もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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見守る目

10月20日は、
日本心血管インターベンション学会
第18回東海北陸地方会の2日目が
名古屋で行われていました.

他の病院の循環器の先生たちは、時間を見つけては
参加されているというのに
私は、金曜日も緊急で、参加できず
この土曜日も朝から外来.....
せめて午後からでもと、思いきや
また緊急が入ってしまいました.

学会に行きたしと思えど
学会はあまりに遠し...という感じです.

治療のほうは、無事に完了し、あれこれ病棟の
仕事を済ませて、家にたどり着いたら
もう夜でした(涙)

見守る目_a0055913_22364068.jpg





実は、今日治療した患者さんとの着き合いは
もう10年にならんとするほど
長いものです.

10年前に急性心筋梗塞にて発症し
私と故 古高先生と2人でステント治療を
行いました.

まだ薬剤溶出ステントがなかった頃の時代
残念ながら、その後再狭窄のため
バイパス手術となりました.

手術のあとも故 古高先生とともに
通院でのお付き合いは続いていました.
古高先生が急逝された後は
私が名代として、引き続き、外来診療を
続けさせていました.

数年前に狭心症が再発し、また治療を敢行.
今度は、私一人の治療となりましたが
心の中では、古高先生とふたりで
この方の治療を行いました.

10月10日が古高先生の命日にあたります.
昨年も、古高先生の命日の前後で
やはり古高先生の患者の狭心症治療を行っています.

そのまま放置していれば、急性心筋梗塞を起こして
いたかも知れない病変でした.
大きなイベントや合併症を起こす前に
ちょうど古高先生が見ていたかのように
ちょうど古高先生の命日前後に
無事に早めの治療が完了し
その後の経過は良好です.

そして今回の患者さんもそうでした.
幸いに、大きな梗塞を合併する事もなく
無事に薬剤溶出ステントの植え込みによって治療が
完了しました.

見守る目_a0055913_2304659.gif


見守る目_a0055913_2321814.gif


人は、あくまで偶然だというでしょう.

古高先生とふたりで10年もの間
外来、入院や治療でお付き合いをさせてもらってきた
この患者さんも、折りにふれ
古高先生が亡くなられたあとも
写真をみては、懐かしがられていたと聞きます.

いくつかの偶然が重なって
なんらかの結果が導き出された時に
そこになんらかの意味を見いだして
やはり慰めを感じるのです.

古高先生が急逝されても
今もなお、多くの人たちの心の中に
ずっと忘れられずに残っているのだということを
改めて再確認しました.

忙しい仕事の中で
私には、それがとてもうれしく
大いなる慰めとなりました.

なぜ仕事を続けるのか、と聞かれて
いろいろな答えが、個人個人であると思いますが
私にとっては、やはり
古高先生と一緒にやってきた事を
ずっとこれからも守って
遺志を継いでいく事が一番だと思っています.

この土曜日に、のんびり学会に出かけていたら
この患者さんの治療の時間的な遅れが
生じたわけで、偶然とは言え
私には、師父の力を感じたいです.

今日も土曜日の時間外だというのに
カテ室スタッフは、元気に張り切って仕事を
していただいて本当に感謝、感謝です.
by yangt3 | 2007-10-20 22:38 | 古高先生の想い出