのコミュニケーションに
 時間を費やしています.

 病院の中では、患者さんを相手にする以上
 適切なコミュニケーション技術がなければ
 仕事をやっていけません.

 寝食を忘れて一生懸命に患者のために働いても
 だめなコミュニケーションのために
 お互いが相互不信を招き憎み合うとしたら
 大変に不幸なことです.

 プライベートでは、どれだけシャイでも
 口下手でも構いませんが
 職場で、病院で患者さんやスタッフと向き合う時は
 どんどん発言して、上手なコミュニケーションを
 取って行かなければなりません.

 特に病院の中でリーダー的役割を果たす人たち
 看護部長、病棟師長、外来師長、そして各部署の
 長は、リーダーシップを発揮してもらうために
 高度なコミュニケーション能力が必要です.

 組織や部署のトップに立つ人間が
 うまくコミュニケーションとれなければ
 リーダーと部下との間でスムーズに話が
 通じないようでは
 組織や部署を一つにまとめることはできません.
 そんな状態では、患者さんの治療を円滑に行うことが
 困難になるばかりか、医療事故やニアミス、ヒアリハット
 にもつながってきます.
 リーダーの役割は重要なのです.

 古田監督のように人間的にも魅力的なリーダーが
 そうそういるわけではありません.
 ほとんどの場合、普通の人がリーダーになります.
 リーダーという立場に身を置いたからといって
 誰でも優れたリーダーになれるわけではありません.
 サッカー少年や野球少年が誰でも
 プロ選手になれないのと一緒です.

 優れたリーダーになるためには
 自ら努力をしなければだめです.
 優れたリーダーに必要な技術こそが
 コミュニケーションです.

 部下の中には、リーダーになれるくらい
 モチベーションも高く、仕事も出来る人もいれば
 1から10まで、細かく指示をして
 精神的なサポートまで必要な人もいろいろいます.
 リーダーとしては、いろいろな部下にきめ細かく対応し
 それぞれの部下が遺憾なく能力を発揮できるように
 努める事が責務と思われます.

医療現場では、コミュニケーションの技術を高める事が
不可欠です.
救命救急の一刻を争う場面では、短い言葉で的確に
お互いの意志疎通が出来なければなりません.
簡単な会話で、患者さんの状態を把握しなければなりません.
さらには、患者さんの状態、重症度を
処置をしながら、他のスタッフに短時間で的確に
伝えるなど、通常とは、異なる会話の技術が必要です.

逆に、ガン末期の患者や慢性疾患の患者さんとの
コミュニケーションでは、言葉だけでなく
言葉にならない非・言語的、非・論理的な
コミュニケーション技術を駆使しなければ
患者さん、患者さんの家族と真の意味で理解しあうことが
できなくなります.

今回紹介した本をぜひ一度目を通していただき
皆さんの参考にしていただければと思います.
by yangt3 | 2006-07-07 08:41 | 皆さんに紹介したい本