もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3

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慢性閉塞性下肢動脈閉塞症(ASO)は、
大動脈から下肢への主要動脈の
動脈硬化により虚血が起こる状態です.
閉塞性動脈硬化症(ASO)の動脈硬化による虚血症状が進行すると
下肢の冷汗、しびれからはじまり
短い距離の歩行だけで下肢の痛みが生じたり(間歇性跛行)、
症状が進行すれば、安静時にも症状が出現、
最終的には、下肢の潰瘍・壊死などを生じてきます.
閉塞性動脈硬化症の症状の分類をFontaine分類と呼びます.

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この慢性閉塞性動脈硬化症(ASO)は、糖尿病の方や
透析患者さんに多く発症します.
症状が進行する前に、少なくとも間歇性跛行の段階で
適切な診断と治療を受ける必要があります.

診断としては、下肢動脈エコー検査、指尖脈波、造影CT、MRアンギオ
などを行います.確定診断のためには
カテーテルによる造影検査が必要です.
この下肢動脈造影は、通常の心臓カテーテル検査と同様に
日帰りで検査が可能です.
冠動脈の検査と合わせて下肢動脈の検査をすることも可能です.
カテーテルで治療可能であれば、バルーンによる拡張や
ステントの植え込みなどで治療ができます.

透析患者さんや、糖尿病の管理が悪い患者さんにおいては
この慢性化し動脈閉塞症(ASO)もかなり進行していることが多く
通常のカテーテル治療が困難なこともあります.
その場合は、坑血小板薬などの内服治療が行われますが
しばしば効果は不十分であり、最悪の場合、下肢の潰瘍の進行
下肢の切断という事態も懸念されます.

このような慢性閉塞性動脈硬化症に対して
人工透析と同様の機械を用いて
血液を浄化することにより治療することができます.
それがリポソーバーと呼ばれる治療です.

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特別なカラムを使用して血液中の
コレステロールや悪玉コレステロール(HDL)を選択的に吸着除去して
血液を浄化します.(いわば、血液の洗濯ですね).
通常の透析と違い、血管を太くする手術も不要で
上腕の静脈を2ヶ所穿刺して施行します.
もちろん透析患者さんの場合は、シャントを使用して行うことができます.
慢性閉塞性動脈硬化症(ASO)の場合は
最初の2週間は週に2回、そのあと6週間は週1回、合計10回の治療を
行います.

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この血液浄化 はLDL吸着療法と呼ばれます.
LDL吸着療法を 慢性閉塞性動脈硬化症の患者さんに施行することにより
症状の改善、下肢潰瘍の改善、治癒
ひいては下肢切断の回避にも繋がります.

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治療が著効した症例では、下肢の血管の血流も改善します.

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東可児病院でも、この LDL吸着療法による
下肢動脈閉塞症の 血液浄化治療を行っています.

下肢のしびれ、少し歩いただけで下肢の痛みが起こる(間欠性跛行)などの
症状がある方は、早めに循環器科を受診されることをお勧めします.
糖尿病のある方、腎不全で透析治療を受けておられる方などは、
症状が出にくく、思ったより動脈硬化が進行していることもありますので
特に早い治療が必要となります.
by yangt3 | 2006-03-19 00:25 | カテーテルの話題

検診の勧め

東可児病院にも高血圧、糖尿病、高脂血症などの
いわゆる成人病の方々が沢山通院されておられます.
家庭の主婦の方や、高齢者の方は
病院だけに通院されて 職場での検診、市の検診なども
うける機会が少ないこともあるようです.

病気の状況にもよりますが
定期的な血液検査、心電図、胸部レントゲン
その他症状に応じた検査、検診はとても大事なことです.

高血圧で通院されている方でも、体の状態は
刻々と変化するものであり
知らないうちに、血糖値が上がっていたり
薬の副作用で、肝臓の数字が悪化しているかもしれません.
ましてや、癌検診などは、意識して受けなければ
早期発見、早期治療もできないことになります.

担当の医師も心がけて、定期的な健診を
皆さんにお勧めしています.

ぜひみなさんも、定期的に血液検査、心電図、レントゲンを
受けるようにしてください.

また他で受けられた検診の結果も
コピーを病院まで持ってきていただけると助かります.
いくら検診を定期的に受けられていても
実際に診療を受けている病院にその結果の記録がなければ
症状が変化したり、緊急時の対応に困ることがあります.

例えば急性心筋梗塞などの診断には
心電図検査が非常に有効です.
健康な時の正常な心電図と変化を比べることにより
早期の確実な診断も可能になるはずです.
緊急の時に手元に普段の心電図やデータがあれば
診断に非常に役立ちます.

