もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

心臓CTが活躍しています

新しい心臓CT検査ですが、平成21年2月に導入されて以来
順調に稼働しています.

新しい心臓CTは
シーメンス社の新しい心臓CT Definition AS + 128 Slice であり
画像ワークステーションの ZIOも導入され活躍中です.

心臓CT検査には、放射線科の若手スタッフが連日
夜遅くまで、プライベートな時間を削ってまで
検査に、画像解析に頑張っています.

狭心症や冠動脈疾患を診断するためには
きれいな心臓CT画像を撮影することだけではなく
ZIOワークステーションによる、さらなる画像解析処理が不可欠です.
ちょうど映像製作でいうところの ポストプロダクションが
心臓CT検査のキモです.

循環器診療を行う病院としては、心臓CTの導入は
決して早くはないのですが、遅く始めた分、事前の準備と
若手のやる気だけはバッチリで
導入三ヶ月で、標準的な心臓CT画像は出せているのではないかと思います.

こちらに関連記事です.
 1)心臓CTカンファレンス
 http://tomochans.exblog.jp/8004967/

心臓CTが活躍しています_a0055913_0163395.jpg


心臓CTの積極的な活用によって、緊急カテ症例を減らしていき
心臓CTによる事前の診断と早期の治療が可能になっています.




狭心症の疑いで循環器外来を受診して
心電図や運動負荷試験、心エコー検査などを行って
「きちんと調べるためには、心臓カテーテル検査が必要ですねー」
という話になります.

カテーテルと聞いて、やはり多くの人は
「怖い」というイメージがあり、もう少し我慢する、ということになります.

最近、マラソン中に心臓発作で倒れたあの有名タレントの方のように
狭心症、心筋梗塞はきちんと治療を行わなければ
本当に大変なことになります.

切羽詰まって、緊急でやむを得ず、ぎりぎりでカテーテルを受けるよりは
まだまだ症状の軽いうちに、カテーテルが出来る方がよいでしょう.

当院に心臓CTが導入されたことにより
これまでカテーテル検査を怖がっていた方にも
安心して検査を受けて頂けるようになりました.

やはり糖尿病、高脂血症、高血圧、喫煙など
冠動脈リスクファクターがある方々には
心臓CT検査による事前検査の有用性は、計り知れないと思います.

2月の導入より、多くの患者さんの方々に心臓CT検査を行ってきました.

そのうちの何人かの方は、カテーテル治療が必要な
冠動脈疾患が見つかりました.
すぐに治療を行い、その後元気になっておられます.

過去に、カテーテル治療やステント植え込み治療を行われた患者さんも
カテーテル検査のかわりに、心臓CTによって
冠動脈の状態を調べています.

さらにはバイパス手術後の患者さんの検査も
心臓CTで行っています.

大きな手術、外科手術などで心臓にちょっと心配がある時にも
心臓CTによる心機能評価を行い、さらに安全に
手術を受けて頂けるようになりました.

心臓CT検査は、本当にあっという間に終わるのですが
画像解析に少数精鋭の若手スタッフで取り組んでいるため
ちょっとだけお時間を頂いているのが現状です.

それでも導入3ヶ月を経て、かなりのスピードでもって
心臓画像解析を行うことができるようになりました.

さすが若さって素晴らしいです.

一応、心臓CTの結果については1週間後という風にしていますが
詳しくは、循環器担当医におお尋ね下さい.

当院での心臓CTの症例をご紹介します.

1)正常の冠動脈の心臓CTです.

心臓CTが活躍しています_a0055913_017406.gif


冠動脈に狭窄やプラークがないと
けっこう細かい血管まで CTで描出されています.

心臓CTが活躍しています_a0055913_0181348.gif


2)ステント植え込み後の心臓CTです.

心臓CTが活躍しています_a0055913_0184962.gif


ステント治療後、1年後に検査を行いました.

ステントが良好に拡張されている様子がきれいに描出されています.
ステントの再狭窄もなさそうです.

3)胸痛発作のため心臓CTを行ったケースです.

心臓CTが活躍しています_a0055913_0192397.gif


冠動脈に狭窄があることが判明しました.

心臓CTが活躍しています_a0055913_0195221.gif


大きな発作を起こす前に、無事に治療を完了しています.

心臓CTを導入して、比較的無症状の患者さんにも積極的に
検査をお勧めしています.

たとえ無症状であっても、糖尿病、高脂血症、喫煙などの
リスクファクターがある方の場合は
検査結果をみて驚くことがままあります.

3枝病変であったり、血管が完全に詰まっていたり
見た目の症状よりも、心臓の冠動脈の傷みがひどいことがあります.

適切な治療やカテーテル治療を行わなければ
大きな心臓発作や急性心筋梗塞を起こしていたかもしれないわけです.

心臓CTで早期に診断がつくことにより
すぐに体の負担もなく、カテーテル治療を行って
多くの方が元気になっています.

現在は、同僚の内科医先生と協力して
当院に通っておられる糖尿病の患者さんや高血圧、高脂血症の患者さんで
積極的に心臓CT検査を行うようにしています.

早め、早めの検査で、早期に冠動脈疾患、心臓疾患を発見して
大事に至る前に、必要なカテーテル治療を行うことで
少しでも、緊急を減らして、心臓病のリスクを減らしたいということです.

まだまだ仕事は沢山あります.
仲間のスタッフとともに頑張ります.
by yangt3 | 2009-04-27 00:20 | カテ室リニューアル!