もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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硫黄島からの手紙

また病院からの緊急コールで
呼び出されました.

急性心筋梗塞、心原性ショックの方で
IABP挿入、カテーテル治療を行い
なんとかレスキューできました.

最近、さらに忙しさが増しています.
なかなか本も読めず、映画も観れないのですが
なんとかこの間から見たいと
思っていた 「硫黄島からの手紙」を
見ました.

硫黄島からの手紙_a0055913_12314482.gif





硫黄島からの手紙

最近の時代の空気を反映してなのでしょうか
こうしたいわゆる反戦映画が増えてきました.

「男たちのYAMATO」も
いろいろな思いをもって見ました.
この硫黄島からの手紙も
忘れられない作品になりそうです.

1944年の硫黄島での日本軍の
絶望的な戦いが描かれています.
武器も弾薬も食料も尽き、本部からの
補給もなく、続々と押し寄せる
米軍の兵士たち.

映画でも十分すぎるほど
悲惨な状況が描かれていますが
実際には高温多湿の硫黄島の
洞窟の中で、戦闘だけではなく
餓死や赤痢などの疫病などで
命を絶ったことは
本当に悲惨な状況であったと思います.

この映画はいろいろな観方ができます.
本土防衛の最後の砦である
硫黄島の攻防戦に際して
場当たり的な作戦と非常な体罰で対応する
日本軍と、豊富な物量と人員とで
押し寄せてくる米国軍の違いに
感じることがあります.

戦争や戦闘行動に限らず
いろいろな活動や行動において
やはり十分な補給、十分な人員の配置、
十分な計画が非常に大切だと思われます.

言葉を変えれば戦いや行動を始める前の
戦略のレベルですでに
勝敗が決しているということです.
失敗しないための、負けないための
十分な戦略を考えること.

不十分な後方支援、不十分な人員
不十分な物量では
いくら現地指揮官が一生懸命に頑張って
戦術の限りを尽くしたとしても
限界があります.

医療の分野でも、
今の救急の仕事でも
きちんとした補給があるのかどうか
きちんとした戦略があるのかどうか.
補給なき戦い、本部の戦略なき戦いは
最初から不利な戦いです.

硫黄島で亡くなられた方々の
冥福を改めてお祈りするとともに
硫黄島の歴史から
なんらかの教訓を得て
これからの忙しい毎日をまた
頑張っていこうと思います.
by yangt3 | 2007-05-03 12:32 | コーヒーブレイク(雑談)