さらに特定の病気で通院されていると
他の内蔵の検査がしばしば間が開いてしまうことがあります.
循環器の方は、消化器や脳ドック、眼科検診などが
検診が不定期になってはいけません.
年に1度は、全身的な検診が必要になります.

ぜひ、定期的な検診を受けてください.
そしてその結果は、また病院のほうへ
主治医のほうに持ってきていただけるようにお願いします.
by yangt3 | 2006-03-18 13:55
2006年3月11日〜3月14日に米国アトランタで開催された
ACC 2006 (第55回米国心臓病学会)において
スタチンによる高脂血症の治療が冠動脈の動脈硬化を改善するという結果が
報告されました.

A Study To Evaluate the Effect of Rosuvastatin on Intravascular Ultrasound-Derived Coronary Atheroma Burden
presenter: Steven Nissen, MD (Cleveland Clinic Foundation, US)
スタチン治療による冠動脈の動脈硬化の退縮を血管内超音波で検討

目的;冠動脈疾患患者において,2年間のrosuvastatinによる強力脂質低下が
   アテローム性動脈硬化を退縮させるかを検討する(IVUS試験).

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期間;追跡期間は24ヶ月(2年間)

対象患者;507例.18歳以上,過去12ヵ月間に3ヵ月以上スタチンを
   投与していないもの,冠動脈造影で主要な冠動脈に>20%の狭窄を有するも,
   標的血管が40mm以上の標的セグメント長に50%未満の狭窄を有する,
   標的血管にPCIあるいは心筋梗塞の既往がないもの.
   患者背景として、平均年齢は58.5歳.既往として高血圧、糖尿病、
   急性冠症候群、心筋梗塞がある.
   アスピリン、ACE阻害剤、ARB、硝酸剤、β遮断薬などで治療.

除外基準:コントロールできない高トリグリセリド血症(≧500mg/dL),
   コントロール不良な糖尿病(グリコヘモグロビン≧10%).

治療法;新規スタチン製剤である
    クレストール(rosuvastatin )40mg/日を24ヵ月投与.

    IVUS(血管内超音波検査)をベースライン時と24ヵ月後に実施.
   (血管内超音波は、冠動脈造影検査に引き続き行います.
    通常は、治療の際に行う検査です.)

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結果;・ 追跡IVUS実施例は349例であった.
   ・ 悪玉コレステロールであるLDL-Cは
     130.4mg/dL→60.8mg/dLと53.2%有意に低下した.
   ・ 善玉コレステロールであるHDL-Cは
     43.1mg/dL→49.0mg/dLと14.7%有意に上昇した.
   ・ 試験開始時に比べアテローム性動脈硬化の有意な退縮が確認された.
     つまりスタチン治療により冠動脈の動脈硬化が退縮、改善することを
     血管内超音波で実際に確認できたということです.

   ・ アテローム容積率(percent atheroma volume: PAV)は
     退縮例が63.6%,進展例が36.4%.
   ・ ベースライン時に最も病変が顕著な10mmセグメントの
        アテローム容積変化は9.1%の低下をみた.
        退縮例は78.1%,進展例は21.9%.
   ・ 正常化総アテローム容積は6.8%の低下をみた.

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以上のように、スタチンによる積極的な高脂血症の治療により
悪玉コレステロールである
LDL-Cを短期間で低下させることにより
狭心症、心筋梗塞の原因となる冠動脈の動脈硬化を目に見える形で
減少させることができるということです.
狭心症、心筋梗塞の患者さんは、禁忌が無い限りは、スタチン治療を
行う意義があると考えられます.

なお注意すべきはスタチンによる治療を積極的におこなっても
約20%〜36%の症例においては
動脈硬化の伸展が認められることです.
このようなスタチン治療でも進展する症例においては、経過により
カテーテル治療が必要となります.

少なくともスタチンによる動脈硬化の治療により
狭心症、心筋梗塞の原因となる
冠動脈動脈硬化を安定化させ、内服治療のみで、
およそ7割の患者さんにおいては
動脈硬化を減少させるという事実をしっかりと認識して
今日からの治療にあたる必要があります.
by yangt3 | 2006-03-18 08:48 | カテーテルの話題
心肺停止(CPA)、心臓突然死(SCA)の原因としては
心臓由来による心室細動、心室頻拍がほとんどです.
通常、心室細動は、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)や
その他の重篤な器質的心臓病(心不全、心筋症など)の結果として
発症します.重要な突然死の原因となります.

