もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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県立多治見病院OPE室体験記!!(パート1)   by ME 伊藤

東可児病院のカテラボのスタッフである
ME 伊藤君と、Ope 室 伊佐治君のふたりが
先日、いつもお世話になっている
県立多治見病院の心臓外科手術を見学に
出かけてきました.

東可児病院は、心臓外科はありませんが
循環器科開設に伴い
心臓外科手術の適応となる患者も受け入れ
検査診断のあと、心臓外科施設に紹介
しています.
県立多治見病院心臓外科は
その中でも最も大事な病院の一つです.

今回 ME 伊藤君の見学記を
2回にわたり掲載させていただきます.
伊藤君が徹夜して真剣に書いた文章です.
みなさん是非ご覧ください.

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(以後 ME 伊藤君の文章です)
最初に、この度、とても忙しい中、見学を受け入れてくれた
県立多治見病院心臓血管外科の先生方をはじめとする
スタッフの皆さんに、心より深く深く深く感謝いたします。

以前、当東可児病院の心臓カテーテル検査(CAG)にて
「左冠動脈主幹部および右冠動脈狭窄により
心臓のバイパス手術(CABG)が必要!」
と判断された患者さんがお見えになり、東可児病院では
心臓血管外科がない・・・ということもあり、
その道のスペシャリストがメスを握る県立多治見病院
心臓血管外科さんへお願いすることになりました。
そして、なんと今回、県立多治見病院さんのご好意で、
実際にそのOPEを見学させてもらうことが出来ました!
その時のレポートです。

時は7月某日、天気はあいにくの雨、ラッキーにも
この体験をさせて頂けるようになったNS伊佐治と
ME伊藤の二人は早めに到着するように東可児病院を
出発したのですが、休み明けということもあったのか、
外来、さらには駐車場も大変な賑わいを見せていました。
一瞬、約束の時間を過ぎてしまうのではないかと焦りすら
感じました。この込み具合、老若男女を問わず地域住民の
信頼の篤さを感じずにはいられません。

午前9時30分、県立多治見病院さんに到着後、
手術部の看護師さんの案内を頂き、いくつもの自動ドアを
くぐり抜け、半ば迷子状態になりながら手術部に
たどり着きました。帰り道に迷ったことは
言うまでもありません・・・。
手術部に到着するや否や、
「もう患者さんが入室されているので急いでください!」
と言われた我々は、無我夢中で用意していただいた
OPE着に身を包み、清潔区域に滑り込みました。
そして、いくつものOPE室
(既に始まっている手術もありました)を
通り抜け、今回見学させて頂くCABGが行われるOPE室に
案内していただきました。

OPE室内は、入るや否や緊張感の中にも非常に落ち着いた
雰囲気を感じることができ、BGMに
QW○ENやBONJOV○などが静かに且つ軽快に流れており、
既に麻酔科のドクターが吸入麻酔や左手にA-ラインルートを
とっている真最中でした。
既にコメディカルのスタッフは、自分たちの仕事を黙々と
流れるようにこなしており、しっかりとした
マニュアルの浸透には目を見張るものがありました。
あっという間に麻酔科による挿管が行われ、続いて
右心系の圧や連続心拍出量、平均静脈血酸素飽和度などが
モニターできるスワンガンツカテーテル挿入も、
流れるように行われました。
10時40分には、胸部正中切開とバイパスグラフトとなる
大伏在静脈摘出のための左下腿の切開が同時に始まりました。
そして10分後、突然、
術野Dr:「ON PUMPで行こう!」
との指示が出ました。すなわちこれは、人工心肺により
体外循環を維持し、心臓が止まっている間に
血管を縫い付ける作戦にするということを意味し、
それなりの準備と技術が必要不可欠です。
しかし、人工心肺を担当するMEをはじめ、その他のスタッフも
まるで予定通りであるかの様ににわかに動き出し、
人工心肺の準備を手馴れた手つきで行い始めました。
その間、術野では二人のドクターが黙々と左内胸動脈
(ダイレクトで左前下降枝にバイパスする血管)や
大伏在静脈を剥離しながら時には指示を出していました。
この大きな変動にもかかわらず、ドクターを始め、
その他のスタッフの誰も動じることなく自らの役割を
淡々とこなし「焦り」と言うものを感じさせない動きには、
我々が「焦り」を感じました。

人工心肺の準備が整いしばらくすると、術野でも
それぞれの血管の剥離が完了し、いよいよ体外循環の時が来ました。

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人工心肺をほんの少し、ここで簡単にご紹介します。
仕事を終え心臓に帰ってくる血液を、ポンプ、吸引、
落差などによりリザーバーに取り出し、ポンプにより
それを人工肺へと導きます。この人工肺には壁からの酸素と
圧縮空気がつながれており微妙な調節でPO2、PCO2、
温度などをコントロールし体に返します。その名の通り
人工心臓+人工肺ですね。さじ加減ひとつで患者の生態に
大きく影響を及ぼす代物です。
さらに体外循環をしただけでは、当然心臓は萎みますが
拍動し続けます。そこで登場するのが、心筋保護液という
名前だけ聞く限り心臓に優しい感じですが、
高濃度のカリウムが入っておりそれを冠動脈から順行性に、
もしくは冠静脈から逆行性に流し心臓をアレストにします。
アレストにはしますが、実際、名前の通り心臓を守っており、
こちらの施設では、今回の症例はGIKと呼ばれる
血液心筋保護液すなわちグルコース、インスリン、
カリウムのカクテルが使われており、そのカクテルと
人工心肺から導いた血液を混ぜ順行性に使用していました。
血液と混ぜるのは、心臓が止まっているからといって
酸素を供給しないと心筋梗塞になっちゃいますよね・・・。
本当に、簡潔に書き過ぎちゃってますが人工心肺は
もっとものすごく奥が深いです。また今度・・

(以後 パート2に続く....)
by yangt3 | 2006-07-24 00:03