薬剤師さん
2007年 09月 27日
薬剤師も当直をしています.
救急医療の現場で、薬剤師さんが当直していると
非常に助かります.
たとえば急性薬物中毒の患者さんが救急来院されれば
当直薬剤師さんの手によって
原因となった薬物の薬剤情報や
中毒情報、そして治療法などが
救急スタッフに伝えられます.
有機リン農薬中毒など迅速な対応が必要な
急性薬物中毒においては、こうした情報が
非常に有用であり、なんども薬剤師さんに
助けてもらいました.
薬剤師さんも、救急医療において
大切なチームの一員です.
-----薬事日報 2007.09.25
救命救急医療への薬剤師配置が増加‐臨床救急医学会WGが調査
http://www.yakuji.co.jp/entry4451.html
救命救急医療の現場に薬剤師を配置する施設が
増えていることが
日本臨床救急医学会多職種連携委員会小委員会
薬剤師ワーキンググループ(WG)の調査で
明らかになった。
救命救急センターがある全国の209施設を対象に
アンケート調査を実施したところ、
回答があった137施設のうち54施設に
薬剤師が配置されていた。
十数年前の同様の調査では、
その数は24施設(回答89施設)にとどまっており、
施設数の増加に伴って、
救急分野で活動する薬剤師の数も倍増した格好だ。
(中略)
アンケート調査は、全国の救命救急センターと
日本救急医学会指導医指定施設を対象に、
昨年末から今年初頭にかけて実施された。
センター長と薬剤部長に意見を求め、
それぞれ117施設(60%)、
137施設(65.6%)から回答があった。
「救命センターの担当薬剤師がいる」と回答したのは54施設。
回答施設の39.4%を占めた。
「救命センターに薬剤師は必要だと思うか」との設問には、
センター長の34.8%は「必ず必要」、44.4%は「必要」と回答し、
薬剤部長は21.9%が「必ず必要」、60.6%が「必要」と回答した。
両者とも80%前後が、
救命救急領域における薬剤師の必要性を認識していた。
薬剤師に期待する役割としては、薬品管理だけでなく、
処方チェック、医師への処方アドバイス、
急性薬物中毒患者に関する情報提供、
持参薬鑑別などの業務を望む意見が多かった。
このように約8割が薬剤師の必要性を
認識しているにもかかわらず、
実際の配置は約4割にとどまっている。
薬剤師の配置を阻んでいる要因について、
センター長や薬剤部長からは、「薬剤師の数が少なく、
救命センターへの配置ができない」
「救命センターの施設基準に薬剤師が含まれていない」
「薬剤管理指導業務のような診療報酬が設定されていない」
などが指摘された。
(後略)
------------------------------------------------------------------------
テレビの救急を扱った特集や番組では
医師や看護師などのスタッフが中心に
なることが多いです.
実際の救急の現場では、
その他のプロフェッショナルの活躍も
忘れてはならないと思います.
薬剤の相互作用とか、副作用のこととか
救急対応の傍らで自分で調べるより
専門の薬剤師さんに聞いたほうが
話が早いということです.
救急のみでなく、薬剤師さんたちが
日々の臨床の現場で、患者さんに
密接に接してもらうことで
副作用を含めて、早い対応をしてもらうことができ
本当に助かっています.
ただ問題は、医師、看護師さんと同様に
薬剤師さんたちも、医療崩壊のあおりをくらってか
”立ち去り型サボタージュ”よろしく
救急の現場から離れる人がいて残念なことです.
先日もそうして、救急の現場から離れて
とある調剤薬局に異動した薬剤師さんと会いました.
救急の現場を離れたことは、残念ですが
今の職場で頑張ってるようで
ちょっと安心しました.
優秀なドライバーだけでは
F-1 レースで勝利を勝ち取る事はできません.
優秀なピットクルーやスタッフがチームとして
仕事をして、始めてレースに臨めるのです.
医療崩壊で、医師、看護師さんの問題ばかりが
注目されがちですが
救急、医療に必要なその他の職種についても
十分に充足していくように
地域格差をなくしていくように
考えていかなければならないと思います.