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時に(まれに)、明らかな心臓の基礎疾患を認めない例に
心室細動が出現する場合があります.
このような例を特発性心室細動と読んでいます.
特発性心室細動には、いろいろな疾患、病態が含まれています.
Brugada症候群は、このような特発性心室細動の1つです.
1992にBrugadaらが提唱した疾患です.
反復する失神発作を特徴とし(無症状のこともある)、
12誘導の心電図で特徴的な所見を示すもので
致死的な心室細動を起こす疾患です.
日本を含むアジア地域で比較的発生頻度が高く
心臓突然死の重要な原因の一つとなります.

この疾患の失神の際には、心室細動が起こっています.
症状がなく心電図だけで発見される例もあるようです.


特徴的な心電図所見として教科書的には
右胸部誘導(V1、V2)の著しいST上昇と右脚ブロックを
特徴とします.ST上昇には2種類があります
saddle-back タイプ

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coved タイプ

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臨床的にはsaddle-backタイプからcovedタイプ型に
心電図が変化した時に、心室細動などの心事故発生が
多いといわれています.

治療としては、失神発作、心室細動発作を
一度でも起こしたことがある場合には
植え込み型除細動器(ICD)が必要となります.
失神発作なくても上記の coved タイプの心電図を示す場合には
心室細動の危険が高いため積極的な治療が必要と考えます.
(予防的な植え込み型除細動器の適応に関しては
まだ制限がありますが)

日本循環器学会の植え込み型除細動器のガイドラインによると
Brugada症候群については
・心停止蘇生例
・自然停止する心室細動/多型性心室頻拍(+)
・原因不明の失神とBrugada型心電図がある
・電気生理学的検査にて多型性の心室細動/心室頻拍が誘発
がクラスIとなっています.
心電図所見のみで、失神の既往がない場合は、クラスIIIで
一般的な適応とはされていません.

救急の場で心室細動として遭遇した場合には
通常通り、AED、除細動を含む蘇生処置を行う必要があります.

心室細動、CPAの搬送時には、いまだ心電図モニター波形のみで
判断せざるを得ない状況にあります.
上記のように幅広く心室細動の原因を早期に判断し
的確な診断、治療を行う為には
搬送の救急車内においても12誘導の心電図を記録することが
非常に有用であると思われます.
今後、順次、救急車内の設備が
12誘導心電図を記録し、リアルタイムに
搬送先病院に転送できるようになることで
心室細動の救命率の改善につながると考えます.
by yangt3 | 2006-03-17 12:48

急性心筋梗塞の1例

60代の男性の方です.
突然の胸痛発作にて来院されました.
来院時の心電図で
是頬部誘導の著明なST上昇を認めました.
急性心筋梗塞の診断にてただちに
カテーテル治療が行われました.

治療は右手首から行っています.
(右橈骨動脈アプローチ;TRI)
冠動脈造影にて左前下行枝#6にて完全閉塞を認めました.

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この病変による急性心筋梗塞と診断.
ただちにカテーテル治療を続行しました.
当院では、全てのカテーテル治療を
血管内超音波(IVUS)を用いて行っています.

ガイドワイヤーによる病変クロス、
血栓吸引カテーテルによる血栓吸引、
前拡張バルーンによる病変の拡張などを施行し
冠動脈ステント植え込みを
行っています.

まず左前下行枝#7に
Cypher 2.5 x 23 mmを植え込み施行

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続いて左前下行枝近位部から
Cypher 3.0 x 23 mmを植え込み施行.

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両方のステントは、きちんと
オーバーラップしていて、病変は
フルカバーされています.

最期に後拡張バルーンにて
血管内超音波の所見を参考にして
ステントを十分に拡張しました.

治療にて冠動脈血流は良好です.

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その後の経過も良好です.

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このように急性心筋梗塞の症例でも、十分な血栓吸引を行い
血管内超音波ガイドによる確実なステント植え込みを
行えば、薬剤溶出ステント Cypherによる治療は
安全であり、かつ将来の再狭窄、再発の危険が
減少します.

薬剤溶出ステント Cypher使用の問題点としては
ステント植え込み後の血栓性閉塞が0.5%程度起こるということです.
十分な血栓吸引を行うこと
血管内超音波を使用して病変に適したステントを使用すること
複雑な病変(主幹部、近位の分岐部など)は
無理をせず、主要な病変のみ治療するなど
いくつかの細かい点を注意して
危険性を減らして治療が可能です.

