もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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なるべく計画的に、効率的に、戦略的に頑張ること

日本では、時に無意味な無責任な
激励や応援が幅を利かせています.

日本人特有の国民性もあいまって
みんなも頑張っているのだから
あなたも同じように頑張って当然
というような風潮もあります.

ただ頑張れ、頑張れだけでは
 皆と同じでなくてはならない
 他の人とは違ってはいけない
そんな感じもします.

「なるべく正確に、効率的に」

無責任な激励なら言わないほうがマシだなあと
感じて、毎日仕事をしています.

なるべく計画的に、効率的に、戦略的に頑張ること_a0055913_0493056.gif





医療の現場でも、人材にしろ医療費にしろ
無限にあるわけではなく
限りのある人材、医療費の中で
できる限りの医療を行うことになります.

医療費やマンパワーをどんどん減らされる現実のなかで
それでも頑張っているのが
現場の医療スタッフなのだと思います.

患者さんの家族の方や、患者さんからの
激励の言葉は、心がこもっていて
本当にうれしいものです.

集中治療室に担ぎ込まれた重症患者さんの家族の
必死な様子をみれば、なにもいななくても
医療スタッフは全力を尽くします.

救急の現場に居合わせたスタッフが言う
「頑張ろう」という言葉には、
目の前の患者を一緒に救命しようという
共通した思いがあり、訓練を積んだスタッフには
何を、どのように、何のために頑張るかは
いわなくても以心伝心です.

現場から離れた人の励ましは
時にピントがずれて、無責任な激励になりやすく
言わないほうがマシということもあります.

少なくとも救急、救命、臨床の現場指揮官としては
具滝的な支持、具体的な方針を
的確に、正確に、迅速に出し続けることが
必要なのだと思います.

専門分化も進み、医療電子化や
高度医療機器の中では、1個人の経験だけでは
どうしようもないです.

つまり指揮官の仕事は良き戦略を作り上げること.
こと救急や緊急の場においては
よりよき戦術を示していくことだと思います.

部下に対して、あれができない、これもできないと
欠点をあげつらうのではなく
そうした部下たちの長所も欠点も想定済み、織り込み済みとして
それでも戦う方法を考える.
どうすれば補えるかを考えるのが
現代の上司、指揮官であると思います.

それは昔のアップルの合言葉でいう
「Think Different」ということでもあります.

一人で全てを行うのではなく
様々な専門的技能や才能を持った人たちを
数多く育てる、というのが
現代の医療にも必要なことなのだと思います.

医療の現場においても人を育てよう
才能を育てよう
自分たちで未来の医療をつくろうという
風土、分化が必要なのだと思います.

医療の現場で使われる様々な医療機器や
電子システムも、自分たちの使いやすいように
カスタマイズしていくというのもその延長上で
頑張るために必要だと思います.
by yangt3 | 2007-02-05 00:49 | コーヒーブレイク(雑談)