もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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本当に救急はムズカしい...

久しぶりに救急ネタです.
病院で当直して、1次、2次の救急対応をしていると
ときどき酩酊状態の方が来院されます.
いわゆる酔っぱらいの方々です.

特にこの春の季節ともなれば、歓送迎会、新人歓迎会などなど
お酒も飲む機会も増えて、さらには社会人としての
第一歩を踏み出すにあたり緊張しながらの飲み会もあり
もしくは志望の大学に見事入学を果たして
初めて口にするお酒...などなど.

私の大学の新入生の頃は、本当に大変でした.
サークルやクラブの新人歓迎会は、とりわけ古参クラブ員や、先輩が
張り切って、おおいにお酒を飲んで
酔っぱらって、軒並みばたばたと寝てしまうという状況でした(笑)

飲み慣れた人、お酒に強い人はともかくとして
新入生や新人さんは、緊張して悪酔いすることもありました.

ちなみに私の大学の時のクラブでの初仕事は
酔っぱらった同級生を病院に連れて行くことでした.

本当に救急はムズカしい..._a0055913_1973019.gif






酔っぱらいの救急搬送
http://sankei.jp.msn.com/life/body/080404/bdy0804040845004-n1.htm

 同窓会で酒を飲んで帰宅した知人が、
 玄関前で昏倒(こんとう)した。
 近所の人が救急車を呼んだが、
 救急隊員はただの酔っぱらいとみたのか、
 引き揚げようとした。
 「様子がおかしい」と、近所の人が救急隊員を引き留め、
 救急病院に送らせたら、
 頭の骨にひびが入っていたという。
 「救急患者はみてみないと分からない」と
 救急専門医は言う。
 血まみれで運ばれた子供が軽傷だったり、
 「気分が悪い」と、歩いて病院に来た人が
 重度の脳疾患だったり。
 
 東京都が安易な救急要請を減らそうと始めた救急相談でも、
 半年間に2000件の救急要請が発生した。
 患者自身は軽症と思っても、
 そうでないケースが多かったということだろう。
 
 そこへ、酔っぱらいという要素がからんだら、
 さらに判断は難しくなる。 
 病院が嫌がる患者のひとつが“酔客”。
 大声を上げて暴れ、悪態をついた揚げ句、
 病院の機材を破壊する者もいると聞く。
 冒頭の知人の例ではないが、救急隊の脳裏に、
 嫌がる医師の顔が浮かんでも無理はない。
 判断も難しくなるし、
 酔っぱらいのけがや昏睡は、
 それでなくても忙しい救急現場に拍車をかける。
 飲酒は本人の責任が大きい。
 飲酒で救急車のお世話になることだけは避けたい。

 酔っぱらいの救急搬送で、
 命にかかわる患者の救急搬送ができなくなると思えば、
 酔いもさめようというものだ。自戒を込めて…。
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新しい職場の新人歓迎会で
はめを外しすぎて、帰宅中に転んで大けがをしてしまった話を
聞いたことがあります.

救急対応をする側としても、
ほとんどは、急性アルコール中毒で、
輸液、安静などの対応ですむ軽症が多いのですが
なかには、変化球もあって
ときどき痛い思いをすることもあります.

記事にあるような外傷の見落としには
もちろん十分な注意が必要になります.

酩酊状態で、交通事故を起こした患者さんの場合は
こちらも気合いをいれて初期評価を行うことになります.

循環器医としての経験でいえば
お酒を飲んで気分が悪いと病院を受診.

初期対応した研修医の先生が、急性アルコール中毒と判断して
救急外来で点滴して様子を見ていたところ
突然、様子がおかしくなり
あわてて心電図をとったところ、急性心筋梗塞と判明.
あわてて循環器コールとなったこともありました.

とうことで、別に酩酊状態が悪いのではなく
いかなる状況でも適切な判断を下さなければならない
救急は、やっぱり難しいですね.本当に.

お酒で憂さ晴らしをするんじゃなくて
楽しいお酒が飲めるようにしたいですね.

うちの病院もたくさんの新人さんが入って
もうすぐ新人歓迎会ですが、先輩として
絶対に愚痴をいわないようにしたいと思います(笑)
by yangt3 | 2008-04-10 19:08 | コーヒーブレイク(雑談)