以前ご紹介したステント植え込み後の慢性期の血栓発症については
今のところ学会でも結論がでておらず、
次のステントの改良までは
アスピリンを継続して内服を続けていただくことが重要です.
by yangt3 | 2006-03-16 09:23 | カテーテルの話題

救急救命士の方々へ

救急救命士の方とお話する機会がありました.
お互いに顔をみて、それぞれの思いを語ることで
普段の救急の場では、伝えられない
沢山のことを、お互いに通じ合えたように思います.
救急救命士精度が発足してから何年もたち
今は、特定医療行為やAEDを含め
救急救命士の方の救急に置ける役割は
どんどん重要なものになってきています.

私の個人的な意見としては、
救急を受け持つプロとして
医師、救急救命士の垣根を越えて
共に協力して
少しでも地域の方の役に立つように
頑張って行きたいと思います.
全てのことは、患者さんのため なので
越えられない障壁はないと思っています.

東可児病院に救急搬送していただいた時には
患者の救命のために、皆さんにも
力を貸していただけるとありがたいです.

これからは、少しでも知識と経験を共有できるように
地域の救急カンファレンスなどを
どんどん開催したいと考えています.
by yangt3 | 2006-03-15 23:56 | 一般

食後の高脂血症について

循環器の患者さんにとって
高脂血症の治療は重要な問題です.
コレステロールが動脈硬化、引いては
虚血性心疾患などの心臓病、脳卒中を増加させることは
皆さんご存知の通りです.
中性脂肪についても、食後の高中性脂肪血症が持続する
状態(食後高脂血症)が
同じく動脈硬化の危険因子として注目されています.

通常の場合
食後4時間で中性脂肪(トリグリセリド)はピークとなり
約8時間で元のレベルに戻ります.
通常の食事以外に
間食したり、外食したり、おやつを食べたり、
深夜に至るまで飲食したりして過食状態にあることが多いと
中性脂肪の値が常に食後状態になって
高値のまま持続します.

通常検診で行われる中性脂肪の数字は空腹時の数値です.
最近では、非空腹時の中性脂肪についても検討されています.
それによれば空腹時中性脂肪の正常値よりも低い値でも
冠動脈疾患のリスクが増加するといわれています.

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食事に含まれる脂肪は、小腸でカイロミクロンというリポ蛋白となって
血液中に吸収されます.
また肝臓でも脂肪が合成されVLDLとして吸収されます.
これらのカイロミクロン、VLDLなどの脂肪は
さらに血管内皮細胞の酵素(リポ蛋白リパーゼ)により分解されて
小型化したレムナントに変換されます.
この小型化した脂肪滴;レムナントが
動脈硬化の形成に関与するといわれています.

最近では、中性脂肪だけでなく、この小型脂肪 レムナントも
測定可能です.(特殊検査ですが)
レムナント様リポ蛋白コレステロール(RLP-C)
として測定可能です.
7.5mg/dL以下が正常ですが
糖尿病、冠動脈疾患などの既往歴がある方は
5.2mg/dL以上がハイリスクといわれています.

さらに糖尿病が合併している患者さんの場合は
インスリン抵抗性とよばれる状態があり
さらに食後高脂血症のリスクが増加します.

狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患を予防するためには
コレステロールだけでなく
中性脂肪についても積極的に低下させる必要があります.
現在は、中性脂肪についてもフィブラート系薬剤など
(トライコアなど)が処方可能です.

運動、食事療法を含めて
しっかり主治医の先生と相談し
中性脂肪も下げて行く必要があります.

高脂血症の検査において、コレステロール、中性脂肪
HDL、LDLの測定のみでなく
こうしたレムナント脂質の測定も併用することにより
さらに冠動脈疾患のリスクを判定することができ
適切な治療に繋がると思います.

ぜひ次回外来診察の時には、RLP測定してみてください.
(少し高い検査ですが)
by yangt3 | 2006-03-15 15:17

大腸がん について

東可児病院 外科部長(副院長)の江浪先生から
大腸ガンについてのお話です.
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 大腸ガンは、乳がんとともに、a0055913_12305561.gif
近年増加傾向の著しいガンであることは
皆さんご存知のことと思います.
大腸ガンとは S状結腸よりも深部の結腸ガンと
直腸ガンの総称ですが、
この増加は結腸ガンの増加によるもので
直腸ガンは横ばいとなっています.
 
 大腸ガンのリスクファクターとして家族歴、アルコール多飲、高脂血症、
低残渣食、糖尿病があげられます.

 最近、食物線維の摂取量と大腸ガンの発生は関係ないとする論文が
発表されました.
乳がんの増加と基を同じくすることからすれば妥当でしょうが、個人的には、
よく言われる食文化の欧米化が関与していることは間違いないだろうと、
考えています.
 
