生きる力、PCの力、やっぱり人間ってすごい.
2008年 04月 28日
生きる希望さえも奪い取ってしまいます.
病気は、様々なものを人から奪っていくかもしれませんが
人に生きよう、頑張ろうという力がある限り
困難なことも成し遂げることができます.
がん手術で声を失った大学教授の方が、PCを使って
再び教壇に戻ったというニュースがあります.
asahi.com:失った肉声をPCで再生 がん手術の教授、教壇に戻る - 健康
http://www.asahi.com/health/news/OSK200804150039.html
大阪芸大・牧教授:がんで声帯切除から半年、“肉声”で教壇復帰
事前録音、PC再現 - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/kansai/archive/news/2008/04/10/20080410ddf041040011000c.html
咽頭(いんとう)がんで声帯を切除した
大阪芸術大(大阪府河南町)の牧泉教授(59)=量子化学=が
15日、手術前の肉声を合成処理してよみがえらせるソフトを使い、
1年ぶりに教壇に立った。
失ったはずの声は、あたかもそのとき話しているかのように教室に響いた。
講義の冒頭。牧さんは深呼吸して着席し、教壇に用意したパソコンに向かった。
「チャンスを与えてくださった大学のみなさまに感謝いたします」。
口は閉じているのに、キーボードを打つと、
なめらかな声がスピーカーから流れ出した。
新年度を控え、授業を選択する学生向けの講義紹介に断り書きをした。
「私は声が出ません。残しておいた自分の声を基に作成されたソフトを使って、
コンピューターにしゃべらせる方法で授業をします」。
何人受講するか不安だったが、教室にはほぼ満員の約60人が集まった。
8年前にがんの告知を受けた。
「余命は月単位で考えてください」と言われたが、
「奇跡的」に回復し、治療しながら教壇に立ち続けた。
だが、昨年に再発。声帯を切除する決断をした。
なんとか自分の声を残したい。
インターネットで「自分の声」「ソフト」と打ち込み、
大手電機メーカー沖電気工業(東京)の声を再生する試作ソフトを見つけた。
すがる思いで連絡した。
スタッフが自宅を訪れ、7時間かけ肉声を収録した。
「今日はいい天気です」。声の特徴とイントネーションをとるため、
例文を読み上げた。よく使う言葉は一語一語、録音した。
家族や友人の名前、「なるほどな」「そやな」といった口癖。
「結合性軌道」「グルタミン酸ナトリウム」などの専門用語。
常用語は213にのぼった。
07年10月に声帯を切除し、手術後、キーボードを素早く打つ練習を重ねた。
通年科目である化学の講義は見送り、半期科目の「情報処理概論I」を担当。
再発や死を意識しながらの復職だが、「声が絶対に必要な場所で、
任務を果たしえることを示したい」の一念で登壇した。
約1時間15分の講義を終えると、牧さんは深く頭を下げた。
その後の取材に、パソコンで「授業中は『いけてる』と思い、
グッときました。だいぶできそうな気がしてきました」と話した。
声帯を切除後に話すには、空気をのみ込んで発声する「食道発声」や
首に密着させた機械で振動を起こして声を出す
「電気喉頭(こうとう)」が一般的だ。
沖電気工業は4月から、牧さんの使う「自分の声ソフト」を、
注文があれば販売する。価格は約100万円という。
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ここで紹介された「自分の声ソフトウェア」は
Polluxstr というそうです.
こちらが関連ページです↓
1)自分の声ソフトウェア Polluxstar(R)
http://pinpon.okilab.jp/
さらには、記事で紹介された大阪芸術大学の牧教授の作られた
関連ページもあります↓
2)自分の声ソフト
http://www.makiz.jp/
写真は教授のホームページからお借りしております.
実際に教授の講義の資料がダウンロードできます.
こちらも関連記事です(具体的な購入、導入検討について)
3)新世代のeボイスサービス、ポルックスター、発売中!
http://www.memorial-voice.com/
牧 教授のニュースは、NHK、日本経済新聞などで報道され
ご覧になった方も多いと重います.
この4月15日から、実際に教壇にたって講義をされているそうです.
牧先生の言葉を聞きましょう.
「講義がうまくいくのか不安だが、よい人生とは何かという私の思いを伝えたい」
「人間の考えを超えた何かが私に講義をするよう求めている。
声を取り戻したからには学生たちが満足できる講義をしたい」
パソコン、IT、電脳技術の進歩により
さまざまなことが可能になってきました.
この音声技術を可能にしたコンピュータ技術には驚くばかりです.
それでも不可能を可能にするのは、やはりご本人の頑張ろうという気持ちでした.
さらにはそれを支えるご家族の力もあったと重います.
病に立ち向かっていこうという気持ちを
患者さんが心折れずに持ってガンバッっている限り
私たち医療スタッフも、決してあきらめずに
ともに頑張っていかなければならないと思います.
もし倒れても、また立ち上がって歩き出せばよいのですし
すぐに立ち上がれなくても、ちょっとしばらく休んでいれば
また元気もでると思います.
必ず誰かが近くで待っていてくれるはずです.