 また遺伝子色彩の強い癌腫であり、大腸ポリープ、陥凹型病変それぞれに、
またこれらの癌化についても全て遺伝子の関与が指摘されています.

 個人レベルの予防法(一次予防)としては、アルコールを控える、
低脂肪食にする、緑黄色野菜を多く取る、等を心がけると良いでしょう.
また肉親の方に大腸ガンが出た場合は、
積極的に検査を受けると良いと思います.

 しかし何といっても重要なのは早期発見(二次予防)です.
便潜血反応が普及していますが、精密検査を担当するものとして、
2回陽性の場合の的中率(大腸ポリープを含む)は
それなりに高いものと認識しています.

 東可児病院では、大腸内視鏡検査に先立って
注腸検査を行う場合が多いですが、
この注腸検査は非常に誤審率の高い検査であることは確かです.
平たく言うと見落としが多い、従って疑わしきは罰するという態度で
読影に当たっております.

 大腸内視鏡検査では、診断とともに大腸ポリープが認められた場合には、
例外をのぞいてその場でポリペクトミーを施行します.
 
 最近の症例を2例ほど紹介します.
 (1)症例1
 直径3.5cmほどの巨大な横行結腸ポリープです.亜有茎性で基部幅も1cmあり
慎重に判断しましたが、無事にポリペクトミーを終えました.
念のため一泊入院していただきました.
腺腫(良性)でした.

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 (2)症例2
 直径1cmほどのS状結腸ポリープです.有茎性でポリペクトミーは比較的安全に
行えます.腺腫(良性)でした.

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 東可児病院では、結腸・直腸切除手術、肝動注療法等も行っています.
定期的な検査を受け 早期発見に努めましょう.
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管理人より
循環器科に通院中の方も、ぜひ積極的に大腸ガン検診を受ける必要があります.
大腸ガンの早期発見のためには、大腸ファイバーなどの精密検査を
受けられるのが一番の早道です.
パナルジン、バイアスピリン、ワーファリンなどの
血栓予防の薬を服用されている方は
手術、ポリープ切除の際に、内服の中止が必要となりますので
循環器科担当医と相談が必要です.
余談ですが、アスピリンを内服している患者さんには
大腸ガンが少ないというデータがあります.
決して、大腸ガンの予防のために、
アスピリンを投与しているわけではないのですが.
くわしい機序については、まだわかっていません.
by yangt3 | 2006-03-15 12:34
近所のつながりが自殺防ぐー 秋田大教授が分析
 共同通信 3月14日

近所の人との助け合いの気持ちや住んでいる土地への愛着が強いと回答した割合が高い地区の住民ほど、自殺と深く関係があるとされるうつ症状は少ない傾向にあることが14日、秋田大医学部の本橋豊教授(公衆衛生学)らが実施した住民アンケートで分かった。失業や倒産といった社会経済的要因の影響が強いとされる自殺に、「近所付き合い」などにみられる地域ネットワークの強さも関係していることを示しており、本橋教授は「地域の信頼、人と人とのつながりが自殺の抑止力になっている可能性がある」としている.
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結局、人と人との繋がりが希薄になっているということでしょうか.
自殺の原因は、年代でも異なるでしょうし
原因も人それぞれだと思います.
周囲との関わりが深ければ、それだけ自殺を予防するのには
役立ちそうです.
医療関係者の間でも、燃えつき症候群と呼ばれるものがあります.
集中治療室や、手術室、救急外来などの昼夜を問わない
激務に追われ、気がつくと
いつしか自信や気力を喪失し、最悪の場合には
自殺を考えることもあります.
このように医療現場の職場でも、そして皆さんの職場でも
周囲のつながり、同僚のつながりをもっともっと
大切にする必要があります.
仕事優先で、がむしゃらに突っ走って働く人は、
周囲の人にも悩みを打ち明けないことも多いようです.
救急現場を支える人も、またみんなの支えが必要なのだと思います.
私自身は、家族に、特に子供たちの笑顔に
いつも癒されています.
皆で、助け合って
たまには息抜きをし、それぞれの方法で癒しを求め
また仕事を一緒にやりましょう.
急がず、あせらず、地道に.
by yangt3 | 2006-03-14 11:43

本日、院内勉強会開催

本日 午後1時半より
院内勉強会を開催します.
ARDSの治療薬であるエラスポールについての
勉強会です.
ARDS、人工呼吸管理を含めて
幅広いテーマで勉強会が行われます.
by yangt3 | 2006-03-14 08:03